あらすじ
平安朝の世相を生々しくつづった日記『小右記(しょうゆうき)』。藤原道長とライバル関係にあった藤原実資(ふじわらのさねすけ)は、道長・頼道の全盛期の社会や政治、貴族の日常生活などを、彼の日記『小右記』に、こと細かに、55年に渡って記していた。その詳細な記述により、重要な史料となっている『小右記』だが、そこには、たくさんの記述にまぎれて、ある姫君の生涯が綴られていたのである。姫君の名は、藤原千古(ふじわらのちふる)。実資にとって、唯一生きて成人を迎えた最愛の娘であった。名門貴族家の姫君として生まれ、父の愛情を一身に受けて育つ千古はしかし、一方で、父実資と、同じ藤原姓の道長らとの水面下での争い、「政略結婚」の渦に巻き込まれ、思いもよらない運命をたどることとなったのである―― 実在した人物による日記から、平安王朝を生きた姫君の人生が浮かび上がる。豪奢で華やかなイメージの貴族家の姫君たちの真の姿とは。
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Posted by ブクログ
同氏の著作『殴り合う貴族たち』に続いて2作目の本です。
今回は道長のライバルで「小右記」の作者である藤原実資の娘、千古の生涯を辿る内容となっています。
「かぐや姫」と呼ばれていたそうです。
どの辺りでかぐや姫と呼ばれたのかという好奇心からひたすらに読み続けましたが、最後までよく分かりませんでした。
当時の最上流貴族のお姫様の暮らしぶりが描かれていて、好奇心はそれなりには満足させられたのですが。
王朝貴族に対する先入観を覆すという著者の試みは充分達成されたと思われますが、もう少々知的に描かれているとなお良かったです。
やはり女性は、貴公子達に夢を観たいものなのです。
Posted by ブクログ
平安時代にかぐや姫と呼ばれた貴族の娘がいたという。
こまかい記録の残っているお姫様のことを書いた珍しい本。
父の藤原実資は、小野宮右大臣という号があり、紫式部と交流もあった人物。
「小右記」という詳細な日記をつけていた。
一部欠けているそうなのが惜しいが、遅くできた末娘・千古を溺愛したという。
Posted by ブクログ
藤原道長のライバルであった藤原実資の娘、千古(ちふる)。家柄もよく、申し分ない結婚をしてしかるべき姫であったが、そう簡単にことは運ばなかった。実資の日記『小右記』から平安時代の姫君たちの真の姿に迫る。現代の話なら、スキャンダラスで生臭くなりそうなところ、王朝の話となると何だか学術的な感じになってしまうのはちょっと不思議。まあ、あまりわかりやすくちゃおもしろみがないよ、というところだろうか?
Posted by ブクログ
治安三年(1023)の六月、世に「かぐや姫」と呼ばれる姫君が13歳のころ、初めての縁談が持ち上がるが・・・
ここに語られているのはおとぎ話の『かぐや姫』ではなく、王朝時代にそう呼ばれていた『藤原千古』という姫君。王朝時代研究の第一級の資料として利用されている「小右記」を綴った『藤原実資』の娘である。
小難しい話は置いておいて、昔も今も、年老いてできた子を溺愛することや、女性が行き遅れると大変だと言うのは変わらないらしい。特にこの時代、高貴な生まれであっても、後ろ盾がなくては女房勤めに身を落とすようになったりと、気の毒な立場になったりする。
かぐや姫の婚活も中々上手くいかなかったらしい。せっかくの良縁には逃げられるは、横やりは入るは・・・で、行き遅れに差し掛かるころにそこそこの相手と結婚はしたものの、二七、八の若さで亡くなってしまったらしい。なんだか悲哀を感じさせられた。