あらすじ
2013年3月決算で日本電産は前期比80%減という大幅な減益に沈みました。パソコンからスマートフォンやタブレット端末に消費者の需要が移る中で、同社を支えるハードディスク駆動装置用精密モーターの需要が急減、その直撃を受けたことが大きな要因でした。
ところが、半年後の2014年3月期中間決算でV字回復、華麗な復活を遂げています。その背景にあったのは、肉体改造とも言える強烈な事業改革です。大幅な事業の落ち込みを奇貨として、精密モーター中心、国内中心だった事業構造を大きく見直して世界一体経営に踏み切りました。
本書では、製造業の中で勝ち組と位置付けられている日本電産の競争力と、危機のたびに経営を進化させてきたその強みを分析しました。さらに、超ワンマンで名高い永守重信社長が69歳にしてマネジメントスタイルを変えつつあることもつぶさに描き、永守重信という稀代の経営者の本質にも迫りました。
永守社長の経営論としてはもちろんのこと、M&Aを成功に導く教科書として、あるいは平凡な人材を考える人材に変える実践的人材育成論としても読むことができます。
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Posted by ブクログ
チェック項目5箇所。どのような読み方をするかは読者の方々にお任せするが、グローバル化が進んだ今の世界は企業にとって海図なき航海に等しい、その1つの材料として本書をお読みいただければ幸いである。「普通の再建の仕方は間違っとる。『年齢が高いから切る』とか『能力がないからいらない』なんて、僕はいわないよ。怠け者にはやめてもらうということだけや」。日本人はとかく「暑いですね、やってられませんな」「どうも、調子が良くなくて…」などと消極的な挨拶をするが、「ファイン」いや「エクセレント(最高さ)」と答えられるような、積極的、前向きな心持ちでなければ、何事も成し遂げられないと、アメリカの医師から教えられた。「去ってほしい社員」①知恵の出ない社員②言われなければできない社員③すぐ他人の力に頼る社員④すぐ責任転嫁をする社員⑤やる気旺盛でない社員⑥すぐ不平不満を言う社員⑦よく休みよく遅れる社員。・成功するための秘訣は非常にささいなことである、それは、①他人が休んでいるうちの小さな一念、②他人が遊んでいるうちのわずかな努力、そして③その継続である。