あらすじ
親の事業が失敗し、マスコミに叩かれ、学校にも行けなくなった葛葉紅葉、十七歳。世界中を敵に回した女子高生に、悪魔が契約を持ちかける。その条件とは命を捧げること――ではなく、そいつの「100の質問」に答えることだった……。追い詰められた少女と、尻尾の掴めない男が出逢うときに生まれる、奇妙で不思議な対話の先に待つものは……?
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Posted by ブクログ
言葉遊びですが、言葉一つ一つが哲学。正解も不正解もない。
考えという行為の難しさ。
人間とは比較するいきものだといいますが、そんな感じですね。
この本は人におすすめすることはないとは思いますが、中々興味深い参考文書代わりにはなるかもしれませんね。
ある意味で、『なぜ?』と聞くはずれ君が実は人間らしい人間かもしれない。
私たちは、ありのままの世界をただありのままに生きてるだけ。
それは本当の意味で生きているのか、いないのか。
難しい議題な本でした。
ただ、紅葉がどういう結末を迎えたのかが理解できない。
この後どうなってしまうのか、『システム』とは、『アンティ』とは。
まぁ、そこは『私と悪魔』にとって必要ない部分なのでしょうね。
あくまでも、この作品は問答。
そこが主軸なのです。
ですが……これを小説というのか、哲学書として読むのか。中々判断がつかないものです。
物語としては、ただ少女が事件に巻き込まれ、ヒーローになっていく。
その裏をかき回しているのが悪魔である人物。
でも、それはあくまでも自分のために利用するからそうしただけであって、そもそも100の問答は必要ない。
しかしながら、そこをとると思惑通りにいかない。
まぁ、よくできてる設定なんですが、なんとも不思議感ですね。
悪魔の定義とは何か――それは読んだ人が思うもの次第ですね。
Posted by ブクログ
コミカルな感じでずっと話が続きますが、内容としては結構深いというか、ちょっと哲学的?っぽい気がします。
主な問いは6つです。たぶん大きなものとしては、
当たり前、常識として人々が理解していること。自分がこれはと思ってたいるそのことは、本当に「正しい」のか?単に世間のなにやらに影響されまくっている結果ではないのか。とか、つまりそうしたことにいかに自分で「考えて」答えを出せるかというのがテーマなのでしょうか(たぶん)
考えるのを放棄してはいけませんよ、という感じ。
ただそれを哲学的に言ったりするとものすごく眠たくなってしまうので、わかりやすいように一人の少女の物語として、進行するという感じです。
話が割りと難しい(?)ので中学か、高校生の子が読むのがいいかもしれません。もちろん大人も読むべきかと。結構深い話だと思います。
ただ、主人公少女の結末がいまいちよくわからなかったのですが……
Posted by ブクログ
再読。言葉それ自体と、それを伝える事の面倒くささが如実に伝わってくる。タイトル通り色んな事に対してあーだこーだとこねくり回す話ではあるのだけれど、結局落ち着くところに落ち付くオチは結構好き。この作品も他の上遠野作品と繋がっている部分があるので上遠野ワールドが好きな方にはオススメ。