あらすじ
徳川幕府の政権奉還ののちも、岩倉具視や西郷隆盛らによる真の朝廷政権樹立の画策が進められた。慶応三年十二月八日、薩摩・土佐藩など五藩士は岩倉邸に集合、翌日のクーデター断行が告げられた。その後、席を朝議の場に移して、激論は九日朝におよぶ。この朝議がはねて間もなく、王政復古の大号令が渙発された。これより戊辰戦争の戦火が立ち昇る。それぞれの思惑を秘めて時代の大転換期に臨んだ人々の動きと、歴史的意義を検証。
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Posted by ブクログ
王政復古、すなわち慶応3年12月9日の政変に至るまでのプロセスを、ペリー来航から丁寧に説きおこし、王政復古の意義を論じている。
ところどころに日記等の1次史料を引用しつつ、人物の動向を中心に緻密に経緯をたどるオーソドックスな政治史の叙述でありながら、歴史小説とも見まがうような格調高い、読ませる文章となっており、出色の歴史系新書といえよう。
ただ、王政復古に至るまでの経緯がかなり丁寧に描かれていたのに対し、出来事としての王政復古の政変自体の記述が、ちょっとあっさりし過ぎているようには感じた。