あらすじ
数十年に一度の日食が起きた日、名門大学の学生寮で女子学生が亡くなった。密室状態の現場から自殺と考えられたが、小説家としても活躍し、自信と才気に溢れた彼女がはたして死を選ぶだろうか? 三年間をともに過ごしながら、孤高の存在だった彼女の内心を何も知らないまま二度と会えなくなったことに思い至った四人の寮生たちは、独自に事件を調べ始める。第十九回ミステリーズ!新人賞受賞作「ルナティック・レトリーバー」を含む全五編を収録。大胆なトリックと繊細な心理描写で注目を集め、新人賞二冠を達成した新鋭による、鮮烈な作品集。/【目次】街頭インタビュー/カエル殺し/追想の家/速水士郎を追いかけて/ルナティック・レトリーバー/解説=法月綸太郎
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Posted by ブクログ
ひとつめはSNSでの悪意、一部を見て全体を知った気になる人間の欠陥など現代における問題を書いている。人間の仮面の切り替えを文章に落としていて、とても面白いと感じた。
ふたつめは蛙化現象について。よく聞く言葉だが、その語源となる話もかかれており、勉強になった。人生のピークで終わってしまったほうがいいというのは確かにわかる気がして、少しゾッとした。
みっつめは亡くなった祖父との追想と時間によって変わってしまったものについて。子供の頃、大きかったものが小さくなっていたり、大好きだった人がいなくなってしまったりと身近な気持ちを感じさせる話でした。
よっつめは心優しき探偵とコミュ力高めな相棒の話。生まれ持ったものが違くても、そこを超えて仲良くなる、そういった心温まる作品でした。
いつつめはアンチミステリ的な話。全てのものに意味がある、なんてことはなく、現実では伏線回収がされることもない。それは人生でも小説でも同じで、最後まで意味がなかったものもあれば、ふとした瞬間に光ることもある。そんな当たり前なことに気付かされる話でした。
全て通して読みやすく、読み手に優しいミステリーでした。