あらすじ
6つの台所をめぐる「わたし」の物語。
『三千円の使いかた』の著者が贈る、
ちょっぴりほろ苦く、じんわり心に沁みこむ「暮らし」をめぐる物語。
◇◇◇
2人の子供が巣立ち、定年を迎えた夫は長年望んでいた仕事のため海外へ。広い家にひとり残された主婦は、15年前、越してきた日に購入を諦めたステンレス製の両開き大型冷蔵庫を迎え入れるべく、家電量販店を目指す。今度こそ、自分が本当に欲しい冷蔵庫を手に入れるため……。(ままならないキッチン、ままならない人生)
昔から「内藤」と「鈴木」姓の人間しか住まず、たがいに反目し合い、口すら利かない風習の島に嫁いだ女性を待ち受けていた運命は?(冷凍庫冷蔵庫合わせて五台)
食べ盛りで生意気な4人の子供を育てるシングルマザーの台所には、常に油をなみなみ張った中華鍋が鎮座している。(毎日、揚げ物)
……世代も境遇もバラバラの5人の女性たちの前には、30分の深夜ドラマ「台所のあるところ」があった。
感情タグBEST3
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女性の生きづらさとか、閉塞感が描かれている。みんな深夜ドラマの「台所のあるところ」というのを見て、いろいろ感じているらしい。
途中ちょっとつまらなかったけど、最後まで読んだら割と良かった。
第1話 夫の尚喜が60歳で定年退職、再就職を断って途上国でのボランティアをやりたいと言い出した。無給ではなく、それなりの給料は出る。冷蔵庫が壊れた。冷蔵庫の中を掃除してとにかく捨てる。しばらく冷蔵庫なしで生活する。急に悠華が帰ってくる。
第2話 就職五年目の陽愛乃は彼が勧める銘柄が本当に正しいのかと思う気持ちから、つい無料相談に足を踏み入れてしまった。一度会社に戻り、終電で家に帰ったが彼はまだだった。年末は母が病後で祖母のうちに帰る。
第3話 茶飲みに近所の人がおやつを手に続々と集まってくる。寿子は結婚後すぐ島に来た。この島には内藤と鈴木しかいない。そして話さえしない。
第4話 シングルマザーの花絵は4児の子育て奮闘中。圭太郎は学校に行っていない。訪問介護の仕事をしている。
第5話 多美は新聞配達所で折り込みチラシを入れて、配達もする。保護犬たちと暮らしている。飯倉さんのお家の新聞を突っ込む時に違和感があった。
第6話 鎌倉のドイツ料理屋。ドラマの撮影に外観のみ使われた。
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台所がテーマの話ってなんか落ち着く。
(意外と料理はあまり出てこなかったけど)
それぞれの登場人物の家の台所はこんな感じかな?って想像しながら読むのが楽しかった
そして原田ひ香さんの作品って登場人物一人一人ががすごく人間らしくて惹かれる。
めちゃくちゃ腹立たしい彼氏とか、生意気な娘とか。
中華鍋の話では、冷凍のコロッケがあることが精神的な安心になるっていう気持ちがめちゃくちゃ共感できた
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作家はなぜこんなに多様な人生を描けるのか。
原田ひ香さんが描く女性たちの、与えられた運命の中でよりよい道を探して生きていく姿。
ままならない現実があっても、ちゃんと日々の生活を営んでいく彼女たちに救われるような読書だった。
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原田ひ香さんお得意とするユーモアとウィットにとんだ面白おかしい作品と言っても過言ではないと思いました。『台所のあるところ』のドラマのからみが絶妙でした。5つのお話はどれも読み応え充分であり、特におもしろかったのは「冷凍庫冷蔵庫合わせて五台」の「内藤」と「鈴木」のエピソードはなるほどと納得してしまう深い意味が読み取れました。あなたもぜひ読んでこの抱腹絶倒ユーモアにとんだお話をじっくり読んで見て下さい。
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それぞれの問題?モヤモヤが普段自分達が感じてもおかしくないような内容で驚いた。そして解決方法ではなく、サッパリとした終わり方でもない。結局は気持ちの持ちよう、考え方を変える、そんな感じだったが面白かった。特別何かあった訳でもなく、ただ同じドラマを観ていたというだけ。でもそのドラマが何かのキッカケをくれた、そこに登場人物の1歩がくわわるから人生が変わっていく。今の私には必要な話だった。
