あらすじ
老朽マンションのプールを守ろうと奮闘する女子高生、ある日漫画が描けなくなった漫画家、友人を亡くしたシングル女性、学校をやめた息子をもつ父…「プール」をめぐるさまざまな男女の一夏を描く、芥川賞・大江健三郎賞作家、長嶋有の魅力作!
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Posted by ブクログ
長嶋先生特有の人間描写、言葉の選び方がそれぞれ光っています。夏のプールの水面に映る水しぶきが、同じに見えてもいっ時いっ時すべてが違っているように唯一無二の輝きです。私は特に長嶋先生がもとより大好きなので贔屓目も入ってしまうのだけれど、小さな事柄の楽しみ方の向かう方向、行き着くところが同じ気がするので。
マンションの中庭の子どもプール、地域の市民プール、果ては与那国、ロンドンにまで場所を広げての人と人のかかわり合い。それぞれの視点から淡々とそれでも心根は熱く読み込めて何度もページをひっくり返しながら。
夏の濃い緑の林の木漏れ日、プールの塩素のかすかな匂い、暑すぎる日差しが感じられる小説です。