あらすじ
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夏のはじめから寝ついている友人の夏宿を、市郎は見舞いに訪れた。夏宿を愛する弟の弥彦。謎のピアノ教師・諒。盂蘭盆の四日間、幽霊が出ると噂される古い屋敷にさまよう魂と少年たちとの交感を描く。
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Posted by ブクログ
面白かったです。
お盆の時期は過ぎてしまいましたが、この季節にぴったりで、冷たく澄んだ世界に浸りました。
夏宿は初めから幽霊だったのだろうし、市郎と弥彦も最後は池へ沈んだのでしょう。
市郎が終盤まで弥彦に翻弄されていて不憫になると共に、弥彦の不安定さと傲慢さも気になります。でも夏宿の儚さに惹かれます。
ピアノ教師が不気味でした。
ほととぎすを鏡暮鳥と書いてあるのは何か意味があるのだろうか…素敵です。
Posted by ブクログ
ふらっと寄った古本市で150円で買った。
「盂蘭盆」この季節に出会えて良かったと思う。
冒頭から本当に幽霊であるのか、誰が真実なのか、考えをめぐらせながら読み進めていった。
透明度の高い清涼感、薄暗さ、田舎の家にいて見知らぬ場所・見慣れないものたちに囲まれ
落ち着かないようなわくわくする気持ち
汗がにじむ暑さ、幻想的な描写、現実味のない曖昧な四日間
兄を池に落とした弟
現れた死んだはずの兄
弟に、促したのはピアノ教師なのか
弥彦と市郎は夏宿と供にいってしまったのだろうか
池を埋めてしまうのであれば
死んだ人が死んだ場所に現れるのであればどうなるのだろう
市郎が池であった夏宿と、家にいた夏宿はどうなのだろうか