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深夜のテレビドラマ「台所のあるところ」を中心に据え、それをいつも見る女性たちの短編集6編。全く関係ない女性たちが、テレビドラマについてsnsで独り言を言い合う。繋がっているようでそうでもないような。最終編で彼女たちのその後が描かれる。なるようになるといったところ。もう少しひねった終わり方もうあったのでは。
面白いのか面白くないのか、よくわからない不思議な小説。
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連作短編集。
6人の年齢も抱えるものもバラバラな女性の台所にまつわる物語。
短編集だけれど、30分ドラマ『台所のあるところ』で繋がっているという構成は面白い。
6話の中では、『毎日、揚げもの」が良かった。
訪問介護の仕事する3人の娘を持つシンママの話。娘たちを愛していないわけではないけれど、生きていくことに一杯一杯で、ある日、「楽しい、家の手伝いもせずに、勉強もせずに、YouTUbe観て、騒いで。お母さんをバカにして。楽しい?」とキレてしまう。
キレたらいいのにと思いながら、それまでのページをめくっていたので、ある意味スカッとした。主人公に「抱えなくて、いいんだよ」と言ってあげたかったからだろう。
作者の物語は食の描写がとても美味しそうなのだが、少し辛いストーリーでもほっこりできるところが、読み続けいている理由だと思う。
台所がテーマの作品だけど、人はそれぞれ悩みや苦しさ抱え、さばきながら生きていくけれど、「食べることは生きることなのさ」と作者は言っているような気がする。
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6つの台所を巡る「わたし」の物語。
作中に出てくる「台所のあるところ」のドラマが少し気になる。食事が美味しそうな作品っていいよね。
「内藤」と「鈴木」姓の人間しか住まない小さな島の話はなんだか薄気味悪かった。現実にもそんなところがあったりするのだろうか。
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同棲中の男に不満な女、どこか変な島で夫に先立たれ暮らす女、4人の子を育てるシングルマザーなどの連作短編集。
めっちゃ面白かった。主人公たちがみな同じドラマを観ていて、その話が少しずつ紹介されるのだけれど、それがまた面白い。本筋の方も、ありそうなのに読んだことのない新鮮さ
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両開きの大型冷蔵庫に憧れたり、糖質を気にしてみたり、地域の古き慣習に嫌気がさしたり、子育てに翻弄したり、働き方に悩んだり、、、
時の流れに身を任せるって、けっこう大事なことだなと、この本を読んであらためて思った。
ふっと肩の力が抜けているときに転機って訪れがち。
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「台所」の文字に惹かれて手に取りました。
とても優しくて温かみの感じられる装画にも心が惹きつけられました。
きっと、多分、心が和まされる物語なのだろうな…と思っていましたが、少し違ったようです。
物語は深夜の30分ドラマ『台所のあるところ』で繋がる6つの作品。そして、それぞれの女性たちと台所の色んな事情が描かれていました。
ままならない現状に悩み、考え、疲れたりしました。
どうしたらここから抜け出せるのか。
このモヤモヤをどうしたらなくすことができるのか。
みんな一生懸命に考えていました。
そして、今の自分に一番相応しいと思えることを選んでいました。
時間はかかっても良いので、そのような選択が出来ることはとても素敵なことだなと思いました。
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様々な環境・年齢の女性達の生きる姿。
各々が抱えている人生が綴られている。
色々あっても皆それなりに生きている。
前向きだったり、輝いていたり、光の照らされている時ばかりでない…なんとなく日々に…時間に流されて生きている…そんな事の方が案外多かったりする。
その中に自分の居場所を見つけて?探しながら?なんならやっぱり流されながら?とにかく生きている!
「生きている!」それでいんじゃない!
と、なんとなく思わされた小説。
そのくらいのゆるさが気が楽!
