【感想・ネタバレ】47都道府県おいしいもの巡りのレビュー

あらすじ

人生最高のウニ・イクラ・蟹丼。ひっつみやすいとんなど、各地で愛される小麦粉だんごの謎。京都の和菓子店の底力。神戸でパン文化が花開いた理由。向田邦子が愛したつけ揚げの秘密――。関西で生まれ育ち、生活史研究家として日本全国の食に触れてきた著者が、思い出の味や、それぞれの食文化が育まれたルーツに迫る。蘊蓄的食エッセイ。

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Posted by ブクログ

阿古真理『47都道府県おいしいもの巡り』幻冬舎文庫。

47都道府県の美味いローカルフードを巡る蘊蓄的食エッセイなのだが、食のセレクトが捻り過ぎている感がある。さらには『秘密のケンミンSHOW』や『孤独のグルメ』、NHKの連続テレビ小説などテレビで得た知識をやたらと放り込んで来るのがどうにも気に掛かる。

にわか知識で綴られたエッセイという感が否めない。読み進むと、先に『食のセレクトが捻り過ぎている』と書いたが、各地の食の事情をよく知らないのではという疑念が強くなっていく。

福島県民熱愛の『くるみゆべし』とあったが、福島県民は餡の入った三角形の珍しい形をした、かんのやの『ゆべし』の方を好んでいると思う。福島県で『くるみゆべし』を並べている店など僅かではないだろうか。

恐らく、他の都道府県の名物紹介でもおかしなところがあるのではないだろうか。ローカルフードに『多摩ニュータウンの手づくりクッキー』や『伊勢のフランス料理』をセレクトするセンスにはぶっ飛んだ。


北海道で味わう『人生最高のウニ・イクラ・蟹丼』。岩手の生まれなので三陸のウニやイクラは何度も食べているので、さほど羨ましいとは思わなかった。それでも学生時代に北海道の中標津の叔父さんの家でお世話になった時に大皿に盛られた生ウニの軍艦巻だけの寿司には圧倒された。

『小岩井農場の心残り』。著者は高校の修学旅行で小岩井農場を訪れた際、風邪で熱を出し、ソフトクリームを食べられなかったことを悔やんでいる。自分の実家から小岩井農場は車で30分という距離なので、小岩井農場には何度も行っている。ソフトクリームも美味いが、小岩井農場の瓶に入った純良バターやレーズンバターも美味いと思う。何よりも小岩井農場で牛乳工場を見学すると無料で牛乳が飲み放題という楽しみもある。

『ひっつみと各地の小麦粉だんご』。岩手県のひっつみは手で薄く引き伸ばしながら千切るので、他の地域のすいとんとは食感が違う。岩手県でも県南になるとひっつみとは呼ばず、すいとん、はっと、つめり、とってなげなどと呼んでいた。また、ひっつみは汁で頂くのがメジャーだが、小豆ばっとう、カボチャばっとう、醤油ばっとうなど団子っぽくしてデザート感覚で食べる場合もある。

『盛岡の名物を支える水』。確かに盛岡は水が美味い。盛岡三大麺のわんこそば、じゃじゃ麺、冷麺は美味しい水が関係していると言われると頷ける。また、盛岡には昔から自家焙煎珈琲の店も多かった。珈琲だけでなく、紅茶が売りの老舗喫茶店も貴重な存在だ。

『三大麺を食べる〜シメは盛岡じゃじゃ麺』。盛岡市民でもわんこそばというのは日常的に食べる訳では無い。わんこそばを食べるのは、親戚の集まりや遠方からお客さんが来た時くらいで、特別なおもてなし料理の一つではないだろうか。三大麺の中で最も普通に食べられているのは盛岡冷麺だろう。盛岡市民は焼肉屋に冷麺を食べに行くのが当たり前だ。勿論、普通の食堂でも盛岡冷麺を提供する店は多い。盛岡じゃじゃ麺と言えば、桜山神社の近くにある白龍が元祖であり、超有名だ。高校時代から学生時代は350円で普通盛りが450円で大盛りが食べられたので、ほぼ毎日通っていた。今でも白龍のじゃじゃ麺を実家から送ってもらったり、高速道路のSAで購入したりして定期的に食べている。白龍のじゃじゃ麺は中毒性がある。

秋田の『ソウルフードはマイタケ』なのだそうだ。確かにきりたんぽ鍋やだまこ鍋にはマイタケが欠かせない。天然のマイタケはバター醤油焼きにしただけでも美味い。黒っぽいトンビマイタケなどはマイタケの中でも王様だ。個人的には秋田のソウルフードと言えば、サラダ寒天ではないかと思う。マヨネーズ味のサラダを寒天で固めた物で、煮物を寒天で固めた物や錦糸玉子を寒天で固めた物など様々な固め料理があり、秋田でしか見たことが無い。

『仙台名物のおでんを知った旅』。仙台名物におでんがあるのは知らなかった。仙台と言えば、牛タンと萩の月、白松がモナカのイメージしか無い。

『酒蔵でいただいたイモ煮』。山形の米沢辺りの芋煮は牛肉の入った甘塩っぱい味で、まるですき焼きのような味付けだったのには驚いた。岩手の芋煮は醤油味、宮城は味噌味だと一般的には言われている。里芋も色々あるが、個人的にはネズミ色のねっとりした里芋が好きである。

『ファンタジックなようかん』。会津長門屋のファンタジック羊羹は確かに映えるが、二本松の玉嶋屋の玉羊羹は有名だ。10年ほど前に初めて玉嶋屋に入り、玉羊羹を購入したのだが、恐らくその時生まれて初めてのインフルエンザに感染し、1週間ほど苦しんだ。以来、玉羊羹は食べたことが無い。福島だったら、いか人参や凍み天とか変わった食があるのに敢えての羊羹をセレクトするとは。

マズイ。この調子で1つ1つのエッセイに感想などを書いていては、いつ読み終わるか分からないではないか。

本体価格870円
★★★

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2026年05月20日

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