あらすじ
8時09分、瑞希は決まらない髪型に悩み、10時24分、貴大は里中さんを好きになる。12時46分、遠足のグループ決めで内海がひとりあぶれ、12時59分、みちるはどうしても嫌いな人に嫌と言えない――。中2思春期、やっかいだけど輝いている、それぞれの事情。野間児童文芸賞、坪田譲治文学賞受賞者が描く、「今日」の「この時間」。誰もがかつて、そして今、2年C組の誰かだった。
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中学生の細やかな心情を描いてあって、とても共感できます。小学校高学年から中学生の人におすすめです。うまくいかないことがあって悩んでいるときにぜひ読んで下さい。
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中学生の普通の日のほんの一時をそれぞれ描いている。
クラス全員の視点はなかったらしい。解説によると荻野さんと金子さんだけ?もっといる気がする。
だけど他の人の視点からどんな人かはわかる。
いじめが描かれているがいたたまれない気持ちになる、日常なだけに解決も救いもない。ちゃんと生きていってくれてるといいな。
最後のが一番お気に入り。落ち着く。
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生々しい…
ノンフィクションじゃないよねと
思わず確認したいくらい
中学生の生態があふれている。
大事件は起きない。
だからこそ、怖い。
養護教諭の言葉が染みるよ。
大人になるほど、自由になれる。
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2年C組のとある月曜日の一日を、クラスメイトの視点から追っていく連作短編集。どんどん視点が変わっていくので、読んでいて面白かった。女の子同士の駆け引きのようなものだったり、一人ぼっちにならないように計画的に動いてる様子だったり、読んでいてなるほどと思ってしまいました。子供のころに読んでいたら、もうちょっと上手く回避することができたかも。大人の立場でも勉強になりました。
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とある中学校の、
とあるクラスの生徒たち一人ひとりの、
とある一日のとある時間を切り取った短編連作。
一人ひとりに背景があり、生活があり、想いがあり、
一人ひとりが他人と影響を及ぼし合いながら、
一人ひとりが「自分の人生」を歩んでいる。
ほんのわずかな「一日の断片」なのに、
世間的にはまだ子供という感じの年代なのに、
何かものすごいことが起こるわけではないのに、
「人」一人ひとりの「生活」の濃密さをすごく感じる作品でした。
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中学生のふつ~の一日。
特にすごい事件は起こらないのに、読ませます。
自分が中学生だった頃を思い出したり、
前の道を歩く中学生を見て、あの子もこの本の中の一人なのかな?
なんて思ったり。
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二年C組の面々の朝から夜までが分刻みでくるくると主人公を変え語られ全部で一つの物語のよう。決まらない前髪、苛立ちを持て余し手首を切る子、女子と男子の距離、保健室への避難、連んだ仲の良さ。何でもない日常の臨場感が良い。素朴さの一方でいじめや嫌いな子のいる女子たちが同時に存在する他人事さに複雑になった。
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中学二年の二学期。思春期のど真ん中で、最も自意識過剰になり、最も他人からの影響を受ける時。このすべてが大きく変わる時期の、何も起きない一日を切り取った短編集。
自分に置き換えても、この頃って懐かしくて恥ずかしい。自分が何者かも分からず、虚勢だけは一人前だった。冒頭の「朝はいとも簡単にやってくる。しかし、連続のように思える日々も、新しい一日はそれだけで特別な一日だ」という一文がすべてを表している。
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とある中学校の一クラスのなんでもない一日の模様を、順番にクラスメイトの一人称で繋げたオムニバスに近いストーリー。基本的に一人一回ずつしか一人称にならず、前後と強い繋がりがあるわけでもなくで、単に視点を変えていっただけに見えた。スクールカーストまではいかないものの、いじめや女子同士の確執、友人への嫉妬や過大した自意識など思春期らしいどろどろ煮詰まった感情が渦巻いている。違和感を感じなかったということは、私も中学生の頃、こんな感情を抱いていたんだろうか。前髪一つを過大に意識したり、男子に声をかけられて浮かれたせいで大事な試合を落としたり、テストの点数に一喜一憂したり、女子グループの水面下の攻防だったり……特にカタルシスもなく主張もなく、ただ日常を描写するだけだった。アイディアは面白いもかもしれないが、できあがったものは特に面白くもない。
Posted by ブクログ
「だからさ、教室とかいられないわけ。念っつーの?あんだけ人がいたら、…」
普通の中学の普通の2年生の普通のクラス、普通の一日のひとり一人の心の内を綴った本書の本音の一言なのだろう。
悩みがあり夢が有る、悲しみが有り歓びが有る、恋が有り失恋が有る…。
言葉や文章にしつくせない其々の思いの一瞬だが、何れも若さが有り明日のある輝きを放っているように感じた。