【感想・ネタバレ】めぐりくる春のレビュー

あらすじ

一九三七年、貧しい十七歳の淳花は従軍慰安婦にされた。同じ場所で、日本人兵士に無理矢理体を開かされた韓国人女性の中には、拒否した為に殴り殺される者、梅毒にかかり気がおかしくなる者、アヘンに溺れる者、自殺する者もいた。地獄で淳花は、死んだように生きていた。著者が現地に入り、元慰安婦への取材を経て描き上げた、悲劇の物語。

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Posted by ブクログ

狂った現実を淡々と描いたこの作品の、登録人数の少なさに少し驚きつつ。戦争というひとつの大きな事柄への関心のなさが表れているようで、なんとなく焦る。

慰安婦問題。色々と問題になっているけれど、一度読んでみるのがいいと思う。その上で、自分の心がどう感じるか、どう考えるか。それが結論じゃないかなと。
作はあくまでフィクションなんだけど、戦争という大きな流れ、人を人として扱わないことが日常化する狂った時代を描いたという点では、どこまでもノンフィクションに近いんだろうと思う。

慰安婦たちもさることながら、人間が駒のように、虫けらのように扱われる描写も、胸が痛い。そこには人権も尊厳も何も存在せず、あるのは暴力と支配。

読むのが苦しくて、何度も何度も繰り返される残酷な描写に本当に胸が痛くて…、でも目を背けてはならない、これが現実。

日本は、私たちの「今」は、こういう過去の上に成り立っている。
それを、忘れちゃならない。知っておかなきゃならない。

どうか世界が平和でありますように。ひとりでも、こんな悲しい運命を辿るひとが、減りますように。祈らずにはいられない。

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2016年11月16日

Posted by ブクログ

同胞に騙され、十七歳にして従軍慰安婦にされた淳花の悲劇の物語。

著者の筆はあくまでも冷静に淡々とした調子で慰安婦の置かれた地獄の日々を綴っており、同時に腐敗した日本軍の様子も描いている。

戦争という狂気の渦巻く世界で日本軍が起こした悲劇、惨劇に我々は決して目を背けてはいけないと痛感した。

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2013年10月24日

Posted by ブクログ

あまりにも壮絶過ぎて言葉が出ない
サディズムと性欲の繰り返しで、読んでいて辛すぎた
教育によって身の毛もよだつ鬼となる日本兵
いやあれが人の本性かもしれない
愛はない。ただ欲望と反省の無さと意志の弱さ
正義などないのが人間かもしれない。従軍慰安婦、男の性欲のはけ口にされた悲しき存在
天皇陛下を異常に崇拝しているのも狂気じみてる

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2017年03月06日

Posted by ブクログ

元従軍慰安婦への取材を経て書き上げられた、日本軍の朝鮮慰安婦の悲劇。ページをめくる毎に、息苦しいほどの悲惨な体験。人間として扱われないような状況を作り出しているのは、全て戦争なのだと痛感させられる。特に女性に目を逸らさず読んでほしい一冊。

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2016年02月24日

Posted by ブクログ

戦時中、日本軍の従軍慰安婦にされた韓国人女性の過酷な運命を取材し、それを元に小説化されたもの。
戦争は戦った兵士が死んでいくだけではなかった。慰安婦にされた女性たちも苦しみを味わいながら死んでいった。
あまりの酷さに何度も目をそらせそうになった。でも、どんなに目をそらしたとしても現実は変わらない。

2015.10.1

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2015年10月02日

Posted by ブクログ

慰安婦の現実を衝撃的にお勉強できた。女性に戦争の前線へ行け、と言っても行けない。だからってこんな役割が回ってくるのは何とも酷すぎる。

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2015年07月04日

Posted by ブクログ

この人の小説はいつも刺激的で衝撃を受ける。
慰安婦の問題は単純ではないが、一読する価値あり。

橋下市長が読んだら、どういう感想を言われるであろうか。

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2014年01月11日

Posted by ブクログ

非常にデリケートな問題なので、僕はこの問題につい点自分の立場を明言するのは避けますが、主人公の金淳花がたどった過酷な運命にはページをめくる手が止まるかもしれません。

ここに書かれている「従軍慰安婦」の問題は相当デリケートなものなので、僕はここではその是非に対する明言は避けてあくまで物語としてこの本に関する記事を書きます。

主人公の金淳花が十七歳のときに「いい仕事がある」と日本人の憲兵にいわれて連れて行かれた「キンスイ楼」 というところから彼女の過酷な運命が始まります。この小説に出てくる日本人および日本兵がまぁ見事なまでに「東洋鬼子」を地でいくような人たちばっかりで、読んでいてたびたびページをめくる手が止まりました。彼らはさまざまなやり方で淳花たちを陵辱していくわけですが、いかな戦時中とはいえ、正直ここまではないだろうという鬼畜ぶりで、それが実際にあったのかということの真相はわかりませんがあくまでこの話はフィクションなんだという認識がなければ、とてもじゃないけれど読めませんでした。

で、各地を転々としながら「慰安」に勤める淳花たちにも戦争の容赦のない運命が待っているわけで、各地で「慰安」をする際にも最初は抵抗したりしているのですが、後に男をいいようにあしらうようになっていく姿には人間、環境に「慣れ」ていくんだなぁとさえ感じ、女性のたくましさを思いました。

一時期、この問題が論争になったときに少し文献に目を通していたことがあって、この問題に関しては、あからさまな発言を避けたいのですが、結論は自分で出してください、というのが現時点の回答です。そういった上で、この本を読んでいただければと思います。なお、この本はかなりむごたらしい描写が多いので、その辺のことは自己責任の範囲でよろしくお願いします。

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2013年10月14日

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