あらすじ
良い子は天国へ行く。悪い子はどこへでも行ける。行き場のない母子を守る「のばらのいえ」。〈かわいそうな子どもを救う〉という理想を掲げ、ある夫婦が運営するその家で暮らす祐希は、未来のない現実から高校卒業と同時に逃げ出した。しらゆきちゃん、べにばらちゃんと呼ばれ、幼少のころから一心同体だった紘果を置いてきたことをずっと後悔していた祐希は、十年越しに紘果を迎えに行くこと決意をするが――。
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Posted by ブクログ
この方の本を読むのは初めてになります。
みんな基本はやっぱり自分がかわいくて、かわいそうで、必要とされたい。存在意義を見出したい。
生活環境が安定してれば視野も広がり自分で処理できるし、自分のことを自分で幸せにしてあげられる自立した人と認識してもらえる。けれどその土壌が不安定になると隠すべき感情が露呈してしまう。人を使って満たされない穴を埋めようとしてひとりで気持ちよくなってしまう。
やらない善よりやる偽善という言葉があるしわりとその考え方に同意なのだが、そもそも人が人に善を与える(助ける)シーンにおいては立場の差が生じている。何かしらの理由でそれができないからできる人が手助けする。そこに可哀想だからわたしがやってあげなきゃとか純度100%の善意が乗ったりもする。難しい。心に一瞬の哀れみを抱くこともなく全行動をできるかと言われると難しい。でも、それを利用してその人の天井を決めつけるのは全くもって違う。人だって毎日の積み重ねで成長するし科学も発展する、昨日できなかったことを明日もできないとこちら側が決めつけていいことではないし、過剰に手助けしていいわけでもない。互いに意思の尊重をされるべきだ。
終わり方が王子様に助けられくっつきハッピーエンドではなく、女性同士の恋愛でも綺麗な友情でもない未来に向かって並走していく感じなのも素敵だった。
(ちなみに凪良ゆうさんという作家さんが大好きなのですが、それと似た空気感をこの本には感じました。他の本を目当てに書店に行きましたが、ふとこちらの表紙と帯が目に入って購入してよかったです。)