あらすじ
◆手戻りコストを大幅に削減し、プロジェクトを成功へと導く◆
曖昧な要件定義、度重なる仕様変更、それに伴うプロジェクトの遅延や炎上、現場の疲弊や顧客の不満など……。DXによる業務のIT化・効率化が進められる中、開発プロジェクトがなかなか上手くいかないという悩みを抱えている方は多いかもしれません。プロジェクトの舵取りを担う部門の担当者やリーダー、マネジメント層が、解決の糸口が見えない現状に危機感を抱くことも少なくないはずです。
本書では、著者が長年のシステム開発・プロジェクトマネジメントに従事した経験に基づき体系化した手法である「スペックパターン開発プロセス」を軸に、DX・業務システム開発プロジェクトを成功に導くためのノウハウを解説します。
科学的な手法による正しい計画作成から始まり、顧客の要求をしっかりと掴む会議運営と議事録作り、データベース化による仕様管理、上流工程での徹底的なユーザーテスト実施、生成AI時代も見据えた画面量産体制の構築などを、7つの鉄則として整理しました。スペックパターン開発プロセスの本質を理解することで、顧客・開発サイドの双方が満足できるWin-Winの業務システム開発プロジェクト実現に繋げられるでしょう。
■目次
第1章 なぜ日本のIT投資は利益を生まないのか
第2章 第3の選択肢としての「スペックパターン開発プロセス」
第3章 【鉄則1】正しく計画せよ~誤解されたWBSと、失われた計画作成~
第4章 【鉄則2】議事録は発言録ではない! 決定事項を記録せよ~会議法&議事録術~
第5章 【鉄則3】仕様書は書かずに「出力」せよ~開発プロセスの心臓部 「仕様のデータベース化」~
第6章 【鉄則4】上流工程で成功を確定せよ~ソフトウェア製造ライン設計術~
第7章 【鉄則5】テストは最初に、徹底的に実施せよ~実装と品質保証の自動化・工場化~
第8章 【鉄則6】仕様と計画を完全支配せよ~内製化とベンダー共創の新しい形~
第9章 【鉄則7】工場は小さく始めて大きく育てよ~開発プロセスの導入と体制構築~
第10章 業務システム開発におけるAIの活用
Appendix スペックパターン開発プロセス標準実施手順書
■著者プロフィール
深沢隆司:株式会社イマジンスパーク代表取締役。陸上自衛隊少年工科学校第25期生。防空指揮装置の修理要員として自衛隊に勤務。退職後、プログラマー、仕様策定者、プロジェクトマネージャーとしてソフトウェア開発に従事。小規模システムから上場企業、官公庁の大規模基幹システムまで、幅広いプロジェクトに携わる。現在は、中小IT企業・DX内製化企業を中心に、プロジェクトマネジメントおよび業務システム開発の実務支援、コンサルティング、研修を提供。日本のデジタル競争力向上に貢献している。
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Posted by ブクログ
ソフトウェア開発プロジェクトを、最初の計画どおりに進めて予定どおり着地させるのは、なかなか難易度が高いもの。仕様変更や納期延期のないプロジェクトの話は、ほとんど聞いたことがありません。
本書では、納期どおり・予算どおり・トラブルなしでシステム開発を実践できているという著者が提唱する「スペックパターン開発プロセス」という手法を解説しています。
私なりに要点を整理すると、以下の5つがポイントと感じました。
・成果物を基準にしたWBS
・徹底した初期設計とコア機能の開発
・仕様のデータベース化
・原型となるソースコードの整備
・PMとSEを兼ねる人材と実装のスペシャリストの配置
特に、WBSを成果物から考えることや、初期設計をしっかり行うことの重要性には、あらためて気づかされました。仕様をデータベースとして管理するという考え方も、変更への強さや保守性を高める方法として参考になります。
一方で、WBSやMVPなど、既存のプロジェクトマネジメントでも重視されている考え方と重なる部分もあると思いました。また、PMSE(PM兼SE)などの高い技術力を持つ人材を必要とする点には、実際の現場で導入する際の難しさを感じます。
すべてをそのまま取り入れるというより、仕様のデータベース化など現場で使えそうな考え方を取り入れてみたいと思った次第です。