あらすじ
ベストセラー『さよなら、田中さん』の著者が
瑞々しい文体で描き切る
涙と笑いの家族小説
嘘も、後悔も、失望も、孤独さえも、
持ち帰れる場所はきっとある――。
両親を亡くして一人で生きてきた紅美(27)。道端で財布を拾ったのを機に持ち主の藤子(58)との交流が始まる。8年前、藤子は奇しくも紅美と同い年の娘を病気で亡くしていた。紅美は次第に彼女を実の母親のように慕うが……(「帰る家」)。クリーニング店の娘・琴美に恋した小4の健太。だが両親が営む雑貨店が大手クリーニング会社の取次店になって関係が悪くなる。琴美の店は段々と客が減って商売をやめ、一家は引っ越し。15年後、二人は同窓会で再会する(「江崎クリーニング店の娘」)。何気ない一日が輝き始める、かすかな救いの全7話。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
全作書き下ろしの独立短編集。
「帰る家」
「江崎クリーニング店の娘」
「裸の王様」
「杞憂同盟」
「遠くへ行きたくない」
「渦」
「母の日」
七話収録。
ずっと心待ちにしていたるりかさんの新作。
14歳の時に刊行されたデビュー作『さよなら、田中さん』がベストセラーとなり、中学生作家として一躍注目を集めた彼女は、今年三月に早稲田大学を卒業されたそう。
時の流れの早さを感じながら、一話ずつ噛み締めるようにページを捲った。
思わず涙したあのデビュー作の瑞々しさは今も健在。
どの物語も文句なしに面白く、行間に漂う一抹の哀愁が、たまらない。
Posted by ブクログ
著者が中2の時の処女作からすべて読んでいるので、早大卒業されて最新刊となる本作に、月日の流れと作風の変遷を感じる。文章は変わらず上手いが、内容と視点が大人になった印象。「帰る家」とか「杞憂同盟」「渦」などはこの年齢で到達した境地とみる。ただ、大人の作家と伍していくには、引き出しが少ないのも事実で、これだと同じような作風の作家で終わってしまう。今後大人になった新境地のような作品も期待したい。
Posted by ブクログ
7冊目の鈴木るりかさんは約3年ぶりの新刊。
14歳で作家デビューしたるりかさん。今年、早稲田大学を卒業されたようですね。専業の作家さんになられたのかしら?
今作は家族をテーマとした全7話の短編集でした。
すべて書き下ろしだそうです。
う〜ん、今作は、確かにるりかさんらしい文章の瑞々しさは感じられましたが、内容がどれもかなりやるせない…。
田中さん親娘シリーズのような明るさや救いがもうちょっと欲しかったかなぁ。
あ、でも『杞憂同盟』は、私もかなり心配性なのでちょっとだけ共感しちゃいました。
あと『渦』の余韻が好きでした。
次はぜひ田中さん親娘シリーズの続きをお願いします。