あらすじ
「誰かに親切にしなきゃ、人生は長くて退屈なものですよ」
身勝手な母親から逃れ、山間の町で暮らし始めた18歳の理佐と8歳の律。姉妹を見守る蕎麦屋の浪子さん、絵描きの杉子さん、そしてしゃべる鳥「ネネ」。ネネのいる水車小屋で働く青年・聡、水車小屋に現れた中学生・研司......助け合い、支え合う人々が織りなす、希望と再生の物語。第59回谷崎潤一郎賞受賞、2024年本屋大賞第2位など、読書界の話題をさらった感動作! (解説・北澤平祐)
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ボリュームはかなりあり、とくに大きなドラマが起きるわけでもないのだけど、展開が気になって一気に読んでしまった。
決して恵まれた状況ではないのに、いい人達がたくさん出てきて、そこで助けてもらった主人公達も、与えてもらったものを次の世代に返していくというお話。
親ガチャ的には最低だったとしても、正しくこつこつ生きていくとこんないいことがあるんだよと思える。
そして、モノや名声ってなんだろうなと思う。
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周りの良心が自分の心の中で生きているし、それらによって自分は成り立っている。周りに支えられていることが、どれだけ温かいことで、幸せなことか感じさせてくれる素晴らしい作品。ネネが愛しすぎて、ヨウムに会ってみたくなった。
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身勝手な母親と再婚相手の父親から逃れるため、高校卒業後にまだ小学生の妹と知らない街に住み込みで働けるお蕎麦屋さんに引っ越した2人の姉妹。
お蕎麦屋さんには賢い鳥のヨウムがいて、世話をしながら働くことに…
姉妹の事を温かく見守る沢山の人々と困難なことがあっても現実を受け入れて逞しく生きていく姉妹。
登場人物の優しさが次々と受け継がれ、広がっていく様に心がほんわか温かくなる。
40年の月日が経っても関係が変わらない姉妹達と街の人達、そしてヨウムのネネ…一生懸命に生きる尊さを感じた。
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大きな事件とか起きる作品じゃない、しかもかなり長編なのに毎日飽きることなく読めた。
理由としては世界観そのものが読んでて心地よくて、何も起きないからこそ警戒せず世界観にしっかり浸れたこと。あとは登場人物がいい人が多くてその人たちの起こす行動が、連鎖的に周囲に波及して、それを読んでる時の心地が良かったこと。そして心に残る優しい台詞の数々も素晴らしい。
飲み終わったとき、まだまだこの世界観に浸っていたかったと思えるそんな作品。
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「誰かに親切にしなきゃ、人生は長くて退屈なものですよ」
この見出しポップに惹かれて購入。
淡々と、でもしっかりと人生が進んでいく様子が描かれていて
人と人(とネネ)とのつながりがじんわりと染み渡る癒しの小説でした。
最初の姉妹の境遇は辛かったけど、
それからお姉さんは就きたかった職業に就き結婚できたし、律は就職してから大学に進学して、
カフェの2階で自習教室を開いた…
人に助けられて、また代わりに別の人助けをして、
循環している感じ、すごく良かった。
恩送りっていうのはこのことだろうなと思う。
現実はこんなふうにうまくいくことばかりが人生じゃないとは思うけど、
私も1人で暇を持て余すぐらいなら
何か人の役に立つことをして生きて、結果周りに人のいる人生が良いと思った。