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大好きな井田千秋さんが描いている表紙に惹かれ、手に取りました。
『台所のあるところ』という深夜のテレビドラマで繋がりのある六人の女性の物語。表紙のイメージから、ほっこりした内容かと思いきや、現代の女性が抱える悩みが描かれていて、少し苦しくなるところもありました。特に『毎日、揚げもの』は、シンママの大変さが描かれており、たとえ自分の子どもでも、気が合わないことがあるということ、だからといって愛していないということとは違うことをリアルに描いているなぁと感じました。『冷凍庫冷蔵庫合わせて五台』は、ややミステリーやホラー要素も感じ、ゾクゾクとした恐さを感じました。原田ひ香さんの作品は初めて読みましたが、とても読みやすくて面白かったです。
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5人の女性のそれぞれの台所、それぞれの人生が描かれている連作短編集。皆が30分の深夜ドラマ『台所のあるところ』を視聴しており、そのドラマについてSNSに投稿する緩やかな時間の繋がりがあります。
それぞれの女性の台所とその生き方が、自分と重なるものもそうでないものも含めて深く感じ入りました。台所で食事を作って食べること、それがたとえ丁寧なメニューでなくても生きることそのものであると感じます。今まで言葉にならなかったようなことが言語化されているのを感じ、著者の緻密さと筆力に感動する作品です。
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台所は、その人の人生そのもの。
どんなものを選び、何を誰のために作るのか、
できた料理を誰と食べるのか…
日々のくらしがつまった大切な場所を、
少しでも自分らしく、守っていきたいと思った。
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まったくあらすじを知らずに読んだ。
「台所のあるところ」というドラマを一つの軸に、その視聴者たちの短編が描かれていく。最後にはそれぞれの登場人物たちのその後も描かれていた。
もやっとするような短編もあったが、みんなそれぞれ台所こそ自分らしくいることを思い出せる場所なんだろうなと思えた。
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深夜ドラマ「台所のあるところ」を観ている女性たちの短編集。
台所って、それぞれの家庭の特徴が出る場所だと思う。実家の台所なんて、テーブルの上にお醤油やふりかけが置きっぱなしになっているような、昭和感満載の場所。もうちょっとすっきりさせればいいのに…とも思うけど、住んでいる人がOKならそれでいいし、それに懐かしさを感じる自分もいる。
ドラマに登場している台所も、おそらく懐かしめのものなので、そんな関係ないことを思い出しながら読んだ。
それぞれの短編はどれもちょっとモヤっとするものが多かったけど、日常ってそういうものかもしれない。そして、台所は家族の揉め事の舞台になりがちなのかも。
Posted by ブクログ
台所の記憶が本来の自分を思い出させてくれる話もあれば、閉鎖的な風習に翻弄される人々を描いた不穏な話もあり、一冊の中にさまざまな人生が詰まった短編集だった。
温かな話もあれば、読後に毒のようなものが残る話もある。
その中でも、閉鎖的な風習が残る島を舞台にした一編はかなり異色で、風習そのものの異様さよりも、その環境の中で歪んでしまった人間の姿にぞくりとさせられた。
一方で、恋人の押し付ける「正しさ」から自分を解放したり、都会の価値観に縛られず自分の望む暮らしを選び取ったりする話には、視野が狭くなりがちなときに別の選択肢があることを示してくれるような救いも感じた。
子どもとの関係に悩むシングルマザーの話は、誰かが悪いわけではないからこそ苦しく、どうしようもない真実に胸が痛んだ。
全体として大きな感動や劇的な展開がある作品ではなく、淡々と日常が描かれていく。
そのため読みながら強く心を揺さぶられることはなかったが、どの話も現実はそう簡単に割り切れないことを感じさせた。
最後にはそれぞれのその後が描かれているものの、都合よくすべてが解決するわけではない。
それでも少しだけ人生の軌道が修正され、前に進む兆しが見える終わり方がよかった。
華やかな読後感はないけれど、綺麗事だけではない現実と、その中にある小さな希望を描いた一冊だった。
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台所をテーマにした6つの物語。主人公はいずれも架空の深夜の30分ドラマ「台所のあるところ」を鑑賞している。
