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Posted by ブクログ 2016年09月26日
約30年前の本だが、文化人類学の概観をテーマごとに知ることができる。文化人類学は、(語弊があるかもしれないが)そこから人間の普遍的な有様を描写することができるなと感じた。
Posted by ブクログ 2016年07月20日
人間ってほんと面白いよね。この本を読んで、あらためて実感しました。
「裸体に対する羞恥心は決して衣服の発生原因ではなく、むしろ衣服の存在によって生み出されたものである」とか、シビれます。
白川郷の合掌造りがなぜあんなに大きかったのかとか、盆踊りはなんのためにあったのかとか、日本人でもあまり知らない「...続きを読む文化」が盛りだくさん。多妻制やシャーマンの話題も感心。今後もっと掘り下げたい分野であるし、自分がいまテキトーに生きている今も立派な「文化」なので当事者として楽しんでいこう、とも思わせてくれる良書。
Posted by ブクログ 2015年09月27日
1980年頃に初版が出版されたため、現在の研究を鑑みると少々変化している部分や新たにもたらされた考え等があるとは思うが、文化人類学についてその成立の歴史から内容に至るまで、大変わかりやすく解説している。まさに入門者にはぴったりの一冊だと思う。
Posted by ブクログ 2013年04月25日
文化人類学全体を上手に説明した良書。言語学を含めて、新書1冊で過不足なく、入門書レベルを説明している。少し古いのが何点だが、逆にこの20年の文化人類学がそれほど進んでいないことのためかもしれない。
第一章 文化人類学の世界
第二章 人間は文化をもつ
第三章 文化の進化と伝播
第四章 経済の技術・生...続きを読む活の技術
第五章 言語―その構造分析
第六章 婚姻・家族・親族
第七章 超自然の世界―宗教と儀礼
第八章 文化・心理・民族性
第九章 文化の変化がもたらすもの
第十章 残された諸問題
Posted by ブクログ 2020年03月20日
無文字文化を理解するために、
フィールドワーク(観察と面接)を行い、
他との比較により差を見つけだす学問。
そのため、
観察者の主眼がはいってしまうこと
観察、面接以外の武器がないこと
などが問題になる。
このあたりは、気をつけたい。
とくに前半が面白く、
言語が人と動物をわけ、
他社と...続きを読むのコミュニケーションができ、かつ、
記憶と思考を助ける。
このため、文化ができていく。
という、サピエンス全史の理解も深まった。
Posted by ブクログ 2014年02月16日
もし人類がこれから一つの方向に向かって行くとしたら、それぞれの文化の違いと変容の歴史を理解して適度な相対主義でゆるく文化変容を受け入れて行くことが大切かなと。
Posted by ブクログ 2018年10月31日
学問の位置づけ、歴史、扱う分野を説明したうえで、生業、言語、婚姻・家族、宗教・儀礼などについて取り上げる。一般向けであることを意識していることが伝わってくるほど、わかりやすく丁寧に説明されている。学生時代に読んでおきたかった。
・日本語は、南方系の言葉があったところへ、あとから大陸系の言葉が入り、...続きを読む混合してできあがった。南方系の言葉としてはオーストロネシア語、ドラヴィダ語(タミール語)が、大陸系の言葉として朝鮮語、ツングース語が候補としてあげられている。
・無文字社会では結婚適齢期の年齢差が男女で開いていて、適齢期の男性の人数が少ないことが多妻制の要因のひとつ。
・妻が夫の住居に移って住む夫方居住婚の社会が68%を占める。
・日本で夫方居住婚が始まったのは、鎌倉時代の武士のあいだにおいてであり、庶民の間で一般化したのは江戸時代の中期と推測される。
・母系制社会では、父親の財産は姉妹の息子(甥)に継承される。
・平行イトコとの婚姻は厳禁されているが、交叉イトコとの婚姻は優先されている場合が多い。父系制社会では母型交叉イトコ婚が多く、母系制社会では父型交叉イトコ婚が多い。
・東北地方に広く分布していたイタコと呼ばれる巫女は、視力を失った女性たちを救うための制度。
Posted by ブクログ 2011年03月16日
大学で文化人類学の講義(入門)を受けた直後に見付けてふらっと勝ってしまった1冊。
初版1979年発行、改訂版1990年発行と確かに新しくはないですが、様々な観点から書かれているのと、専門的な用語も事例を挙げて説明されているのでわかりやすく、まさに入門にぴったり。
こういう入門書がもっとほかの分野で...続きを読むもあったら手を出しやすくていいのに、と思うくらいにいい入門書だと思います。
お堅そうな表紙に反して中身はそこまで難しくなく、楽しく読めたので文化人類学って何が対象で何をするものなの?となんとなく気になっている人におすすめです。
Posted by ブクログ 2010年11月05日
今読むには少々古いのかもしれないが、文化人類学の輪郭をつかむためにはよかったのではないか。面白く読めた。しかし、途中で岐阜県白川村の記述が出てきたのはびっくりした。まさかそんな習慣があったなんて!
