あらすじ
十四年前に発生した連続放火事件。その中で能勢幸春と竹島千鶴はそれぞれの母を失った。後に再会した二人は交際を始め、千鶴が妊娠、幸春は結婚の承諾を得るため千鶴の父・久信に会いに行くが、久信は交通事故で記憶障害──前向性健忘に陥り、事故以来六年もの間毎日同じ日を繰り返していた。対面の数日後、幸春の知人で放火事件の関係者でもあった木村泰典が、公園で頭から血を流して倒れているのを発見される。当初は強盗事件と思われたものの、悲劇はこれだけでは終わらなかった……。次第に疑心暗鬼に駆られてゆく幸春と千鶴の未来の行方は? 鬼才が放つ驚愕と感動のミステリ。
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Posted by ブクログ
交通事故で脳に損傷を負い、長い間は新しく記憶を行なうことができない前向性健忘症になった科学者。彼にとっては月日は同じ毎日にすぎなかった……。彼の娘との結婚を許可してもらいに訪問をした主人公だが……。
設定がうまい!!その日は1月7日で、何人かが彼の自宅に集まって話をしようということになっていた。だから、誰が来ても来なくてもおかしくはない。窓は防音になっていて、気温は空調でごまかす……。ううむ、いや現実にこういうことが可能かな、と考え込んでしまいましたね。できたとしても、これでは周囲の人間がノイローゼになりそうです。以前、TVで見た前向性健忘症の症状とは少し違っているようで、なるほどこれなら1日という時間をごまかすことができるのかもしれない。しかし、人間は成長し、または老いていく。魅力的な設定ですね。連続殺人が身近で起こったとしても、彼は記憶していることができない、あるいは彼自身が事件に関与していたとしても……。
驚愕の真相と帯に書いてあるけれど、この場合は嘘偽りのない言葉ですね。読み始めてから読み終えるまでうなりっぱなしでした。