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ある姉妹とヨウムのネネの40年に渡る物語。
世界は、自分は、誰かの善意で成り立っているんだなとしみじみ思わされました。
どうせ生きるなら情けは人の為ならずの精神で生きていく方が幸せになるんだろうなぁ。
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酷い親元から離れて暮らした姉妹と、姉の勤務先の蕎麦屋の水車小屋にいたヨウムのネネとの40年間の抜粋
第一話は一九八一年から始まり、10年単位で経過が描かれる
短大の被服課に合格していたが、母から婚約者のために入学金を使ってしまったと言われて呆然とした理佐
さらに、家に来る母の婚約者が小学二年生の妹の律に五年生の問題を解かせ、間違いが多かったらご飯を抜きにしたり、度々家から締め出しているという事を知ってしまう
そこで理佐は律を連れて家を出る決意をする
職安に出ていた応募要項に「そば屋のホール係、鳥の世話じゃっかん」という奇妙な一文が添えてあったお店で住宅と共にお世話になるが
仕事内容は蕎麦屋の昼時のホール、水車小屋のヨウムのネネの世話、そばの粉挽きだった
高校を出たばかりの姉、小学三年生の妹の姉妹とその周囲の人たちのお話
ネネは石臼の上のじょうごの蕎麦の実が少なくなると「からっぽ!」と言って教えてくれる
他にも喋る言葉は色々
そんなネネとの40年に渡る時間
姉妹の周囲の人たちが適度に優しい
蕎麦屋の浪子さんと守さん、老齢の画家・杉子さん、律の担任の藤沢先生、同級生の寛実ちゃん、寛実ちゃんのシングルファザーの榊原さん、浪子さんに誘われて理佐が参加した婦人会の女性たち
年代が経って新たな人物も現れる
杉子さんの家を借りた青年の聡、訳ありな家庭と思われる中学生の研司など
それぞれの登場人物がちょっとずつ親切で優しい
困っている人がいたら自分ができる範囲で手助けするし、その関わりのお陰で人間関係が広がっていく
そのちょっとずつ手助けの関係性の中にはネネの世話も含まれていて、誰かが全面的に背負うのではなく、皆がちょっとずつ自分のできる時間を担当するという関係性
無理をしないからこそ続くのでしょうね
自分が恩を受けた事があるからこそ、他の人へと恩を返そうと思うメンタリティ
この作品で描かれているのは物語ではなく、そんな関わり合った生活の結果としての人生
藤沢先生だけは立場としては過剰な干渉とも思える親切心を見せるけど
「誰かに親切にしなきゃ、人生は長くて退屈なものですよ」
という言葉に、彼女の環境を鑑みるに納得感がある
津村記久子さんの作品を読むのは「この世にたやすい仕事はない」に続いて二作目
この人は、物語ではなく「人生」を描く人なのだろうなと思った
そう言えば、ヨウムの寿命について
マンガ「野田ともうします。」で、30歳はオウムを飼うか決める大事な歳というエピソードがあった
この物語では浪子さんや守さんがネネを最後まで面倒見れなかったし
やはり寿命の長い動物を飼うにも年齢制限があるなと思える
犬猫でも今は昔に比べて飼育環境が良くなったから寿命は伸びてるし
高齢者と動物という組み合わせは珍しいものになってきそうですね
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“誰かに親切にしなきゃ、人生は長く退屈なものですよ”
18歳と8歳の姉妹がたどり着いた町で出会った、しゃべる鳥〈ネネ〉
ネネに見守られ、変転してゆくいくつもの人生――
助け合い支え合う人々の40年を描く長編小説
「毎日新聞」夕刊で話題となった連載小説、待望の書籍化!
