【感想・ネタバレ】マイ・バック・ページのレビュー

あらすじ

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全共闘、ベトナム戦争、CCR、そして連合赤軍事件…。「政治の季節」のただなかで、悩み、翻弄されてゆく、ひとりの若きジャーナリスト。伝説の回想録待望の復刊。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

「日本でも革命が起きると信じていた。」と、青春時代に、デモ参加などの、当時の一般的な若者程度の市民運動をしていた私の母は言っていました。
この本から、そういう時代の雰囲気が伝わってきます。
しかし、当時から、地道に市民運動をしたい人たちは、過激派の人たちのことを、わざわざ事を揉めさせる、足を引っ張るような存在と感じていたようです。
本を読んでも、私には自衛官を殺害したKの動機がわかりません。
そして、この事件が、著者がジャーナリスト生命をかけてまで犯人であるKを秘匿しなくてはならないような、大義のある事件には思えないのです。(過激派の活動家が政府機関のスパイを行ったとか、政府の要人を殺害したとか言うならともかく・・・。)
でも、分かれ道で間違った選択をした人を、後から俯瞰で批判するのはたやすいですが、その渦中にいる人には、その時はそうするしかなかったのかもしれません。読後感は、ヒリヒリ痛いです。

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2013年06月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

社会情勢、警察、会社、仕事、ジャーナリズム。
どこまでが正義。どこまでが守秘義務。どこまでが有罪。

深谷市、熊谷市の市長、市議、元市議候補、深谷市お抱えの産官学グループ、NPOから度々嫌がらせを受ける私としては、脳がパニックを起こして倒れそうになるほど、考えさせられた。

やや自己憐憫的な描写は少々気になるので星は4つ。

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2012年01月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

おや、と思った。何だかいつもの川本三郎と感じがちがう。文章も生硬で余裕が感じられない。それに、60年代をテーマに謳っているのに出てくる話が暗いことばかりじゃないか。死者についての話も多い。それに何より「週刊朝日」や「朝日ジャーナル」記者としての個人的な感想がいかにも青臭い。いや、臭すぎる。いったい何を書きたいのだろう、と思いながら読み進めていった。

先に書いておくが、実はこの本1988年に河出書房新社から出版された同名の書物の復刻版である。その前年に雑誌「SWITCH」誌上に連載された文章を集めたものだ。当初は「60年代の様々なできごとをさらりと客観的に書くつもりだった」と、88年版のあとがきのなかで川本は書いている。しかし、第一章から川本の口調は滑らかではない。何やら60年代のことを思い出したくない様子なのだ。映画の中に引用されている三里塚闘争の映像を見たときのことを「いやだな、思い出したくないな」と書いている。

当時川本は、ジャーナリストにあこがれて朝日新聞に入社したばかり。それなのに、新米社員にはつまらない仕事しか回ってこなかった。ベトナム戦争に取材に行っている先輩をしり目に、自分は安全地帯にいて第三者的な立場で意見を述べているばかりという事態に焦れていたのだろう。「センス・オブ・ギルティ」や「ベトナムから遠く離れて」といった章のタイトルにもそれは表れている。

それにもう一つ、川本は「週刊朝日」に配属されていたが、当時勢いのあったのは圧倒的に「朝日ジャーナル」の方だった。あの雑誌をくるっと巻いて小脇にはさんだり上着のポケットに指したりするのが流行りのスタイルになっていたくらいだ。三里塚闘争にしても「朝日ジャーナル」の方は支援の姿勢を明らかにしていたが、「週刊朝日」の方は旗幟鮮明ではなかった。同じ社内にあって、新左翼シンパの自分が「週刊朝日」の方にいることが悔しかったようだ。

しかし、上層部の判断で「朝日ジャーナル」のスタッフが配置転換され、その後を他の部局から入ってきた者が担うことになった。若い川本もその一人だったが、前メンバーからは第二組合的な扱いを受け、冷ややかな目で見られていたらしい。頼りになるメンバーも限られ、どうしたら「朝日ジャーナル」を続けていけるのかという不安の中で事件は起きた。

アメリカン・ニューシネマやウッドストックといった話題もあるのに、どうして暗い話ばかりと感じていたが、それには深い理由があった。「ニュース・ソースの秘匿」。今でもジャーナリズムのモラルの一つとしてよく取り沙汰される話題だ。「赤衛隊」という名前を記憶している人も少なくなっただろう。自衛隊朝霞基地で警備中の自衛官が刺され死亡するという事件があったが、なんと川本は、犯行以前に、その犯人に単独インタビューをしていたのだ。

それだけならまだしも、犯行後に証拠品である警衛腕章をもらい受けてもいる。インタビューに同行した社会部記者は警察に情報を流すべきだという。川本がそれに反対したのは、ジャーナリストのモラルを守るためであった。この事件を単なる殺人事件とする社会部記者に対し、思想犯だとする川本の論理は完全に食いちがう。その結果、逮捕され拘留。取り調べに対し完全否認するも犯人の方はぺらぺらと自分のことをしゃべっているらしく、このまま否認を続ければ「殺人教唆」の罪まで被る危険性が出てきた。

結果的には、事実を述べたことで「証憑湮滅」だけで起訴され執行猶予つきで釈放されるが、朝日は馘首。ジャーナリストのモラルに違反した自分を川本は許せなかった。以後、政治を語ることは自分に禁じてきたという。88年版が出たとき、丸谷才一が「比類なき青春の書」、「どう見ても愚行と失敗の記録であって、それゆゑ文学的」と評したのはさすが。72年に起きた事件を語るのに15年かかったのだなあ、と読み終えて思った。改装版が出ることになったのは映画化されることが決まったからだ。

暗い話ばかりと書いたが、後に高田渡と武蔵野タンポポ団のメンバーとなる青年(シバ)の下宿でフォークソングを一緒に歌ったり、阿佐ヶ谷の「ぽえむ」で永島慎二の隣でコーヒーを飲んでいたりと、懐かしい名前も登場する。後知恵ともいえようが、川本三郎の資質はむしろそちらの方に向いていたのではないだろうか。貧しい者や弱い者に優しく、声高にものを言うことのない筆者の書く物を愛読してきたが、こういう時代があって今の筆者があるのだなあという思いを強くした。

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2011年08月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「ネットと愛国 在特会の「闇」を追いかけて:安田浩一」という本を読んで、今は在特会のような組織があるけど、その本に出てくるような60年代や全共闘というものが何なのか、どうして若者が死んだり闘争しなければならなかったのかを知るきっかけの一つとして、読んでみた。

概要を理解するには適していない本だったけど、「川本三郎」という人を通じて当時の一面を知ることはできた。

あとがきP212の「ミーイズムではなくウィーイズムの時代だった。誰もが他者のことを考えようとした。~」なんだなーと…

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2013年02月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

内容紹介
ベトナム戦争、全共闘運動、そして連合赤軍事件……。騒乱の60年代末、若きジャーナリストとして著者が体験した、青春の蹉跌を描く伝説の回想録、待望の復刊。2011年、妻夫木 聡&松山 ケンイチ出演で映画化
内容(「BOOK」データベースより)
全共闘、ベトナム戦争、CCR、そして連合赤軍事件…。「政治の季節」のただなかで、悩み、翻弄されてゆく、ひとりの若きジャーナリスト。伝説の回想録待望の復刊。

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2012年03月21日

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