あらすじ
ハロウィーンの晩。27歳のジェットは、何者かに殴打されて意識不明となってしまう。緊急手術を行い2日後に目覚めたものの、医師によると、彼女の脳内には確実に動脈瘤が形成されると考えられ、いずれ破裂して死に至るという。手術はほぼ不可能。余命1週間を宣告されたジェットは死ぬまでに自分を襲った犯人を見つけると誓い、幼なじみのビリーと調査を始める。だが、容疑者は身近な人物ばかりで……。究極のタイムリミットに挑む探偵役が、必死で謎を解き明かしていく。『自由研究には向かない殺人』の著者が放つ、圧巻の犯人当てミステリ!/解説=上條ひろみ
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Posted by ブクログ
とっても面白かった。
主人公が死んでしまうと分かりながら読み進めるのは心が握りつぶされる程に辛かったけど、主人公の強さに励まされながら読んだ。
限りある命となったからこそ日常の何気ない瞬間を愛おしく感じたり、時間が勿体無いと感じたり、砂時計の残りが少なくなるにつれ目的を果たす事だけでなく主人公の価値観や人との関わり方が変わっていくのも良かった。
ただ出てくるやつがみんなクズ。
お母さんは自己保身で他責ばかり、父親は優しいがどっちつかず、ルークも言ってる事とやってる事が違いすぎる、ソフィは元親友のくせに殺人未遂のクソ女。なんなんだよ!主人公があと少しで死ぬというのに身勝手な奴ばかり。
ビリーだけが終始いい奴。ビリーのために星を5に。ビリー最後までジェットのそばにいてくれてありがとう。
Posted by ブクログ
なんというか、すごい。とにかくすごい。読み終わって最初の感想は、「こんなこと一般流通書籍でやっていいんだ!!」だった。(やっていい。)
メタ的な視点で言うと、「自由研究には向かない殺人」から始まるシリーズと「夜明けまでに誰かが」には物凄い濃度の「クソ男は更生しない!!!!!!!!死ね!!!!!!!!!!!!」という作者の怒りを感じていて、それも全く悪くないんだけど、さすがに同じ味がするな〜と思ってた。でも今回の小説にはそれをさほど感じなくて、どちらかというと「一つの側面からしか物事が見えなくなった人間の愚かさ」が強く描かれていたのかなという感じがして、とても読みやすかった。やっぱりホリー・ジャクソンは天才なんだな…。
内容としては間違いなくミステリーでありながらも、「殺された」女性が余命1週間を費やして「生きた」、人生と愛の話。登場人物みんながままならなさを抱えていて、残酷で、救いがなくて、喪失に満ちていて、でも確かに、灰色の人生が鮮やかに色付いていく1週間を追った物語だったと思う。
そしてジェットとビリーが可哀想なのはそうなんだけど、パパ……パパがあまりにも可哀想すぎる……。パパが何をしたって言うんですか? 優しすぎただけで…まぁちょっと不器用だったかもしれないけど…でも優しいだけの人が…。妻が向かいの家の男と不倫していて、長女は長男に殺されていて、毒(塩)を盛られ、次女を殺され、会社は燃え、長男は自分の子じゃなかった挙句に人を殺し、なんかもう、ここから入れる保険は無くないですか?と読み終わってからずっとパパのことを考えている。レジー、レジーだけがパパの救いだよ。ずっと一緒にいてあげてね…レジーだけはパパを置いていっちゃダメだよ…頼むよ…。
Posted by ブクログ
この作者さんの作品は、【自由研究には向かない殺人】のピップや、【夜明けまでに誰かが】のレッドなど、性格に違いはあれど、機転の効く頭脳明晰な主人公が、あらゆる媒体を駆使して令和の謎解きを展開するのが魅力的だ。
本作で主人公に据えられたジェッドは、なんと犯人にたどり着けないまま死んでしまう。これまでの作品を愛読してきた自分には、雷が落ちたような衝撃だった。なんという消化不良…と思ったが、これはジェッドに対する作者の優しさかもしれないとも思った。犯人は彼女の愛する人の父親。もしも真相を突き止めてしまっていたら、2人はあんなに美しい最期を迎えられただろうか?ジェッドは、ビリーと謎解きすることで、これまでの人生で得られなかった充足感を感じながら死ねた。真相が明らかにならなくても、得るものがあったのだ。
これまでの作品のようなミステリと思いきや、今回はジェッドとビリーの物語であり、事件はその契機に過ぎず、新しい切り口を見せてくれた。
Posted by ブクログ
ハロウィーンの晩に何者かによって自宅で頭を殴打された主人公は、それが原因でやがて脳内に手術で動脈瘤が形成される。手術は不可能で、その破裂により余命は1週間と宣告された主人公は幼馴染と共に捜査を始める。。。
タイムリミットミステリーでページを捲る手を止められない面白い物語だったが、女性主人公と歳の近い男性バディ、頼りにならない無能な地元警察、真犯人は幼馴染の父親など、「自由研究には向かない殺人」とほぼ同じ構造なのは残念。それを差し引いてもお勧めしたい作品ではあるのだが。
「自由研究には向かない殺人」を読んでいなければ、間違いなく⭐︎5つの作品。