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Posted by ブクログ
アニメがファンタジーならば、これはドラマ。
そしてアニメを補完するよりも、補強する作品。
アニメはキュウべぇの無機質な言質に振り回される少女等の姿を描く比重が多いが、こちらは魔法少女同士が対立する様を情緒豊かに描いている。
つまり、全体の調和を重視するキュウべぇに理解出来ないものが凝縮されている。
それでいて、オチに変わりは無い。
人(個)の数だけ違う過去と願いを持っていて、そこでは本音を言おうと嘘を言おうと、互いにすれ違ってうまくいかない。
うまくいっているように見えても噛み合わない。
そして、うまくいったと思ったら手遅れだった。
最後にまどかと本音を言い合えたマミが自殺してしまう辺りに、この作品は皆が仲直りすれば丸く収まるものでは無く、魔法少女の存在をどうにかしなければならないと改めて気付かされる。
幸せな終わりを望むには次の世界へ行くほむらを見送るしかなく、つまり彼女を追い込んでいくしかないという後味の悪さだけが残る。
どうせオチは変わらないし単に別の側面を描くだけかと軽く思ってましたが、実に巧妙でした。
蛇足ながら、マミは面白い技名を考える前に、まず後輩にあだ名を作って「さん」付けを止めれば良かったのになぁ。