【感想・ネタバレ】騎馬民族国家 日本古代史へのアプローチ [改版]のレビュー

あらすじ

日本国家と日本民族の起源は東北アジア騎馬民族の日本征服にあるという説にたつ著者が、大陸と古代日本との比較・対照によって、その社会・政治・軍事・文化などのそれぞれの面で具体的に符合することを証明する。第1部では、騎馬民族であるスキタイ・匈奴・突厥・鮮卑・烏桓などの興亡から滅亡までの歴史とその特質を描き、第2部では日本における征服王朝をとりあげて、大陸騎馬民族との比較研究を綿密に行なう。毎日出版文化賞受賞。

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Posted by ブクログ

高校時代、世界史の先生から紹介されて読み、日本の古代史を世界的な視野で捉えることにロマンを感じ、考古学を志すきっかけになった。結局、文学部には行ったものの考古学は専攻しなかったけど。

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2010年07月19日

Posted by ブクログ

 史上に名高い「騎馬民族征服王朝説」を唱えた本。もうこれだけで歴史に残る名著だ。この説自体は現代では否定されているが、日本の歴史とアジアの歴史を密接にリンクさせて考察するというスタイルは常識となっており、そういった意味では先駆的な考え。チマチマとした狭い視点での学説より、こういった壮大な学説は読んでいて気持ちが良い。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

現代では否定されている「騎馬民族征服王朝説」の筆頭本。

日本民族の起源は、騎馬民族であるとしていて、弥生文化のあと、東北アジアの騎馬民族が朝鮮半島を経由して日本に征服王朝を築いたとしている。
征服というと一方的なものに感じるが、実際に読むと徐々に支配浸透していったことがわかる。

前期古墳時代と後期古墳時代とに文化・特徴の根本的相違がみとめられることを考察したうえで、自然な推移を認めがたく急である。
馬牛の少なかった日本が、後期古墳文化の時代になって、急に多数の馬匹を飼養するようになった。ウマだけが渡来してくる可能性は極めて低く、騎馬を常習とした民族が馬を伴って多くの人間が、大陸から日本に渡来したと考えなければ不自然なことであるとしている。

日ユ同祖論と同じく、当たり前におそわった歴史を疑う教養であり、ロマンと言える。

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2022年06月11日

Posted by ブクログ

騎馬民族説として広く知られている著者の考えがコンパクトに提示されている本です。

著者は、弥生文化と古墳文化のあいだに断絶があり、これは東北アジアの騎馬民族が朝鮮半島を経由して日本に征服王朝を築いたために起こったと主張します。本書では、スキタイや匈奴、突厥、鮮卑などの騎馬民族国家の歴史と文化の概観をおこなったうえで、日本に目を移し、大和朝廷と古墳文化に共通点をさぐっています。

本書で語られている騎馬民族説は、佐原眞などの研究者によって批判されており、アカデミズムでは認められていませんが、梅棹忠夫の「文明の生態史観」と同様、戦後の歴史学・人類学においてこのような説が提出された思想史的な意味にかんしては、考えるべき興味深い問題がひそんでいるように思います。

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2019年05月16日

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