【感想・ネタバレ】西行論のレビュー

あらすじ

若年のある時、在俗の名門武士が不明の動機で出家遁世した。真言浄土の思想に動かされながら、同時代の捨て聖たちとは対照的な生きざまを辿り、詩歌を通じてしか、いっさいの思想を語らなかった――西行とは何ものであったか。豊潤な感性を強靱な論理で見事に展開する西行論。「僧形論」「武門論」「歌人論」の3部構成で西行の〈実像〉に鋭く迫る!

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Posted by ブクログ

吉本隆明 「 西行 論 」

著者の西行像は、予想より辛辣な面もあるが、西行が生きていた時代の宗教観や政治背景に合わせた新しい西行像が見えてきた。


著者の西行像が 白洲正子氏や山折哲雄氏の西行像より 多くの示唆を与えてくれた理由
*西行の出家動機や何首かの和歌の集合からアプローチしている
*西行の歌の「心」と「世」の言葉の使い方に着目している
*平安末期から鎌倉初期の院政権争いや時代的思想としての出家など 歴史的背景を手がかりとしている
*世捨て人としての西行を讃美していない

歌人としての西行像
*宗教的な歌人→山折哲雄氏と近い
*自然に感応する自然歌人→白洲正子氏と近い
*歴史意識をもたざるえない場所にいた歌人


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2019年10月13日

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