【感想・ネタバレ】加藤周一 二十世紀を問うのレビュー

あらすじ

言葉を愛した人・加藤周一は、生涯に膨大な書物を読み、書き、そして語り続けた。それはまた、動乱の二十世紀を生きぬきながら、日々の体験を深く考え、問い直し、表現する生でもあった。同時代を生きてきた著者が、我々の未来への歩みを支える力強い杖として、今ひとたび彼の言葉を読み直しつつ、その全体像にせまる。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

海老坂武『加藤周一 二十世紀を問う』岩波新書。西のオム・ド・レットルがベンヤミンと仰げば、東のそれは紛れもなく加藤周一だろう。本書は、加藤への敬愛を込め、出生から膨大な作品群に至るまで丁寧に見ていく秀逸な加藤論であり加藤伝。創作から批評まで幅広い全望を見事にスケッチする。

加藤は政治的であり政治的でなかったのが最大の謎だ。しかし著者は加藤のengagementを政治的それと矮小化せず、知のそれと捉えることでその疑問に答えようとする。即ち全体人間としてのそれである。本書で知る挿話も多くおすすめ。

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2013年05月29日

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