【感想・ネタバレ】中原中也全訳詩集のレビュー

あらすじ

季節(とき)が流れる、城寨(おしろ)が見える、無疵な魂(もの)なぞ何処にあらう? (『ランボオ詩集』幸福)早熟な詩才・中原中也が、死の直前に刊行した『ランボオ詩集』。唯一の全訳詩集として流布し、同時代を激しく揺るがせた。生前の三冊の訳詩集に未定稿を加え、全翻訳詩を収録。

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Posted by ブクログ

中也の後記より
「私は随分と苦心はしたつもりだ。
世の多くの訳詩にして、正確には訳されているが分かりにくいという場合が少なくないのは、
語勢というものに無頓着過ぎるからだと私は思う。
私はだからその点でも出来るだけ注意した。
出来る限り逐字訳をしながら、その逐字訳が日本語となっているように気を付けた
語呂ということも大いに尊重したが、語呂のために語義を無視するようなことはしなかった。」

ランボーの詩集は新潮から出ていた古いものを所有しています。
間違いなくそちらの方がスタンダードなのですけれど、
過去に何度もそちらで挫折を繰り返してしまった私には、
断然こちらの中也訳の方が分かりやすく、身近に感じ、
驚くほどするすると言葉が入ってきたのでした。
情緒、リズム、言葉の流れ、そして日本語の美しさ。
どれを取っても申し分ありません。
遅ればせながらランボーの良さに気付く事ができて良かった。
中也さんに感謝。

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2013年03月10日

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