あらすじ
二十世紀最大の作曲家の一人、バルトーク・ベーラ(一八八一-一九四五)は、ハンガリーをはじめとする各地の民俗音楽の収集でも名高い。しかしその活動は、ともすれば作曲の余技や下準備のように思われてきた。本書は、ハンガリーが戦後の政治的混乱を脱して、ようやく明らかになり始めたバルトークの思索と行動を辿りながら、ヨーロッパの周縁文化の中で、彼がもうひとつのライフワークとして心血を注いだ民俗音楽研究を再評価する。
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Posted by ブクログ
この本の著者が書いている「東欧音楽綺譚」がきっかけで読むこととなった。
バルトークの民俗音楽にかける偏執的までの取組の様子がわかる。バルトークの死後数十年を経てそのコレクションが刊行されるが、国の政情の影響もあり、その道程が必ずしも盤石ではなかった。バルトークがコダーイをはじめ周囲に受け入れがたい偏執的なものを持っていたのだと察する。ファリャが「本物ではない真実」を容認していたのに対し、バルトークは本物を追究することに専念した。つまり、ファリャやラヴェル、リストがまがいもののイミテーションを創っていたとのこと。
ただ、ほぼ一人で総数2万曲におよぶ民謡を収集するにはそのくらい偏執的な情熱が必要であるのだろう。
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
二十世紀最大の作曲家の一人、バルトーク・ベーラ(1881‐1945)は、ハンガリーをはじめとする各地の民俗音楽の収集でも名高い。
しかしその活動は、ともすれば作曲の余技や下準備のように思われてきた。
本書は、ハンガリーが戦後の政治的混乱を脱して、ようやく明らかになり始めたバルトークの思索と行動を辿りながら、ヨーロッパの周縁文化の中で、彼がもうひとつのライフワークとして心血を注いだ民俗音楽研究を再評価する。
[ 目次 ]
第1章 民謡の「発見」
第2章 民俗音楽収集旅行の時代―1906‐18年
第3章 民謡コレクション『ハンガリー民謡』を読む―1919‐23年
第4章 「ハンガリー音楽=ジプシー音楽」という通念をめぐって―1920年代
第5章 ―1934‐45年
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