タイトルに『#』(ハッシュタグ)がついているのは、主人公がこのドラマについてのSNSを投稿するシーンが描かれているからか。台所は女性の戦場であり、ここにテーマを持ってきた意図はわかる。ただそんな凝ったことをせずに物語を展開するほうが読者にはよく伝わるように思った。テレビドラマのストーリーと、短編の物語のストーリーがパラレルに書かれているので、かえって話がわからなくなっているように思ったのが残念。
短編の中では、訪問介護の仕事しながら4人の子供を育てるシングルマザーの話『毎日、揚げ物』が一番切々で頷けたかなぁ。
最終話はこのドラマの原作者の鎌倉の家が舞台になる『鎌倉の家』(なんかややこしい)だ。この話にこれまでの5つの物語の主人公のそれからが書かれているのが憎い。
結構読んでいる原田ひ香さんの作品としては、個人的にちょっと点数が低いかなぁ…
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深夜ドラマ「台所のあるところ」でつながる連作短編集。肝心なドラマパートではあまり「台所」を感じなかった。
揚げ物の章がどうしても好きになれず、最終章読んでもスカッとせず、モヤモヤして終わった。私は表紙からのイメージで、もっと楽しい話を読みたかったのかもしれない。
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日常の一コマを切り取った感じなのかな。今日はイライラしたけど、次の日はまあまあうまくいった。毎日ってそんな感じに過ぎていく。一話一話が短いので、パツンと切れて場面が切り替わるので、そこが残念かなとも思ったけど、テレビを消して出勤する時、見ていた番組はパツンと切れる。そんな感覚で読むといいのかも。
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表紙のイラストの穏やかさとは違う。大なり小なり不満を抱え生きている女性たち。恵比寿で同棲してる陽愛乃、内藤と鈴木しかいない島に住む寿子、シングルマザーの花絵の台所には中華なべに油が入ったまま置かれていたり、地方で朝刊配達をし保護犬3匹と過ごす多美…自分の理想の台所を持つ事って難しいけど大切だと思う。夫の希望や家族にとってでなく私の台所が必要だよね。人の台所をのぞき見する感覚で楽しい。
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全てが自分の思い通りになってる人なんていないのが現実。
折り合いつけて生きていく、それが人生と思ったり…
でも人生は自分次第。
自分の気持ちに蓋をせず新たな一歩を踏み出していく女性たちに共感する。
ごはん作るモチベーション上がります!
Posted by ブクログ
6篇からなる連作短編。
色んな年代の女性がそれぞれの主人公。
共通しているのは、深夜ドラマ
『台所のあるところ』の視聴者であること。
ドラマを観ながら視聴者が『#』をつけて感想を言い合う…という、変わった構成。
…だけれどもドラマを観て自分の生活を振り返る…とかではないのよね。
最後は皆それぞれにハッピーになったので、めでたしめでたしです。
…裏表紙にゾウの絵が描かれているのですが、あれは何でしょう?何かそんな描写があったのかなー?読み落とした?
…ま、いいか。
#原田ひ香
#2026
Posted by ブクログ
深夜の30分ドラマ『台所のあるところ』を視聴している女性たちの、現実の生活を描いた短編集。
読みやすいもののどのお話もわりと消化不良で終わっている。
一応、最終話でそれぞれ良い方向に進んでいることがさらっと示唆されているのだけど、取ってつけた感が否めない。
何を伝えたかったのかというテーマは読み取れなかったのだけど、自分事として台所とは引き続き切っても切れない関係なんだな、と諦観めいた気持ちになった。
介護の仕事をしながら四人の子どもを育てる、48歳のシングルマザー・高木花絵の蓄積された疲労に同情し、
〈花絵のご飯作りの安定剤、それがこの揚げ鍋だった。台所にあれば、なんとか子供四人の食事を作ることができると信じられる。〉
という文章からは、彼女の逃げられない生活の実感を感じた。良くも悪くも悲壮感、肩組んで励まし合いたい。
Posted by ブクログ
世代も境遇もバラバラな5人の女性。
共通しているのは、
深夜ドラマ『台所のあるところ』を観て
SNSで感想をつぶやいていること。
決して出会うことはないけれど、
今の時代、離れた場所でも同じものを見て、
共感したり、意見を言い合うことができる。
そんな今の時代を反映した作品だった。
みんな色々抱えて生きている中で、
もちろん相手のことを考えることも大切だけど、
『自分を大切にすること』というのも忘れてはいけない…と物語全体を通して感じられた。
ときには楽しい場所にも、しんどい場所にもなる台所。
そんな場所をテーマに、SNSとの繋がりも交えながら描かれており原田さんらしい作品でした。
そして大好きな井田千秋さんの装画も
見ていて、とってもほっこりしてお気に入り♡