【感想・ネタバレ】グローバリゼーションとは何かのレビュー

あらすじ

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一九七〇年代以降、近代世界は新しい世界秩序への解体と統合の時代に入った。国民国家に編成されてきた資本と労働と商品は、国境を越え、ジェンダーや家族の枠組みを壊し、文化と政治・経済の領域性や時空間の制約すら越境し、新たな貧富の格差の分断線を引き始めている。あらゆる領域を越え、社会の再編を迫るグローバル資本。その新たな世界経済の編成原理とは何か。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

3章の地図を土台にしたグローバル論はとても面白かった。グローバル化の実践される舞台は、政策などといった具体的な場を通じて、であって決して空中の抽象的な場で為されているわけではない。

他にも5章において、生命の再生産過程に市場が侵入してきているため資本がナショナルな制約を受けることがなくなった。確かにこの「生命」という分野にまで完全に市場が入ってきたことによって、功罪はあるだろう。けど、何が問題かというとこの人が指摘しているように「グローバル化時代の新しい貧困の形は排除」である、ということ。
そしてその排除、アクセスできないことの原因は個人に帰する。

生命の再生産過程によって利益を得る人もいる一方、そこにアクセスができない人は「生命」分野において排除がなされる。さらにこの実践は政策を通じて具体的な場であらわされる。だからこそ、対抗論はそこにヒントがある。としている。


いや、面白かった。
地図の話も面白かった。

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2014年02月16日

Posted by ブクログ

非常に刺激的な本で驚倒した。

国家よりも強力な力を持つに至るであろうグローバリゼーションの流れが、弱肉強食の世界を招く。格差は拡大し底辺の人々は貧困に喘ぐ他なくなる。

人間が人間社会の維持を図るためにも考え対策を打つ必要がある。

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2012年01月06日

Posted by ブクログ

政治学、経済学、社会学・・・すべての社会科学を学ぶ人が一度は触れるグローバリゼーション。その導入本としてはベスト。

グローバリゼーションは単に、ヒト・モノ・カネの国境を超える移動ではない。もしそうだとしたら、20世紀初頭の帝国時代の英国の植民地化政策のよほど「グローバリゼーション」だと言える。

現代のグローバリゼーションとは、多国籍企業とそこで働く人々の目的を最大化するイデオロギー的なものである。彼らに取って自分達の行動を抑制しようとする規制は妨げ以外のなにものでもない。あらゆる手段で、規制や自分達にとって不利な政策を排除する。その力は、最大の力を持っていた国家権力よりも強大だ。

その帰結として瓦解した国家のセーフティーネット機能(たとえば失業保険、健康保険、年金)や資本の再配分機能も弱体化する。格差が世界全体に蔓延しはじめる。

この現状をどう生きるべきか?ここから先は一人ひとりが向きあい、考えなければならない問題。

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2010年09月03日

Posted by ブクログ

研究ということはこういうものであるかと感心させられるくらい、ひとつのの現象を多面的にかつデータを使って客観的に分析していた。著者にはこの議論を考慮して、現状に行われている国際経済・政治政策について論じてほしい。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

尊敬する(!)、伊豫谷先生が書かれた本。  
え〜と、いつもゼミでお世話になってます。
僕が国際社会学やグローバリゼーション研究といったものに関心を向けさせてくれたきっかけの本です。これを読んでこの伊豫谷ゼミに入ろうと思った、ある意味とても思い入れのある本です。

ただ、内容的にはやはり詰め込みすぎな感は否めないです。もちろんそれだけ課題・テーマが山積しているということですが。グローバリゼーションを単なる経済学的タームに矮小化してしまったり、いわゆるアメリカナイゼーションと置き換えてしまう言説というのが昨今多く見られますが、そのように考えてる人にぜひ読んでほしい。そんな単純なもんじゃないです。もちろんこの本を読んで「グローバリゼーションとは何か」がわかることはないと思います。それだけは誤解しない方がいいと思います。ただ、グローバリゼーション研究という分野を包括的に紹介しているので、具体的なテーマに関心を持ったらそこから先は自分でがんばってね、という入門書的な本です。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

[ 内容 ]
一九七〇年代以降、近代世界は新しい世界秩序への解体と統合の時代に入った。
国民国家に編成されてきた資本と労働と商品は、国境を越え、ジェンダーや家族の枠組みを壊し、文化と政治・経済の領域性や時空間の制約すら越境し、新たな貧富の格差の分断線を引き始めている。
あらゆる領域を越え、社会の再編を迫るグローバル資本。
その新たな世界経済の編成原理とは何か。

[ 目次 ]
はじめに(時代を切り取るキーワード 二〇世紀という時代 ほか)
第1章 グローバリゼーションの課題は何か(用語としてのグローバリゼーション 「インターナショナル」から「グローバル」へ ほか)
第2章 時代としてのグローバリゼーション―空間と時間(グローバリゼーションのタイムスパン グローバル―近代のメダルの表と裏 ほか)
第3章 グローバリゼーションをマッピングする(グローバリゼーションの場と対抗 グローバリゼーションを具体化する「場」 ほか)
第4章 グローバル資本の世界経済秩序―資本のフレキシビリティの回復(転換期としての一九六〇年代 多国籍企業の台頭 ほか)
第5章 グローバル化の脱統合と再統合(排除による新しい貧困 グローバル化によるローカルな空間の崩壊 ほか)

[ POP ]


[ おすすめ度 ]

☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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2011年05月25日

Posted by ブクログ

書き方にやや冗長なところはあるけれど、新書としてはそれなりにレベルも高い。経済分野と社会・文化分野との関係性を説明しているところがよかったのだが、全体を通して抽象論に終始しており、定量的なイメージしやすい記述がないので、筆者の言う「具体的な場」とやらをイメージしながら読める人には向いていると思う。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

薄いがとても濃厚に内容が詰まったグローバリゼーションの入門書。たぶん、内容的にはしっかり読めば為になるんだろうが、伊豫谷さんの語り口調が少し堅いので、少し退屈な問題に思えてしまった。けど、内容の果てにあるのは、スリリングな現在のグローバリゼーションだから、我慢して読むといいかも。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

半分くらいまで流し読みして積読ことに。でも読み返すことはきっとないな。流し読みだからってのもあるかもしらんけど、内容にイマイチ引き込まれなかった。漠然とした題材だから、どうしてもそういう筆致になってしまうものなのかもしれないけど。

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2013年01月18日

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