【感想・ネタバレ】星を織る(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

織物の街・桐生。養蚕農家に生まれた芳乃の楽しみは、自ら染めた糸で心の赴くままに布を織ること。そんな彼女の生活に、戦争という時代の波が押し寄せてくる。時は流れ、都内でトリマーとして働く詩織は、母との確執を抱えていた。そして、偶然訪れた桐生で彼女はある織物と出会い……。二人の人生の糸が絡み、ほぐれ、そして美しく織り上げられていく感涙の物語。『世はすべて美しい織物』改題。(解説・吉田伸子)

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Posted by ブクログ

上州の桐生の絹織物の縁を繋ぐお話。
染めや織物の描写も丁寧に書かれていて、非常に良かった。
私自身も草木染め機織りをして、伝統織物のグループにも15年程所属していたので、今は辞めましたが…
物語は戦時中でものも手に入り辛く、また世間の贅沢をよしとはしない風潮の中、それでも織りたいという情熱で隠れて何時間も時を忘れて取り組む姿勢などはうんうん分かると読みながら頷いてしまった。

今はある意味戦時中…国産の糸は絹、木綿、麻はほぼなくて、値段も高価だ。
昔は割と農家では養蚕されていたが、(私の家の周りの方々もされていたそうだ。)今はとんと見かけない。
参考までに文中に出てきた上州ことぐんまの絹糸は
100gで2000円ほどで文中でも出てきた天蚕の絹糸に至っては1g1000円ほどするものもある。
一反分織るとなると約700gくらい必要なので、そのあと精錬したり、染めの材料探したり、ものによっては買うこともある…藍染の蒅など、この蒅も…言ったらキリがないので割愛するが、材料費も結構なもので労力なんてのも考えるとある程度余裕があり➕よっぽどの好きものしかできない。
自然と売値は吊り上がっていくが、給料も上がらない脆弱な現代日本、他に安くておしゃれなものが溢れているし、大半の人はそちらをで買う。
よっぽど余裕がある➕好きものしか買わないので素晴らしいものを作ったとしても売れず、結果廃業などに追い込まれていく…(もちろん海外展開して発展している会社もたくさんあるが)
各地で技術の継承を含めて色々なプロジェクトは立ち上ってはいるので、今後は期待つつ多くの人にまず知ってもらい手にとって欲しいなと願わずにはいられない。
それにはみんな豊かにならないとだけど…
しかし、見てみたいなあ。
春夏秋冬の山々を現した布はどんなに素晴らしい織物なんだろう…


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2026年07月19日

Posted by ブクログ

織物がテーマの地味な話かと先入観を持って読んだら、無茶苦茶面白いじゃん!!
さっきまでの自分をぶん殴りたい。
だけど残念なのは、私に本書の面白さを100%伝えられる文章能力がないこと。
本書の凄さを伝えるため脳内に秋元康氏を召喚したい気持ちでいっぱいだ。I want you!♪♫

読み始めると染色の香りや音、
桐生の清らかな空気が染み渡る
美しい文章に一気に引き込まれた。

物語は、戦争で夢も愛する人も断ち切られた昭和の芳乃と、親との確執や自分の生き方に迷う平成の詩織のパートが交互に紡がれる。
二人の運命の糸が、時に緩み、時に引っ張られながら絡み合う構成がめっちゃいい。

1枚の布を通じて人生が重なった瞬間、「あぁ、そうだったのか!」ともつれた糸がほぐれていく描写に何度もハートを撃ち抜かれ目頭が熱くなった。
特に芳乃パートは「あの戦争がなければ」と思わずにはいられない。

「誰もが織り人なのだ」という言葉が心に残る。
経糸と緯糸、力加減や配色、自分次第でどんな
「織り」にもなっていく。私の織りなす人生はどんな模様だろうか?
読み終えた後も、頭の中で織り機の心地良いパタンパタンという音が響き続けている。何度も再読したい最高の1冊。

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2026年07月11日

Posted by ブクログ

単行本の改題。桐生の伝統機織物と現代を結ぶ物語。トリマーとして働く詩織は縫うのが好きだったのだが、母親が許さなかった。それは物語の途中で明らかになる。現代と過去を行ったり来たりしながら運命的なモノを感じる。中々の大作である。

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2026年06月29日

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