Posted by ブクログ 2010年11月19日
たまたま上橋菜穂子さんに出会って、強烈にインスパイアされて、そしてその上橋さんのもう1つの顔が「文化人類学者」であるということを知らなかったら、決してこのタイミングでこの本を手に取ることはなかっただろうなぁと思うんですよね。 でもね、同時に思うのは恐らく KiKi は人生の中のどこかでこの本には手...続きを読むを出していただろうなぁ・・・・・ということ。 この本こそ、KiKi は高校生の頃に読んでおきたかったような気がします。 KiKi がやりたかった学問は実はこれだったかもしれない・・・・・と思うんですよね~。
(全文はブログにて)
Posted by ブクログ 2011年04月30日
名著として有名ですね。大学生時代も思っていたことですが、言語学の難しいこと。
それにくらべて呪術や憑きものの項のワクワクすることといったら。
この本の七章から小松和彦、柳田国男、中山太郎、和歌森太郎etc……らの民俗学の世界へ飛び立つのも良いでしょう。
Posted by ブクログ 2023年11月21日
ほかの人のコメントに同じく、思っていた内容と違っていた。完全に文化人類学という学問の説明。柳田國男的なのを期待して読むとガッカリする。
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p.35
……この実験において、チンパンジーのかわりに……二人の人間であればどう……だろう?人間……には……言語がある。そのため前からいる...続きを読む者は新入りに事情を口で説明することができるので、二人はただちに協力してロープをひくことができる。
【疑問】どうして同一言語を操る人間同士という前提なのか。外国人同士とまではいわなくても、沖縄から出たことのない年寄りと青森からでたことのない年寄りで会話が成り立つとは思えない。設定が少し雑すぎる。
p.41
……日本語で「文化」というと、「教養」や「知性」の意味にとられやすい……ので、今西錦司氏などは、文化人類学的な意味での文化を「カルチュア」と片カナであらわすことを提案しているが、たしかによい方法と思われる。
【疑問】ただの逃げでは……。
p.207
……固有の宗教の存在していたところへ他の宗教が接触し、両者が融合されたという例は、他の民族のあいだではあまりないといってよいだろう。たとえばイスラム教の存在しているところへキリスト教が入ろうとすれば、両者のあいだには烈しい憎しみと闘争がおこり、……力の強い方が残って他は駆逐されてしまう。二つの宗教が仲よく妥協しあい混合融合しあうなどということは、あまり例のない日本の特殊だとみてよい……。
【疑問】イスラムもキリストも一神教で且つ出所は同じ。それに対して神道は宗教と呼べるかさえもあやふやで、仏教はさらに中国、朝鮮を経由する間に元の教義さえも可也変質して、ほとんど儒教化してしまっている。両者を同じ舞台にあげて論ずることにそもそも無理があるのでは。
p.220
……10世紀になると、弟はこのオトを二つつづけて「オト・オト」とよんで、「弟」としての名称が生まれた。他方……「イモ」をくっつけて、「イモ・オト」から、結局今日の「妹」という名称が生まれた……。
【疑問】オトヒトとイモヒトの転訛がそれぞれオトウト、イモウトであり、オトが二つとかイモにオトがついたとかいうのは誤り。どこからこんな変な説を引いてきたのか甚だ謎。
Posted by ブクログ 2011年08月14日
文化人類学って何だろうということで読んでみた。
どこまでが文化人類学の射程なのかはあまりわからなかったが、文化人類学の姿が朧げながら見えた気もする。
ただ、20年も前の著作だから、きっと状況は変わっているのだろう。アカデミックの世界で20年と言ったら本当に大昔なのだから。
面白かったのは衣服に関す...続きを読むる記述。羞恥心から服を着るのではなく、布で覆われた場所が羞恥心となる、という転倒は意外だけど納得な視点。当たり前と思っている物事の見方も一面的なものでしか無いのだなと実感。
Posted by ブクログ 2011年04月01日
[ 内容 ]
[ 目次 ]
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共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時...続きを読む間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
Posted by ブクログ 2011年04月26日
「文化人類学」という分野について包括的に紹介した本。その成立から研究動向の推移などをまとめている。その研究対象は文化の伝搬、経済活動の推移、衣服の意味、言語の構造、婚姻関係の分析、宗教の分類、民族性の類型化など多岐にわたっている。あまり文章のまとめ方がうまいとは感じられず、論点が分かりにくかった。一...続きを読む文が長くて、その中で話題も飛んでしまうため、焦点がぼやけてしまう傾向がある。事例が多いのは良いことだが、その事例を挙げて主張する要点がぼやけてしまっている。かっこを多用し、その中に長文補足事項を入れている。こうした書き方の傾向が著者の特質なのか、文化人類学という分野全般に見られるものなのか、文科系学問一般にみられるものなのかはよく分からない。全般的に研究の成果を網羅的に紹介することを主眼としているようだ。取り上げられる分野や対象について幅広く紹介されているが、どのように研究や考察が進められるものかについては記述が少ない。したがってこの分野での研究の面白さがあまり伝わってこないのが残念だ。