あらすじ
ついに「力」と決別する時がきた。自力か他力か、人間か自然か、心か体か、生か死か――あらゆる価値観が揺らぎ、下降してゆくこの国で、私たちはどういう姿勢でこれからを生きていけばいいのか。絶対他力を説いた親鸞、楕円の思想を唱えた花田清輝、流民にたどる文化の源流、今日一日を生きる養生の実技、変容する死のかたち……。深化し続ける人間観の最終到達地を示す全十一章。
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Posted by ブクログ
下降、下山してゆく時代であるこの現代で
うまく生きてゆくための、
二元論、2つの間、二分法の選択に囚われない偏らない、自力でも他力でもない
「無力」という言葉から等の著者の考え方。
とらわれない、融通がきく、柔軟な心。考え方など。
本書では語られていないが、老荘思想に近いモノではと感じた。
第七章の楕円の思想(の紹介)が個人的に非常に新鮮であった。
第八章末の、
「絆が叫ばれながらも、実は絆から外れるような時代に入っている。
そのことを、あらためて覚悟すべき時代が目前にせまっているのです。」
という部分の鋭い指摘に非常に同意。
簡素な文の本だが、逆に読み終えた後の無意識的影響が強く残り、
結果的に心の偏りが矯正された感じ。