あらすじ
わたしにとって作歌とは、自分の“魂の論理”を、この世に書き出していく行為なのだと思う――社会とうまくなじめなかった自身の性格や経験をまじえつつ「言葉と創作」について真摯につづった、注目の歌人による初エッセイ。話題の短期連載に、「短歌をはじめた日」「エッセイがむずかしい」「書けないと書けるの距離」「本当のことを書くということ」など書き下ろし20本を加え書籍化。
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Posted by ブクログ
どのページにも、私の心にもいる心の動きがあって
上手く言えないけど
喫茶店で心の中にある誰にも言ったことのない事象について友人に初めて話せた時、その友人から返ってきた反応や空気や言葉が心地よかった時のような感覚があった
言葉の箱→足りない言葉 のところが特にググッときた
帯の裏面にも書いてあるここのフレーズも好き
↓
言葉の箱に、自分の人生に関わるものを豊かに集積した人の言葉は、
どんなに軽い話をしていても、どこかぎらっと重く光る。
どんな使い古された表現も、その人が口にすればもう一度光る。
それが言葉の切実なのだ。
歌集:気がする朝も買ったから、このエッセイと併せて何回も読んで伊藤さんの魂をもっと感じたくなった
Posted by ブクログ
たまに、目を逸らせていたはずの不安から離れられなくなるときがある。こだわりを貫くことで、誰かを傷つけていないか。追いかけている夢は叶わず、なんとなく死んでいくのではないか。人知れず絶望を感じることも、すべてがうまくいくはずだと強気になることも、そんなに悪いことじゃないのかもと思えた1冊。
・自分の中にある言葉以前の感情やイメージを、既存の表現に押し込めて変形させないこと。表現の目先の新しさよりも心にしっくりくるものを選ぶこと。
・帰宅と外出では意味的に真逆なのに、十九時の帰宅も、十九時の外出も同じ色の輝きを感じるのだ。こういう発見が好きだ。
・死んだら腐っていく一方の体が、生きている間はここにあり続けるように、続くものには時間の流れに抵抗する命のようなはたらきが宿っている。
Posted by ブクログ
この感受性を持った人が、この文章表現力を持っていて本当に良かった、と妙にホッとしている。
しずかで、とても励まされる。私も頑張ろう。
むき出しの序盤と、コミカルと冷静が混じり合う中盤、魂とまっすぐ向き合う終盤。全体を通したまとまりもとても良いと感じた。
Posted by ブクログ
なんでもそうだけど、創作物において、作者のことを知ることは、ノイズになることがある、気がする。
だから、エッセイを読むか迷っていた。でも、伊藤紺さんの短歌がとても好きなので、やっぱり読みたいと思って購入。
結果的に、絶対に読んでよかった。すごくよくわかるし、全然わからないこともあるし、率直で魅力的なエッセイだった。すぐに伊藤紺さんの短歌集も読み返したい。
【わたし】かと思った。
伊藤紺さん、あなたのエッセイが読めてよかった。
個人的に魂を星ととらえ表現する方がとても好きなので、冒頭から射抜かれました。
言葉にした瞬間感じたものはかたちを変えてしまうので、こうしてレビューに綴ることも躊躇われるのですが、
それでもやっぱりあなたのエッセイが読めてよかったと記しておきたくて、このレビューを書いております。
たびたび【わたし】の言葉なのではないかと錯覚するほど、わたしの中にも身に覚えのある感覚が山ほど綴られておりました。
伊藤さんが実際に感じていること、その目に映ったものと全く同じことを捉えているわけではないのに、わたしの中にある似て非なる星も今この瞬間燃えております。
これがエッセイを読む醍醐味だと思います。
Posted by ブクログ
切実だな、真摯だな、と思いました。
「わたしがことばなら、紺さんに紡がれたいな」
帯の上白石萌歌さんの言葉にも、相当な実感が込められていたのだと気づきました。うむむ。
言葉を紡ぐ...一度体の外に出た言葉を、もう一度自分の言葉として使うためには、何かしら新たな実感が込められなければ。創作って、そういうことかな。
さらりとしていながら、ざらつき、こびりついて離れない言葉によって描かれた本でした。
「期待と失望」の項が、ぼくは好きです。拙いぼく自身にも思いあたる“実感”があるような気がしたから。
こういう本が読めること。なんと、ありがたいことなのでしょう。
これもまた、ぼくの実感なのです。