【感想・ネタバレ】物語 中東の歴史 オリエント五〇〇〇年の光芒のレビュー

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Posted by ブクログ

[盛衰の地にて]ペルシャ、イスラーム、オスマン等、数々の文明が栄枯盛衰を繰り返してきた「中東」。5000年に及ぶ長き歴史を、厳選したエピソードを基に解説していく作品です。著者は、朝日新聞の記者として中東特派員などを担当し、中東報道者の会会長も務められた牟田口義郎。


一章ごとにテーマが決められており、そのテーマに沿った形で重要な出来事や人物を説明してくれるため、(次々と現れるカタカナの地名や人名に耐えられれば……)中東に興味のない方でも読み進めることができるかと。特に乳香と没薬のエピソードは興味深く読ませてもらいました。


筆者が意図したことではないと思いますが、「(あくまでその部外者である現代の日本人が)中東やイスラームの歴史にシンパシーを覚えながら世界史を読むとどうなるか」というのも本書を通して大まかに知ることができるかと。言葉の端々に著者の考える歴史的善悪の評価が散りばめられていて、視座の一つとして非常に参考になりました。

~十五、十六世紀において、西ヨーロッパとイスラーム世界の力関係はまず互角だったが、十七世紀以降変調を来たし、西ヨーロッパの絶対的優位の時代が始まる。~

中公新書の物語シリーズは重宝している気がする☆5つ

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2015年08月31日

Posted by ブクログ

物語形式なので読みやすかった。
中東ってどんな地域なの?ということを歴史からざっくりと知りたい人にはお勧めです。

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2022年10月12日

Posted by ブクログ

中東におけるエピソードをかいつまんで物語風にまとめた歴史書的な本。カーディシーヤの合戦,中東から見た十字軍,バイバルスとマムルーク朝あたり,本書で重点的に説明されている。

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2021年06月02日

Posted by ブクログ

こちらは先日の「中東イスラーム民族史」と違って、読んで楽しく勉強になった本。

古代から現代までの中東の歴史の中から、主要な人物や出来事をピックアップし、物語風に書いた本。
紀伝体をかみくだいて現在風にアレンジしたものというか。

それでも背景となる知識に疎いため、Googleマップや世界史の歴史地図を参考に読んだのだが、そうさせるだけの面白さを持った本。入門編としてはなかなかの良書です。

古代から現代までといっても、1980年のエジプトのサダト大統領の時代で終わっているので、もうちょっと最近まで書いてくれたらなあと思ってWikiで著者を調べたら、2011年に87歳で亡くなっておられた。残念。

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2018年11月24日

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タイトルの通り、古代から現代までの中東の歴史をところどころ掻い摘んで主観的に語られています。作者の解釈がやや強引だったりいささか脚色がなされていたりしますが、語り口はテンポがよく面白いです。

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2013年04月20日

Posted by ブクログ

中東の歴史とあり、オリエントからとも書いてあるが、イスラーム(アラブ)の視点からとらえられる、歴史書という感じである。

内容も、中東の風土、有名な王政の人物もとりあげているが、基本はアラブ帝国の出現、十字軍の聖戦、バイバルス、西ヨーロッパとの関係、スエズ運河の経緯など、歴史的に重要な事件をピックアップして書いているといった形である。もちろん、通史としてもわかるように書いてはいる。

イスラームの視点からの世界史の書物は、圧倒的に少ないので勉強になった。

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2012年05月16日

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ネタバレ

[ 内容 ]
キリストを生みムハンマドを生んだ中東は、歴史上の転換点となった数々の事件の舞台であり、まさに世界の富と知の中心だった。
ソロモン王とシバの女王の知恵くらべ。
新興イスラーム勢力のペルシア帝国への挑戦と勝利。
ムスリム商人による商業の隆盛と都市文化の繁栄。
「蛮族」十字軍やモンゴル帝国の侵攻とその撃退。
しかし、やがて地中海世界は衰退し、中東は帝国主義の蹂躙する所となる…。
ドラマティックな歴史をたどろう。

[ 目次 ]
序章 中東の風土―われわれの認識は確かか
第1話 乳香と没薬―古代を知るためのキーワード
第2話 女王の都パルミラ―西アジアでいちばん美しい廃墟
第3話 アラブ帝国の出現―噴出したイスラーム・パワー
第4話 「蛮族」を迎え撃つ「聖戦」―反十字軍の系譜
第5話 風雲児バイバルス―一三世紀の国際関係
第6話 イスラーム世界と西ヨーロッパ―中世から近世へ
第7話 スエズのドラマ―世界最大の海洋運河をめぐって

[ POP ]


[ おすすめ度 ]

☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
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[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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2011年04月06日

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中東地域での様々な国の興亡を、紀元後あたりから近代まで概括する。ゼノビア、サラディン、バイバルス、アッバースなど各時代の中心人物を軸とした戦史をたどることで、この地域のヨーロッパ諸国との対立や地域自体の複雑性を論じる。近世以降は駆け足で、最後はスエズ運河開通に触れる。

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2010年12月05日

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何人かの人物や、特定の出来事に紙幅を割いて詳述されているところがかえって記憶に残りやすくて良い。
中東地域の歴史は、長くかつ複雑だが、これを通読して大まかな年表と地理関係が頭の中で整理された。

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2010年03月08日

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中東の歴史を概観したいと思って購入したが、叶わなかった。筆者の想いの赴くままに、いくつかのトピックスが語られる。ところどころ、歴史的な意義とは関係なく、なぜか詳細な記述があったり、筆者の興味次第。
もう少し、中東の歴史を学んでからなら面白かったかもしれない。

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2022年09月01日

Posted by ブクログ

中東の歴史は、ヨーロッパで言う中世の歴史ということなのかなと思った。
世界史で取り上げられる中東の歴史を詳しくしたような感じで、近現代につながる部分がわずかしかなかったのが残念だった。
ただ、モンゴルの脅威についての部分は知らなかったところも多く、勉強になった。

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2013年03月04日

Posted by ブクログ

まあ、当たり前のことなのだけれど、歴史は様々な視点から見なければならない。
歴史というと、知らず知らずヨーロッパ史を中心に考えがちですよね。
すると、西洋が正義でその他は悪とか、西洋が進んでいてその他は遅れているとか、そういう刷り込みが知らず知らずのうちに出来上がってしまう。
これはマズイことですよね。
現代においてのアラブは、負のイメージばかりが表に出てきてしまいますよね。
なんとなくテロリストとか、石油成金とか。

これだけ影響の強いアラブ世界なのに、何も知らないではマズイですよね。

この本を読むと、中東が世界史の中で決して無視できない重要な役割を果たしてきたことが分かります。

この地域を抜きに世界史を語ることは出来ない。

イスラム教、十字軍、モンゴルとの戦い、スパイスなどの交易、スエズ運河・・・どれをとっても世界に大きな影響を与え続けてきた。
なのに、彼らからの視点による世界史はぞんざいに扱われすぎてきたのではないだろうか。

これは私も知っていたが、バグダッド全盛の頃の文化は西欧を遥かにしのいでいたのです。
スペインを占領していた時代、哲学、数学、文学、科学などが、西欧側に伝わったのです。
ルネッサンスの遠因もアラブによってもたらされたと言っていいのです。
十字軍などは、アラブ側から見れば蛮族の襲来に他ならなかった。

人材も魅力的な人物を輩出しています。

ソロモン王、シバの女王、ゼノビア、ムハンマド、サラディン、バイバルス・・・
どれをとっても、ロマン溢れる物語の主人公達です。

中東の歴史の入門書として、オススメの一冊です。

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2012年12月21日

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