あらすじ
人間の世界ともうひとつの世界を遮る塞神(さえのかみ)が崩壊。神隠しに遭った幼馴染みを救えるのは、俺!? 敵はカミサマ、勝てるわけないじゃん!! 神様と高校生たちの友情を描いたエンターテイメント小説。
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Posted by ブクログ
「僕とカミサマの境界線」
人間世界とさかしまの世界を遮る塞神が崩壊した。神隠しにあった幼馴染を救えるのは、京介。
「決して足を踏み入れてはならない」と祖父が言っていた九天島。人間が住むうつしよ、御前達が住むさかしま。有栖川家が歴代管理してきた鏡。有栖川家の息子京介が持つ謎の力に旧鼠や玉兎。まるで陰陽師の世界や犬夜叉みたいな印象を受ける物語。
京介が助けようとしている舞子は、どうやら歴史大好きっ子でさかしまの世界に影響を与えそうな活発な子。対象的に、舞子の親友一二三は、引っ込み思案だけど頑固だろうな、と感じる女の子である。そして、注目人物は、舞子の兄。
彼らのキャラクターを見ると、ライトノーベルらしいなと思いながら、これまたライトノーベルらしい世界観を読む。随分久方ぶりの感覚を味わいながら読み進むにつれ、なんだか京介に対してモヤモヤ感が湧いてくるw
確かに、一二三を巻き込みたくない気持ちや舞子を助けたい気持ちは分かる。しかし、ちょっと子供過ぎやしないか、と。
京介自身やたらに自身を責める傾向があり、彼自身矛盾を感じているから「京介も苦悩しているんだ」と思いますが、一二三が想像通りの頑固さ、芯の強さを見せるだけに、ちょっと京介に物足りなさを感じてしまいます。そんな京介がどう成長するのか、是非ご確認を。
物語を担うは、うつしよだけではなく、さかしまもです。彼らが活躍してくれないと全く別の物語になっちゃいますからね。登場するのは、悪魔のような旧鼠をはじめその悪魔を食っちゃう玉兎に舞子の話し相手応声虫、そして大蛇と色々いますが、一押しは狛犬です。
べらんべい口調というのかよく分からないけど、なんとも迫力あり可愛らしさありで目が離せない。人間を憎むさかしまが普通の中、一二三を慕うなんてやるじゃないかと応援したくなる訳ですw
ファンタジーある世界観が大好きな人は楽しめる一冊。