【感想・ネタバレ】電波の基礎と応用のレビュー

あらすじ

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初学者を対象に、電波全般を幅広く網羅し、平易に解説。初学者向け。

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Posted by ブクログ

電波の基礎と応用
著:三輪 進
理工学講座

電波の基礎、電波とは何か
電波の性質、アンテナ、電波伝搬、変調の解説書です。

気になったのは、以下です

■電波とはなにか

電界と磁界とが相互に変化しながら、伝搬していく波、電磁波という

赤外線、可視光、紫外線、X線、γ線も電磁波です

アンペアの法則
電流が右ねじの方向に流れると、ねじの回転方向に磁界が発生する

ファラデーの法則
磁界をコイルの中で変化させると電界が発生する

電波とは、電波法により、3テラHz以下の電磁波をいう

■電波の特性

波長 正弦波における同じ位相の点の間の長さ
周波数 f 波形が1秒間に何回あらわれるか
誘電率 ε
透磁率 μ
各周波数 ω=2πf (rad/sec) f:周波数

平面電磁波 一定方向に進む電磁波:直線
球面電磁波 アンテナなどから放射状に広がる電磁波

電波における電界の向き 偏波
電界と波の進行方向を含む面 偏波面

偏波面が時間的に変化しない電波 直線偏波
偏波が垂直な電波 垂直偏波
水平な偏波 水平偏波
偏波面が回転する電波 円偏波

位相定数 波が1単位長すすんだときに、位相がどれだけ回転をするかを表す数 κ

インピータンス 電界と磁界の比:媒質によってきまる z

z=√(μ/ε)真空はの固有インピータンスは、377Ω(オーム) 抵抗のこと

ポインティングベクトル
1㎡あたり通過する電力をいう

■アンテナの基礎

電波の形で放射してくれるデバイス

電波の発生源は、高周波電流
磁流
変位電流も電波の発生源となりうる

電流、磁流と等価定理とは、3種類の発生源の間には、お互いに変換できる関係があることを示すものです

アンテナの指向性とは、どの方向にどれだけの強さで放射するかを表すかの単位です

放射指向性

基準アンテナがどの方向にも、同じ電力を放射する場合は、無指向性アンテナといい、絶対電力利得という

■アンテナの色々

・線状アンテナ(モノポール)
・磁流アンテナ
・開口面アンテナ(ホーン、パラボラ)
・アレーアンテナ(機械走査、電子走査)

■電波伝搬

・自由空間
  電力密度
  自由空間損失
・反射・屈折
  ホイヘンスの原理
  反射の法則
  絶対屈折率、相対屈折率、スネルの法則
・回折
  幾何光学
  回折(遮蔽;影の部分に波が回り込む現象)
・散乱・表面波
  2次波などの再放射電波
  境界条件
  球面回折、散乱波

■電波伝搬

・大地、地形の影響
  干渉、距離パタン、ハイトパタン、山岳による回折
・大気、電離層の影響
  高度による大気の屈折率の変化
  等価地球半径係数
  ダクト伝搬
  降雨減衰係数
・建物の影響
  多重波干渉
  マルチパスフェーディング
  基地局からの距離変動、時間変動
・周波数による伝搬特性
  電離層の影響
  地形、大気散乱などの減衰の発生
  電波の窓(1~10GHz)もっとも使いやすい電波帯

■アナログ変調

変調:伝えたい情報を電波に乗せる作業をいう

アナログ信号で搬送波を変調すること:アナログ変調
デジタル信号で搬送波を変調すること:デジタル変調

変調方式
 振幅変調
 周波数変調(角度変調)
 位相変調(角度変調)

変調波を元の変調信号に戻す作業を復調という

・振幅変調
  電力の搬送波の抑圧
  単側波帯変調SSB
  周波数分割多重
  残留側波帯VSB

・角度変調
  最大周波数変移(FM変調指数)
  最大位相変移(PM変調指数)

・パルス変調
  正弦波ではなく、パルスを使う変調
  PAM,PPM,PWM
  標本化、量子化、符号化
  時分割多重TDM
  同期伝送
  
  非同期伝送ATM

■デジタル変調

すべての信号を1,0の符合に変換して、その符合に応じて搬送波の諸元を変化させる変調

・PCM
  搬送波の振幅、位相、周波数を変化させる変調
  ナイキスト周波数
・ASK,FSK,PSK
  アナログのAM,FM,PM対応するデジタル変調
  同期検波方式(誤り率)
・多値変調
  nビットの情報を同時に搬送する方式
  APK:振幅と位相を同時に変化させる
  QAM:直交振幅変調
・スペクトル拡散
  SS方式 信号の専有帯域幅を大幅に広げ、雑音や干渉に強くする方式
  周波数探知につよく、軍用技術に転用されてきた
  CDMA

■衛星通信

・広域性、同報性、即応性、多元接続性、伝送品質均一性にすぐれている
・一方、伝搬遅延、伝搬損失が大きい

・多元接続:MA
 FDMA 周波数分割
 TDMA 同一周波数、時間分割(バースト)
 CDMA 固有符号の割り当て+スペトクラム拡散変調

■移動通信

代表として、携帯電話の解説

セル方式 6セクタに分割、指向性アンテナを使用
 携帯
 PHS
 IMT2000が議論となっているころ、ここまで

その他無線通信

 固定無線アクセス
  FWA,PP,P-MP
 無線LAN
  IEEE802.11、Bluetooth
 無線ホームリンク
  IEEE1394
 インタネットアクセス
  ADL,ISDN,CATV

■放送 略

■レーダ

 パルスレーダ パラボラからの送信
 CWレーダ 連続波を発射し、移動目標から反射スルドップラー周波数を計測して速度計測をする
 サーチレーダ 多数の目標の距離とアジマス角を得る
 トラッキングレーダ 追尾

※アジマス角:進行方向や機種の方向との角度をいう

レータ信号処理
 反射信号や、雑音などの消去して目標のみを表示させるようにする処理をいう
 帰ってきた信号は鳥瞰図を描くため、2次元移動平均を計算して、目標物のみを認識する

■計測・制御

・レーダーホーミング
 飛翔体にレーダを搭載して誘導するアルゴリズム
 目標が舵を切ったり、速度を変えた場合に会合点(衝突予測点)をいち早く再計算して、速度と加速度を変更する最適誘導則

・GPS:衛星航法、航空機、自動車を誘導するために、4つの衛星をつかって、目標物に誘導するシステム
ILS、MLS
レーダを使う場合は、ASR,ARSR,ASDE

・ITS GPS等を利用した交通管制システム
 VICS 渋滞情報を収集分析して、伝達する
 ETC 高速料金の自動収集
 AHS ハイウェーの先行車との車間距離測定

■その他

・リモートセンシング 自ら電波を発する能動センサー
 マイクロ波高度計など

・電力伝送 電力をマイクロ波に変換して伝送する

・医療 電波による人体の検査、治療

・微弱電波の利用

目次
1 電磁波とは
2 電波の性質
3 アンテナの基礎
4 アンテナの色々
5 電波伝搬の基礎
6 電波伝搬の色々
7 アナログ変調
8 ディジタル変調
9 衛星通信
10 移動通信
11 その他の無線通信
12 放送
13 レーダ
14 計測・制御
15 その他の応用
付録
参考文献
索引

ISBN:9784501321208
出版社:東京電機大学出版局
判型:A5
ページ数:178ページ
定価:2300円(本体)
発行年月日:2000年09月
発売日:2000年09月11日

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2024年10月20日

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