あらすじ
新一は12歳。父の破産で、東京からひとり九州の炭坑町に辿り着く。父の戦友野上源一郎に下手くそな丸坊主にされるが、息子の竹雄と心を通わせる。子どもでいられる最後の夏。自分たちでヨットを造り、玄界灘の無人島に行こう! どんなに心細い時でも少年はまっすぐ未来を見つめていた。(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
父の破産で東京から九州の炭鉱町へと預けられた少年の話です。
抜群に良い!
何でしょうか。言葉にするのが勿体ないくらい心を揺さぶられました。
登場してくる腕白坊主や、かなり怖い雷親父も
ちゃあんと色んな気持ちを理解してて
本当の家族として受け入れてくれている。
少し荒々しくはあるけれど、『男』というモノを見せつけられたなぁー。
久々に本を読んで大泣きしました。
私の中では大ヒット作品!!
Posted by ブクログ
ニライカナイの空で
タイトルに惹かれて手に取った1冊。
父親の破産で、東京から九州の炭坑町にひとり向かうことになった12歳の主人公。
身を寄せた父親の戦友の家での生活は東京のそれとは全く異なり、
生活や人との付き合い方に戸惑いながらも心を通わせることのできる友達と出会う。
子供でいられる最後の年に、大きな旅に出る!!
…というストーリー。
主人公の成長物語、冒険物語、というよりも
炭坑町での人々の生活を土台に全てが描かれているので
とても人情のある作品だと思います。
いわゆる「ガキ大将」、「カミナリ親父」というようなキャラクターが映える。
著者の方は地元の方のようで、
地元に対する敬意や愛情がこの作品には表現されているのかな。
さらっと読めるかと思いきや、ラストシーンでは不意打ちされました。
その土地で暮らす人たちの人情や愛情たっぷりの1冊。