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つらくて苦しい人生に温かい人たちが差し伸べる手に救われてジーンとした。一緒に時を過ごしている気持ちで読めた。本当に温かい人ばかりで優しい気持ちになった。そしてネネ!ネネがみんなを笑顔にしていた。大切にしたい作品だった。
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18歳のリサと8歳の律が引っ越し先に選んだのは仕事➕格安家賃➕ヨウムのお世話係というヘンテコなところ。姉妹2人だけで生活していかなければならなくなった同情すべき境遇の2人の出会った人々は、、、。ヨウムとネネ、元飼い主の娘夫婦、近くに住む画家の杉子さんらとの交流を通して成長していく40年間を綴るストーリー。2人の境遇は決して幸せな生い立ちでないけれど、人が住み営んでいく環境で人は幸せに穏やかに暮らしていけるのだと信じさせてくれる素敵で穏やかな本。
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2024年本屋大賞2位。この年の1位は「成瀬は天下を取りにいく」だったらしい。成瀬の方が「元気が出る」ヤツで、こちらは「シンとした気持ちになる」だ。
8歳が38歳になっていく流れる日々の出来事。登場人物は酷い家族を持つ人が多いが、同じような境遇の人もそうでない人も、とにかく気にかけあって生きていく。「助け合っている」と書くと大袈裟で、一方通行なこともあり正確な感じがしない。「気にかける」ぐらいの範疇で皆ができることをしている、というのがじんわりと、まったく説教くさくなく伝わるのが嬉しい。
あとがきで「本書が誰かの友人に」なることを願っているのもまた味わい深い。そうだ、こういう小説を人生の友にするのだった。
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「誰かに親切にしなきゃ、人生は長くて退屈なものですよ」
身勝手な母親からの逃れ、山間の町で暮らしはじめた18歳の理佐と8歳の律。
姉妹を見守るそば屋の浪子さん、絵描きの杉子さん、そしてしゃべる鳥「ネネ」。
ネネのいる水車小屋で働く青年・聡、水車小屋に現れた中学生・研司…
人々が織りなす40年にわたる愛おしい物語。
子供二人を女手一つで、新しい恋人を優先するようになり生活がままならなくなってきた頃
理佐の進学資金を母親の恋人に使われたことをきっかけに様々な問題が浮き彫りになり、姉妹二人で川の音がせせらぐ山間の町へ移り住み再出発。
そこで出会う人、動物を巡る希望と再生の物語です。
物語の前半は、姉の理佐を中心として話が進んでいくんだけど決して優しい人だけではなく、悪い人間もしっかり描写されているからこそリアルであり、そして人との絆がより一層美しく感じられました。
それでも姉妹の誠実さや優しさが周りの人に派生していき、自分たちが助けられたように困っている人を助けようと救おうとバトンが繋がれていく様子に心が温かくなりました。
一人で生きていくには長すぎる人生だからこそ、自分にそして人に優しくすることが人生をより豊かにしてくれるんだなあと改めて感じることができ、私も周りの人には優しくしていかないとなあと思いました。
とても心が温まるハートフルな小説で拝読できたことを嬉しく思います。
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母親は恋人を選び、
長女の理佐は既に自立した心持ちで
10個離れた律と一緒に離れた場所へ。
理佐はまだ18歳で、律がいることで
より負荷がかかってしまうが、
それも仕方のないことではあるから
苦しい部分もあった。
それでも一生懸命生きている姿には感銘を受けた。
親の影響は良くも悪くも、
子どもに必ず影響しちゃうんだな。
りっちゃん(律)とネネの掛け合いが愛おしかった。
