あらすじ
ベストセラー『さよなら、田中さん』の著者が
瑞々しい文体で描き切る
涙と笑いの家族小説
嘘も、後悔も、失望も、孤独さえも、
持ち帰れる場所はきっとある――。
両親を亡くして一人で生きてきた紅美(27)。道端で財布を拾ったのを機に持ち主の藤子(58)との交流が始まる。8年前、藤子は奇しくも紅美と同い年の娘を病気で亡くしていた。紅美は次第に彼女を実の母親のように慕うが……(「帰る家」)。クリーニング店の娘・琴美に恋した小4の健太。だが両親が営む雑貨店が大手クリーニング会社の取次店になって関係が悪くなる。琴美の店は段々と客が減って商売をやめ、一家は引っ越し。15年後、二人は同窓会で再会する(「江崎クリーニング店の娘」)。何気ない一日が輝き始める、かすかな救いの全7話。
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
この本で鈴木るりかさんを読むのは2冊目
短編集もとんでもなく面白かった。
短編ってある程度この位で終わるかなって予想つくものも多くて、こうなったらそのあとこうなって終わるだろうなって思ったらだいたいその通りなのが多いけど、そうじゃない話の時は満足度が半端なく大きい。
そして鈴木さんの話は後者で、どの話も油断出来ないです。
なにか心の底から渇望しているものに囚われた人達が出てくる話ばかり。
それこそ子供の時から人生の終盤まで求め続け、手に入りはしない。
陰と陽どちらの話もあるけど、陰側の話が多く感じた。
1つ目の帰る家からもうボディにきて、こんなひっくり返しかたするんや!とびっくり。
家出娘が帰ってきて母親と会話するのを見ている主人公という形にするのが意地悪で最高に嫌な感じ!(褒めてます)
杞憂同盟の終わり方も最高。
上には上がいるし、死んだとしてもまだその先があって、それがもう不安で……って地獄やんそれってなるのにそれこそがあるべき姿だと安心する主人公に泣き笑いみたいな気持ちになる。
母の日の母と子の心の変遷にかなりゾクッとした。
よくある不仲親子ものかと思ったらって感じ。
終わり方で自分は嘘から出た実になり、誰にでも母と父がいるって話にしっくり来てたし、母にカーネーション送るって言ってたから、娘である自分というものだけが本当の世界を選んだのかなって思った。
これ読んで子供に会えてこんなに喜んでくれるならもっと親には会いに行かなきゃな。
Posted by ブクログ
4.0
短編集
裸の王様がほんと笑った!泥棒捕まえたのにどっちが犯罪者だかわからんって(笑)
表題の江崎クリーニング店の娘、女って強かだなぁ〜って思ってしまった。引っ越しのきっかけについては誤解してもしょうがないけど、思わせぶりな秘密の花園はいかん…小学生にしておそろしや…
母の日は切なかったなぁ…嘘とか言わずに素直にいればよかったとも思うけど、辛い気持ちをなんとか押し留めて生きていくにはそう言わざるをえなかったのかも。
Posted by ブクログ
執着が過ぎると自分を苦しめる。
何事も許すこと。
期待しないこと。
「母の日」
娘はいないことにして、来年の母の日には、自分の母を思ってカーネーションを買おう!というのは希望を持てるようになって、よかったと思う。
Posted by ブクログ
小学生の頃から小説を書き始めて、投稿していた作家さん 鈴木るりか作品
シリーズ「さよなら、田中さん」はクスッと笑うところもあるのだけれど、家族や周囲の人たちを丁寧に見て感じられる 感性に驚かされた。
今回は主人公たちの友人や家族との関係や日常に 濃い1滴の墨を落としたような
指のささくれが 見た目には治りだしているのに 触るとズキンとするような
そんな心のささくれを丁寧に そして テンポのいい上手な表現で展開されていく
短編小説7編
どの話も ちょっと心ざわざわしながら 読みやすかったのだけど
やっぱり 良い感じで終わってくれた「江崎クリーニング店の娘」が好きかな。
友人とオーデションに行って、相手が受かったけど落ちた主人公が
高齢になっても その事実が心に残っている話「渦」は嫌いではない。
こんなに人の機微を繊細に綴る作者の鈴木るりかさん。
大学卒業したばかりの年齢でこの表現ができるのがすごい。
この先の作品も楽しみです。
Posted by ブクログ
小学生のころにデビューした作家さんだそうで、まだお若いのに、甘酸っぱい初恋から、高齢のおばあちゃん、中年サラリーマンおじさん、こどもが巣立った主婦など、本当にいろんな人生の日々の交々をまるでその人かのように心情を描けてすごすぎる…
いろんな人のたくさんの人生を味合わせてもらった短編集。いい気持ちで終わる短編集かと思いきや、中には罪の意識に苛まれたり救いようがなかったりする作品もあって、テイストとして落ち着かなかったので星マイナス一点。ダークはいらなかったかな。テイストとして、裸の王様は意外で、裸で日光浴して仕事もイキイキ泥棒も捕まえるおじさんだなんて思い付かない主人公。これもテイストがちがうけどいい意味で面白かった。
表題作は落ちがしょんぼり。(でも面白い)