あらすじ
漫画「風の大地」「奈緒子」などの原作者であり、ジュニア向けゴルフスクール「坂田塾」を20年前より運営し、古閑美保や上田桃子、有村智恵など多くのプロゴルファーを輩出した著者の実体験を通じて語られた教育論。相手を伸ばす叱り方など、子育て中の親や部下を抱える経営者やサラリーマンなど、人の上に立ち、教える機会が多い世代にとって役立つエピソードにあふれた一冊。
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Posted by ブクログ
以前から著者には一目置いていたが、著書を読むのは初めて。
随分前にテレビで坂田塾について取り上げた番組を見たとき、将来どのような選手が輩出されるものかと、そのときは思ったものだが、古閑美保、上田桃子、有村智恵、笠りつ子などは坂田塾出身だったのを今更知った。
さて、内容については、ちょうどコーチングに関する講演を聞いたばかりだったので、指導方法として対極にあるものではないかと想像しながら興味深く読んだ。
ところが当初の予想に反し、「ダボを打った、試合に負けたなど、結果に対して手を上げたことはこの20年間、一度もない。」という。また、基本ができたらうんと褒めてやる、ともあり、テレビで見たことのある、グリップエンドで子供の頭を叩いているイメージが強すぎたせいか、イメージと随分違うものだと思った。
特に、以下の一節は先日のコーチングの考え方と全く同一で、根は同じものだと感心した。
「人間の才を伸ばすには、学ぶ力が必要だと思う。学ぶ力を養うのに、教えすぎはマイナスとなる。基本は与える。ヒントは与える。しかし、そこから先は己の意欲、創意、工夫が必要なのである。
己にできることは己で為すが最善。然れば『自ら学ぶ力』が生まれてくる。
今の子供たち、あらゆる事柄を教えられすぎている。だから、自ら学び、考え、判断する力がとても弱い。」