あらすじ
パパが死んで三ケ月。傷心のオハナは、義理の母でありフラダンサーのあざみとホノルル空港に降り立った。あざみの育ての親マサコの、永遠の踊りに出会い、薄青い空、濃い緑、白く尖った波を眺めているうちに、涙の嵐に襲われる日々が変わっていく。パパはもうどこにもいないけれど、人生は続くのだ。優しいハワイに包まれ、生命が輝き出す奇跡の物語。
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Posted by ブクログ
ハワイが舞台の3つの短編集
個人的に1つ目の【まぼろしハワイ】が
1番好きです。
両親を亡くしたオハナちゃんと
旦那を亡くしたあざみさんが抱き合って泣いてて、その姿をみてしばらくそっとしておいてくれるマサコさんの母親のような優しさと
レストランで泣き出した2人を包み込みながらお店の店員さんに、「この子達親を亡くしたばかりなんだ。ステーキを出すのあと10分遅らせてやってくれ」と気遣ってくれた男前すぎる山本さんの姿と
それに対して優しく頷いてくれるお店の人と
全ての人が物凄く温かくて、沢山愛を感じられた。
私もオハナちゃんと同じで、
母を自殺で亡くしているからこそ
共感というか…どこか懐かしさを感じた。
家族のぬくもりや愛を感じたくなったら、
またこの本という扉を開いて実家に帰ろうかな。
そういう風に思える作品でした。
Posted by ブクログ
ハワイという言葉につられて手に取った。
3つのストーリーに共通するキーワードは家族とハワイ。
私の家族はいわゆる「普通」の家族ではなかった。
幼少期にも大人になってからも様々なことを経験してきて自信と重なるところも多く、これから家族を作りたいと考える私にとってはとても興味深いストーリーだった。
⚫︎まぼろしハワイ
私は日本にいるときは生きた心地がしない。常に生き急いで、生きる意味を探している。常に現実逃避をしようとしてしまう。
だけれども、ハワイを含め海外の島へ旅をしたときには、「生命」を感じられる。
なぜだろうと思っていたけれど、それがこの本で言語化されていたと感じた。
植物、動物、太陽、海。これらによって、東京での忙しない自分の人生を忘れられるのはハワイの「まぼろし」なのかもしれない。まぼろしでもいい。そのまぼろしに気づいているのに気づかないふりをして、ハワイの地で過ごしたいと思った。
⚫︎姉さんと僕
人の生死は色んな偶然が重なって起こる。
幼少期に衝撃的なことを経験すると人は強くなる。
女は男よりもずっと強い。
弟はずっと姉の言いなり。
自分の強さを見ているかのようで不思議だった。
⚫︎銀の月の下で
なんだかよく分からない1日を過ごせるのが旅の醍醐味。戻ってしまえばいつものルーティーン。
だからこそ自分は旅が好きなんだと実感した。
そして、人のご縁は不思議なもので、縁があって意味のなかった人なんてこの世にはいない。意味のない過去なんてない。
絶対に過去と現在と未来は繋がっていて、何か不思議なご縁があって現在と未来の自分を作っている。
そう思えたストーリーだった。
Posted by ブクログ
表題作の「まぼろしハワイ」は父を亡くしたオハナが、義理の母であり親友であるあざみさんと、亡き父の思い出に浸りながら、新たな人生を歩み始める。
「姉さんと僕」では産まれた時に両親を亡くし姉と叔母に育てられた僕が再婚する叔母の結婚式のため向かったハワイで半生を振り返る。
「銀の月の下で」は、父の恋人家族と旅行に来たハワイで運命的な再会を果たす男女の物語。
どの作品も大切な人を喪い、心にぽっかり空いた穴を抱えている。その穴に向き合おうとしている人、気づいていなかった人、見ないふりをしようとしている人と三者三様ではあるものの、ハワイの空気が持つ力で自分の本当の幸せに気づいていく。
決して明るい感じではないんだけど、読み終わると心がじんわり暖かくなるような作品たち。
重い内容を重いと思わせないよしもとばななの世界観もよいのかも。
わたしはハワイに行ったことがないけど、行ったことがある人はより楽しめそうです。