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18歳と8歳の姉妹が身勝手な母親から離れ、山間の町で暮らす。それをあたたかく見守る人々と、しゃべる鳥「ネネ」。40年にわたる愛おしい物語。
人にやさしくありたくなります。
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とにかく平和で優しい話だった
心穏やかに読めた
最初 この分厚さに読み切れるかなぁ…と不安だったが、どんどん世界に引き込まれてあっという間に読み終わってしまった
出会う人出逢う人 良き人ばかり
愛されるべき人ばかり
ヨウムのネネも重要な一員となり暖かい話だった
幼い姉妹が新たな拠点で出会う人々に助けられながら日々の生活を綴った話だが、すっごく気持ちよかった
みんなに読んでほしいなぁ
Posted by ブクログ
優しい物語。
きれいごとだけじゃなく、人と人がその人のできる範囲で助け合う。頑張るけれど、できない時は助けを求める、逃げる。そんなことを感じられた。
自分がどう思うのか、どうしたいのか、誰かがやっているから自分もやる、とかじゃなく。
自分の気持ちや身体を大切にすれば周囲にも優しくできるのかな、って考えた。
手元に置いておく一冊。
ネネが好き。
Posted by ブクログ
「誰かに親切にしなきゃ、人生は長くて退屈なものですよ」という言葉がやはり心に残りました。
嫌な人も出てくるけれど圧倒的に良い人が多い。
自分の子どものみならず今の子どもたちがこの本に出てくるような親切な人とたくさん出会って生きていけたらいいなって思います。私も良い大人側でありたいです。
あと、りさとりつの真面目さと賢さが好きでした。特に、何を言うか、あるいは言わないでおくかを考えられる思慮深さに憧れます。
Posted by ブクログ
『2024年本屋大賞第2位』
津村記久子、初読み。
自分勝手な母親とその恋人から離れて、見知らぬ街にやってきた18歳の理佐と8歳の律。
18歳の理佐はそば屋で、水車小屋に住む言葉を話すヨウムのネネと出会う。
そこから40年…
しかし、本当にどうしようもない母親とその恋人。
理佐の短大の入学金を恋人の事業のために使ってしまい、来年まで我慢してとは…
考えられない…
子どもの将来を何だと思っているのか。
あげくの果てに、もっと強く言ってくれたら、なんて。
理佐と律の援助すら全くしようとしない。
元夫の遺産目当てで律を連れ戻そうとか…
ちょっとでもお金が入れば…
何なんだろう。信じられない…
最後は泣きついてくるのかと思ったが…
親はどうしようもなかったけど、周りはいいひとばかりだった。
そば屋の守さんと浪子さん夫婦、杉子さん、榊原さん親子、聡、律の担任の先生…
周りのひとたちとネネに支えられた理佐と律。
そして、自分と同じように、親や家族に恵まれない研司や美咲を支えていく律。
自分が多くのひとたちに支えられたこと、受けた親切を返していくように。
律は結婚しないのだろうか。
自分の親のことがトラウマとなり、できないのか…
理佐と聡、いきなり結婚。もう少し2人の成り行きを見たかった…
聡は音楽の道に戻るのかと思ったが…
淡々と気持ちが優しくなる話でした。
Posted by ブクログ
厳しい現実の中でも人とのつながりに支えられながら生きる姉妹の姿が心に残る作品でした。大きな事件が起こるわけではないのに、日々の積み重ねが温かく描かれ、読後には優しい気持ちになります。
ネネの存在も物語に癒やしと彩りを添えていて魅力的でした。
Posted by ブクログ
それぞれに抱えているものは重かったりするけれど、自然に無理なく支え合って穏やかに過ぎて行く長い年月。
そんな人々を結びつけているネネが賢くて可愛い。
最近、現実があまりにキツイので穏やかな本を選びがちです…(東日本大震災の内容が含まれるのはちょっとしんどいけど)
Posted by ブクログ
3.9
ヨウムのネネを中心に、姉妹と、その周りの人たちとのお話
姉妹のスタートは大変なものだったけど、周りの人たちに支えられながらの成長を追っていけるのがよかった
みんなネネが大好きだね!
