あらすじ
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日本の野山に咲く花々について綴る文章に、花の個性をあらわにするような美しい絵を添えたエッセイ集。植物に造詣の深い著者が、四季折々に現れる野花の生態を紹介。どんな状況にあっても逞しく根を張る植物たちは、「生きる場所を自ら決める」ことの尊さを、人間である私達にも訴えかけます。「ともすれば大人は、子どもにヒマワリのように生きることを目指してもらいたがる。そのほうが仲間も多いし世界はそういう人に有利にできているし、生きていくに選択肢も広がるからだ。別に画一的な世の中をよしとしているわけではなくとも、親心で少しでも楽なほうをと先導してしまう。そういう自分に葛藤を抱くときは、渓流の奥へ足を運び、そこで満足げに咲いているイワタバコを見るのがいいと思う。イワタバコはほんとうの幸せとは何かを教えてくれる。」(本文より)
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Posted by ブクログ
⭐️野山花花図譜
装丁が目を引く。淡い紫に波多野光さんの上品なイラスト。和綴じなのも嬉しい。野山の草花を愛でたいとき、開いてみる。贅沢なひととき。もちろん、梨木香歩さんの文章も愛しい。
Posted by ブクログ
「野山花々図鑑」のタイトル通り、野や山に生きる野生の植物たちが主人公のエッセイである。
豊富な知識で花々の解説と、イメージや思いを語っている。
その花々は、ホームセンターの園芸コーナーなどに並ぶ「リア充」っぽい花たちとは逆を行っている。
うつむき加減の花も多いが、気が弱いわけではない。そこに美しさを感じるだけ。
地味だが誇り高い。そんな植物が多く語られている。
著者は幼い頃から植物図鑑に親しみ、住んだところや出かけた場所の野山で実際に出会ったりして、植物との親交を深めてきたようだ。
『家守奇譚』に登場している植物も多いので、この本を紐解きながら再読するのも良いかもしれない。
写真で確認するのもいいけれど、この本の、波多野光氏の、どこか日本画風で落ち着いた陰影の植物画を眺めると、より物語の世界に入り込める気がする。
植物一つ一つの項のタイトルの植物名は、漢字とその後にカタカナが表記されている。
この漢字の植物名がなんとも雰囲気があると思う。
絵を鑑賞しやすくするためか、開くと平らに安定するような本の作り。落ち着いて、文章とイラストを楽しめる。