あらすじ
『三島冬至様、お迎えに上がりました』突然目の前に現れた二人組の死神にそう告げられ、大学生の冬至は自分が死んだことを知る。最後に一つだけ願いを叶えてくれるという死神の言葉に冬至が選んだのは、死ぬまでの人生のやり直しだった。自分が居なくなった後の、恋人・椿武彦の苦しみを想像すると辛い。恋人にならないよう、出会った頃の記憶を頼りに再び人生を送る冬至だったが、己の取る行動が尽く裏目に出てしまい……。黒沢要先生の口絵・挿絵収録。
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Posted by ブクログ
冒頭いきなり受けが交通事故で亡くなって、死神から一年前からやり直すチャンスを与えられる。なんとか攻めと恋人にならないように避け続けるも、何故か自分に執着してくる攻めを手酷く拒絶し胸苦しさを覚える受けだったが…。結局、攻めの粘り勝ちで、死ぬ直前にわーっと話が収束していくのが切なくてたまらなかった。何故攻めは知り合って間もない受けに執着していたのか?は、視線受け→攻めで明らかに。
まさかのファンタジーネタですが、死神出てきた時点でファンタジーか。
Posted by ブクログ
これがデビュー作ということで、非常に勢いを感じる作家さんが
現れたなと嬉しくなりました。
安易な死ネタは好まないのですが、バッドエンドも好きなので、
正直表題作だけでは評価は★3だったと思います。
というのも、ハッピーエンドに持って行くためにかなりの
パワープレイをしたな、と読者が分かるくらいの無理くり感が
あるのです。
そんなあからさまなご都合ラストにするくらいなら、思い切って
死なせておいて、転生ものにでも切り替えてくれた方が私は
満足したかなと思います。
このラストのパラドックスには頭を捻るし、どう考えても
無理があるしで、そこまでの感動を返せって思ったほどです。
もの凄い消化不良感と「愛の力」なんていう使い古された感
満載な言葉で締めくくられた不可解エンドにムカムカしながら
読み始めた読編、攻の椿視点になってから評価が覆りました。
こちらは本編では書かれなかった、受の冬至が死んでからの
【もしも】話になってます。
厳密に言えばもしもではなく、こちらも間違いなく現実に
起こったことなんですが、時系列として存在しない未来の
ひとつではあるので、もしも、とさせて頂きます。
やり直しができない「現実」の中で、冬至が死んでしまった
ことを受け入れられずにいる椿が、過去と現在を行き来する
形でストーリーが進みます。
表題作もこちらも、結末が見えているので涙無しには読めない
のですが、椿視点の切なさといったら涙腺崩壊レベル。
最後がやっぱり微妙にご都合ではあるし、死神必要だったかと
疑問は残るのですが、双方視点で読んではじめて完成された
話になってます。
昨今のBL事情を考えた時に、こんな感じのラストにしないと
いけない、というのは理解してますが、そろそろ変化球で
JUNE的な救いがない話が来てもいいと思うんだけどなぁ……。
とはいえ、最近デビューされた作家さんの中ではかなりの
実力があると思います。
どんな凄い話が書ける人でも、デビューしないことには
好きな話も書かせてもらえないと思うので、とりあえずは
デビューしたことだし、人気作家さんになってアウトローな
作品を発表されることを期待してます。
ということで、応援の意味も込めて今後作家買い決定。