守さんのおそば食べたいなぁ〜
Posted by ブクログ
世の中にはたくさんの不幸せな人たちがいる。いろいろな不幸せがある。でもそれぞれの生き方には少しずついいことがあったりする。この本の一人の主人公であるヨウムという鳥はそうした人たちの姿を3歳児程度という頭脳で理解しながら、優しい言葉をかけてくるようだし、誰かに親切にしなきゃ、人生は長くて退屈なもんですよ、という先生の言葉も心に響く。
1981年から10年毎に2人の姉妹と周りを取り巻く人たち、そしてネネの日常を見つめていくような物語。エピローグの2021年はコロナ禍の時期だったけど、そこまでいろいろなことがあっても、人々の優しさと助け合う気持ちとで生きてきたことがよかったなあというお話でした。ここに登場する人たちとネネの人生が全て終わるわけではなく、これからも続いていくだろうと希望を持って本を読み終えた。
Posted by ブクログ
文庫化を楽しみにしていた作品。ネネは、主人公の女の子の名前だと思いこんでいましたが、ヨウムの名前でした。
冒頭、辛い始まりでこの先どうなっていくのか、ハラハラしましたが、山下姉妹の周囲には良い人に恵まれ、どんどん人生を切り開いていく。
最初こそ、大変でしたが、その後はどんどん、しあわせになっていく?展開で、最後はほっこり素敵なお話でした。
時々、出てくる曲や映画作品は今後、観たり聴いたりしてみようかな…と思ったり。装画も素敵で、お気に入りのイラストレーターさんで、最後の解説も素敵でした。
Posted by ブクログ
良く言えば、穏やかな小説。
悪くいえば、ビッグイベントは無い。
もっと年齢を重ねた後に読めば、その穏やかさが沁みるのかもしれない。
P.S. ネネは可愛らしかった。
Posted by ブクログ
幸せなお話だった。
みんながちょっと(?)ずつ大変だけど、ちょっとずつ親切な人に助けてもらいながら、大変さに飲み込まれず前向きに生きていく。そして自分がもらった親切をどんどんと広げて連鎖させていく。そんな救いのあるお話。
人に親切にすることを肯定してもらえたなぁ。
Posted by ブクログ
食べ物に例えれば、お粥のような小説
優しさに溢れています
人と生きていくには、出会いと別れは付きものです
そして、その時々で優しくしてもらったり優しくしたりするものだと思います
人に親切にすることは受けてがありがたいと思える行為でなくてはならないと思いますが、親切にする側にとっても何か満たされるものがあるんじゃないかなと思いました
刺激的な内容よりも優しさを求めるときに読むといいなと思いました
Posted by ブクログ
ヨウムのネネと、その周囲の人々が織りなす、世代を越えた繋がりの物語である。
決して経済的に恵まれたわけではない人々が、繋がりや助け合いで、困難を乗り越えていく。もちろん現実世界でここまで理想的な結末になることは少ないだろうが、でも、だからこそ自分とは育ちの違う他者への想像力を持ち、接していくことの大切さを認識させられる。
それと同時に、経済的に恵まれていることが幸せにつながるわけではないこと、それよりも支え合える仲間がいることがどれだけ幸福なことなのか、再認識させられる。資本主義的思想が絶対的な権力を持つ現代だからこそ一読すべき名著である。
Posted by ブクログ
くまさんの本棚より、かわいいタイトルで以前から気になっていたが、書店で文庫化されたのを知り購入。
『水車小屋』自然の流れを力にかえる。
『ネネ』環境により何色にもなれる鳥の名前。モノマネ上手の鳥ヨウム(オウムの仲間)
ネネは水車小屋の中で蕎麦粉を挽く石臼の当番鳥
『からっぽ!』が愛らしい。そんなネネは人のように喋り、歌い、踊り、寄り添い、喜び、悲しみ、恐れ、励ます(擬人化されているわけでない)。
家出を決意した18歳理佐と8歳律の姉妹は、親の愛情を受けられず、川の音が聞こえる田舎町に暮らし始める。
そんな2人と1羽の物語は”良心”と”絆”の大切さをグイグイ書くわけじゃなく、日常の中に散りばめ埋め込んでいくスタイルだ。1981年から10年刻みで展開していく構成により、昔ながらの風景を懐かしむところから2011年の東日本大震災に至るころには自分の住む世界と強力にリンクする。
律の失恋回想シーンで別れ際に言われたひと言「…その先に何があるの?山下さんといるとそのまま人生が終わってしまいそうな気がする。」
何ものにもならない選択もあるし、それが自然に身を任せることなんじゃないかと気づかされる。水のように。
良心の広がりが強い絆をつくりあげるって、大事なこと。出来ていないなと感想をとじる。