【感想・ネタバレ】女王陛下に捧ぐ、王家の宝の在処のレビュー

あらすじ

★★★第66回メフィスト賞受賞作★★★

「あなたに、この本を」

消えた秘宝と、
五層の物語が織りなす巨大迷宮。

主人公は「本」そのもの。

* * * * * * * * *

【あらすじ】

戦争が国土を焼いた。

大学生の青年エリメは戦火に巻き込まれ傷を負い、
遠い故郷の実家で目を覚ました。

療養で暇を持て余し、手に取った一冊の本。
それは「女王陛下に捧ぐ、王家の宝の在処」という
むかし実在した宰相の筆による小説なのだという。

軽い気持ちで読み始めたエリメを待っていたのは、
九天九地に比類なき物語の迷宮。そして、
歴史の砂に埋められた国家の秘密だった。

最奥へと誘う〈声〉がこだまする。

「あなたに、この本を」──

* * * * * * * * *

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Posted by ブクログ

ネタバレ

メフィスト賞受賞作であることと装丁に惹かれて手に取った。分厚くて読み切れるか不安だったけど問題なかった。

この本を今から読む人は何のネタバレも踏まずに読んで欲しい。(私に才能があればネタバレせずに面白さを書き残せただろうに...)


↓ネタバレあり感想

この本の特徴はなんといっても、複数の入れ子構造になっているところで、著者は書きながらよくこんがらがらなかったなと感嘆する。
ミレイがダルがってる部分が少しノイズに感じたり、複層構造であるが故に物語の進むテンポが悪いと感じる箇所もあったが、ミレイがヒアヌビレにツッコミを入れる場面で私自身もミレイにツッコんでいる様はメタ的な複層構造の効果を体感できて個人的に大変面白かった。

序章は神話や歴史物要素、第一章以降は謎解き要素が強くて、途中で味変したかのような楽しさがあった。序章で違和感があった記述について第一章以降にしっかり解決されモヤモヤが解消されたのも良かった。どの本もエリメの時間軸に続く史実であり、エリメ時間軸でも血生臭い事件に発展するとは思ってもみなかったけど。

本作はフィクションだが、権力の腐敗とそれに反抗する力を削られた人々という構図は今の現実社会に通じるものがあると思った。苦しい境遇の中で縋った宗教にも救われないニアニ人を哀れに思ったが、政治権力と結びつきの深い宗教団体のせいで人生を滅茶苦茶にされた人が現実世界にもいるではないか。表現の規制や言論の弾圧は今のところ表立って行われていない(と思っている)が、今後はどうなるかわからないと本気で思う。

エリメはおそらく歴史や地理や社会に本当に疎い。(記憶の抜け落ちのせいかと思っていたがそんなこと忘れる?って内容にまで及んでいるし、首都の旧名の話をルームメイトたちは知ってたのでマジで人一倍わかってなさそう。)その疎さが浅慮な行動に結びつき、結果としてジアネを死に追いやったのだと思う。(本当にカスなのは父トリーですが。)私も社会の情報が煩わしくて遠ざけてしまうことがある。しかし、やはりそれではいけないのだ。

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2026年05月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

なんという物語!!いやーーー・・凄かった。
読みながらんん?と思ってたことに後でしっかり理由があったとわかった時には思わず感嘆のため息出たね。
エリメの罪が予想外のもので、終盤にきてもそうくるの?!と、その真実の救いのなさに確かにここは神殺しの一族が住む国だなと思ってしまったり。

作中作として語られる歴史の痛みは身につまる事ばかりで、どうかこの本を閉じる時には明るさを感じられますようにと願ったもののそう簡単にいくわけもなく。
電話口でのキーの言葉が本当に浸みた。

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2026年06月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最初は入れ子構造が重なりすぎて読みづらいと思ったけど、ジアネのブローチが例の宝石なんじゃ?と気づいてからは一気に読んでしまった。
音韻変化を入れてくるあたりきっと著者は語学系の方ではないかと。
装丁がとてもきれい。もう少し高くてもいいんじゃないかと思うが新人さんだからだろうか。

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2026年05月25日

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