あらすじ
イングランド北東部、ノーサンバーランド州。ある夏の夜、楽しい外出から帰宅したジュリーが見つけたのは、死体となった息子ルークだった。絞殺された彼の亡骸は浴槽の中に沈められ、水面には野の花々が浮かべられていた。友人を水難事故で喪って心を病み、数週間前に退院したばかりの少年がなぜ? 頑固で偏屈だが有能な地元署の名物警部ヴェラ・スタンホープが捜査を進めるうち、海辺で新たな他殺死体が発見される――大人気ドラマ「ヴェラ~信念の女警部~」原作にして、著者クリーヴスの名を一躍高めた傑作ミステリ・シリーズ、ついに邦訳。/解説=三橋曉
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Posted by ブクログ
イギリスの女性作家、アン・クリーヴスのヴェラ警部シリーズ初邦訳。シリーズとしては三作目。
日常生活では少し問題があった少年が、自宅のバスタブで絞殺される。沈んだ死体の横には花が添えられていた。手がかりもなく、容疑者候補も見つからないまま、海岸で似たような死体が見つかり…
ペレス警部シリーズ、マシュー・ヴェンシリーズに続く第三のシリーズ開幕。作品自体はかなり昔からあり、ドラマ化もされている(すでに完結済み)。ジミー・ペレスほどクールでなく、マシューほど清廉でもなく、言い方は悪いが普通の中年女性が主人公。好みは分かれるかもしれないが、逆にリアルで新鮮だった。
展開としてはいつものアン・クリーヴスで、視点となる人物が数名で、ストーリーが進むごとに意外な素顔や事実がわかってくる。
ただ今作は意外にも、後味がそこまで良くなく、クリーヴス作品にしてはなかなか珍しいかもしれない(弩級の終わり方の作品は一つあるけど…)。
古い作品だが、風景の描写、鳥の描写は相変わらず。なにより抜群の読み心地。引き続き刊行していってほしい。
Posted by ブクログ
2026年の21冊目は、アン・クリーヴスの「水面の弔花」です。25年の9月に読んだ、マシュー・ヴェン警部「沈黙」以来のアン・クリーヴスです。こちらもヴェラ・スタンホープ警部を主人公とする警察ミステリーとなります。
舞台は、イングランド北東部ノーサンバーランド州です。サッカーで有名なニューキャッスルの北と言ったら分かり易いでしょうか。西は、ワシントン・ポーで有名なカンブリアです。犯罪者にとっては、受難な地域ではないでしょうか。
自宅の浴槽で少年の遺体が見つかります。浴槽には、野の花々が浮かべられていました。更に、海辺の雨裂で若い女性の遺体が同じような状態で見つかります。何かに対してのオマージュなのか?2つの事件に繋がりは有るのか?(当然、有るでしょうね)アン・クリーヴスらしく、登場人物の性格が細かく、丁寧に描写されて行きます。加えて、イングランド北東部の田舎の景色が描写されます。人間関係も複雑です。最後まで、犯人の予想がつきませんでした。
派手さは有りませんが、それでも申し分ないと思います。それが、アン・クリーヴスだと思います。
☆4.7