【感想・ネタバレ】東条英機 大日本帝国に殉じた男のレビュー

あらすじ

鈴なりの勲章を左胸にかかげ、胸を張ったちょび髭の陸軍軍人の写真。その表情はむしろ柔和で、<カミソリ>の異名を取った男とは思えない雰囲気を漂わせている。東条英機――太平洋戦争開戦時の首相であり、戦後はA級戦犯として絞首刑になった彼の生涯を描いた本書では、そんな写真を装丁に使った。「冷酷・悪辣な侵略者」のように見られがちな東条だが、それは実際の人間像とは程遠いものだ。日本陸軍の一軍人として、何より天皇の忠実な臣下として自らを任じていた東条は、むしろ40代までは軍部でも地味な存在であった。それが54歳にして陸軍次官に就任するや、まるで何かに憑かれたように権力の中枢を占め、対外強硬策を支持し始める。やがて緊迫する国際情勢のなか、首相として国家の命運を担った彼は、日本を最悪の事態へと導くだけの役割を演じてしまう。戦時日本のリーダーという運命を背負った男の「光と闇」を、克明に描き出した力作小説。

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Posted by ブクログ

決して東条を含め、旧帝国軍の首脳達を賛美するでも、徹底的に否定するわけでもない、俺は少なくとも。
はたまた先の大戦が自衛戦争とも言わない。かといって単なる侵略戦争ともいえない。ヒットラーもTOUJYOもあの時代が生んだ偶像でしかない。この本を読めば、彼の人間性に触れることができる。彼が直接数万の人を殺したわけではない、しかし、だ。そういう難しいグレーゾーンが、彼を研究するときにぶつかる。難しいところ。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ


ドイツがヒトラー、イタリアがムッソリーニなら、日本は東条英機がファシズムの代表か。
A級戦犯は二百人以上いるが、どうして東条英機の印象だけが強いのか。
太平洋戦争は、なぜ引き起こったのか。
本作はフィクションではあるが、中々読み応えがある。筆者が述べているが、東条を美化するわけではなく、東条の視点を通じて日本型ファシズムの系譜と昭和史の暗部を描こうとしたものであると。
とは言え、純度の高い高潔な軍人東条英機は美化して見えるな。うっかり、泣きそうになる。
八紘一宇って考えは、どうしたって排斥思想に陥るよな。余計なお世話なんだよ。
子供の頃、母ちゃんに言われたろ。
よそはよそ、うちはうち。
内政不干渉だよ。

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2018年04月18日

Posted by ブクログ

東条英機と言う人物がなぜ戦争開始時の
首相となったか?がよく理解できる本。
たんねんに当時の記録をつなぎあわせて
世相や軍部の動きなどが良く理解できます。

この人もある意味、時代の被害者だったのかな?って
感じました。
内心の葛藤を描いたシーンでは、粛然とさせられてしまいます

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2012年02月20日

Posted by ブクログ

この人ほど勝者側から悪人にされた軍人政治家はいないでしょう。
ヒットラーと同列に扱われたのは酷過ぎる。
戦後の家族の苦衷、察するに余りある。

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2013年05月29日

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