【感想・ネタバレ】地獄の花 他一篇のレビュー

あらすじ

人類の一面は確かに動物的たるをまぬがれざるなり――外遊前の荷風が,道徳や正義を掲げつつも情欲や権力欲に揺れる人間の本性と社会の裏面を描き出す.初対面の森鴎外から「地獄の花はすでに読みたり」と励まされ,創作欲を高めた荷風の出世作.同時期に執筆された鮮やかな短篇「闇の叫び」も併収.解説=中島国彦

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Posted by ブクログ

特殊なプロット、気を衒う表現、各種のトリック、現代の作家はそういった飛び道具に便りがちだ。全く飛び道具のみで構成されている作品すらある。しかもそれを賞賛する人が数多くいて、あたかも正統派の文章から逸脱することが当然であるかのような印象を受ける。

果たして過去の作家陣もそうだったのか。

否、自らの描写力のみで戦い続けていたのだ。

永井荷風とはまさに描写のみに生き、描写のみで文壇を魅了してみせた作家だ。言葉の隅々に凄みがあり、華があり、細部に宇宙が宿っている。読む者に無限の彼方を夢想させる。底なしの沼からふつふつとこみ上げてくる怒りや思考を破壊する愛が手に取るように感じられる。そう、一本通しただけのシンプルなストーリィに森羅万象が宿っているのである。

あなたが読んでいる本、それはどんな本だろうか。

芯があるか?
凄みがあるか?
混沌と際限なきエネルギーが、込められているのか?

ないだろう?
ならば今すぐ本を閉じなさい。

迷うな、前を向け。
本当に読むべき本を読みなさい。
人生は短く、儚いものなのだから。







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2026年10月23日

Posted by ブクログ

結末が素晴らしかった。悲劇的な結末であることに間違いはないのだが、それでも主人公の園子からは善悪を超越した、生きるための力強さを感じた。

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2026年10月18日

Posted by ブクログ

表題作と、「闇の叫び」という短編が収録されている。どちらも酷い話である。若い女性がひたすら追い詰められていく。その原因の一つは大衆の下劣な関心をかきたてる新聞の報道なのだが、現代ならバズり狙いのSNSということになりそう。宗教というものの空虚さをドライに描いていたり、ヒロインが暴行される場面を小田原の深夜の海辺の荒々しさに重ねて描くあたりには凄みを感じた。

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2026年06月19日

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