あらすじ
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ICTを活用した教育について学ぶ大学生・大学院生および学校の先生のための入門書。大学の講義の回数に合わせた13章構成で、各章の終わりに設定された『研究課題』に取り組むことでさらに理解を深めることができる。
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Posted by ブクログ
これからの教育は「知識の量としての学力」から「キー・コンピテンシー」へととらえ方を変化する必要があると書かれている。「キー・コンピテンシー」とは、OECDのdesecoプロジェクトという活動から生まれた概念で
1.相互作用的に道具を用いる
2.異質な集団で交流する
3.自律的に活動する
という3つの広域カテゴリに分類される。細かい内容はともかく、これからの時代で生きるためには、(古い)学力偏重から、こういった力を育てる教育が必要になるのは間違いない。しかし、こういったことが叫ばれていても、なかなか変わらないのが現状。その問題点は大学入試制度や、学習評価にあると思う。
本書でも書かれているが、知識を問うテストから、ポートフォリオのようなものを使い、個人の成長を評価する形式に変えなければ、今までの知識量を問う教育から脱却することはできないだろう。そしてその先にある大学入試制度がどう変わるのかが重要になってくる。
中・高の評価システムと大学入試制度が変わって、初めて教育のとらえ方に変化が出る。知識がいらないということは絶対にないが、それだけを問う評価は、もう捨てる時代に入ったと思う。フィンランドや、デボラ・マイヤーが行なっている教育がそのまま日本でできる(または必要)かはわからないが、少なくとも変化しなければならないのは間違いない。佐藤学や市川伸一の実践のような見本も現れてきているので、日本の教育の方向性も見えて来ているとは思う。
本書を読んでいて、情報教育だけでなく、今後の教育のとらえ方についても考えさせられた。