あらすじ
「儲からない」といわれた個人宅配の市場を切り開き、「宅急便」によって人々の生活の常識を変えた男、小倉昌男。本書は、ヤマト運輸の元社長である小倉が書き下ろした、経営のケーススタディーである。
全体を通して読み取れるのは、「学習する経営者」小倉の謙虚さと、そこからは想像もできないほど強い決断力である。成功した人物にありがちな自慢話ではない。何から発想のヒントを得たか、誰からもらったアイデアか、などがこと細かに記されている。講演会やセミナー、書籍、マンハッタンで見た光景、海外の業者に聞いた話、クロネコマークの由来…。豊富なエピソードから伝わってくるのは、まさに学習し続ける男の偉大さである。
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Posted by ブクログ
1999年に発行された書籍だが、小倉昌男氏の経営思想は今の時代にも通用し、全く色褪せない哲学があると感じた。同じ経営者としてとても勉強になった。経営のバイブルとしたい。
Posted by ブクログ
成功までのストーリーとして楽しく読めた。
よく言われる自分で変えられるところと、変えられないところの見極めもあるが、「なんとなく」存在するルールの不公平に挑みつつ、世の中の需要に対応していく姿が良かった。
Posted by ブクログ
有名な名著ですね。古い本ですが、現代でも通用するお話ばかりなのに驚きます。
「宅急便」という新規事業の創出過程を軸に、様々な経営者としての考え方を余す所なく説いてくれる本ですが、新規事業を立ち上げていく際の要諦は、現代においても変わる所はないと感じます。
・既存のアセットを活用する
・儲けが出る状態、損益分岐点を超える(期間含めた)シナリオを明確にする
・そのために追うべき指標(KPI)を明確にする
・そのために「やるべき」ことを明確にする
・加えて「やらない」ことも明確にすることで、「やるべきこと」を自立的に取れるようにする
・これらを他社との差別化につながるものから選ぶ
まったく新規の領域で勝とうとするのではなく、自分たちの強みを活かせる領域で、損益分岐を具体的に描けるようになるまで考えて、ユーザに価値を届ける具体策を共有して初めて、事業としてやっていけるのだというリアリティは、新規事業を考える上で肝に銘じなくてはいけないものだと納得しかありませんでした。
Posted by ブクログ
クロネコヤマトの成功の物語。
小倉さんは、先を読む力がすごい人。
賛同されない社員もおられたことでしょうが、
成功したのは凄いことです。
2023、日本郵便とタッグを組んだのも
サービスが先、利益は後の精神なんでしょうね。
Posted by ブクログ
ヤマトの経営をするために生まれた男だと思った。ヤマトって私が子供の頃からあって当たり前の存在と化してたけどここまでの企業努力があったなんて。本当に感謝です。
真っ向から勝負していく姿勢、お客さんのため従業員のために考え続けて行動して色んな出来事があって小説かなって思うくらい濃密だった。
新聞に出した文面に笑ってしまった。
Posted by ブクログ
ヤマト運輸二代目社長の視点から、同社が宅急便事業に至り、そして成功させるまでの険しい道のりが赤裸々に描かれている本書。
超重要取引先と、国家権力と、そして社内と闘った歴史、その節目節目における小倉社長の思想と行動が鮮明に浮かび上がるようで、一気に読み進めることができた。
不運もあって20代は病床に伏せる期間が長かったにもかかわらず、仕事に復帰した後は「強烈なリーダーシップ」と「綿密なロジカルシンキング」でもって構想を描き、現場と経営を引っ張っていたこと、ゼロからイチを実現していったことに胸が熱くなった。
いくつもの印象に残る部分があり、特に印象に残った箇所を抜粋すると以下の通りです。
●善い循環も悪い循環も、一朝一夕に起きるものではない。
●共同経営とは。自発性を高めるにはコミュニケーション。
●サービスが先、利益は後。
●□□第一はマンネリ。なぜなら第二がないから。
●社員には自分の仕事に責任を持って遂行してもらう。それを引き出す努力が経営者の仕事。
●成功している経営者は「ねあか」が多い。
【その他印象に残った箇所】
過去の成功が災い。
出発点はよく働くこと。
トラックは荷物を積んで奔ることで収入を得る。半分くらいの時間しか稼働できないのが普通。
物流を構成する主な要素は、輸送、保管、荷役、包装、加工、情報。
共同体経営。経済の動き、経営の状態、人事など経営に必要な情報を、同時に従業員にも提供し、同じ目的意識をもたせることが必要。自発性を高めるには、社内のコミュニケーションの改善。
(集配車のドライバーが不足したため、小さな運送業者を下請けに使い、配達させたことを)絶対にやってはならないと禁じた。
供給者の論理と利用者の論理は正反対の場合が多い。
サービスとコストは常にトレードオフの関係。
利益のことばかり考えていればサービスはほどほどで良いと思うようになり、サービスの差別化はできない。となると収入も増えない。よって利益はいつまで経っても出ない。悪循環。
サービスが先、利益は後と言えるのは社長。だからこそ社長が言わなければならない言葉。
○○第一は、マンネリの代名詞。というのも第二がないから。
社長の役目は、会社の現状を正しく分析し、何を重点として取り上げなければならないかを選択し、それを論理的に説明すること。
全員経営とは経営の目的や目標を明確にした上で、仕事のやり方を細かく規定せずに社員に任せ、自分の仕事を責任をもって遂行してもらうこと。
日本人は、潜在的に会社への参画意識があるのだから、それを引き出す努力を経営者が怠ってはいけない。
キーワードはコミュニケーション。目的と目標を明示。
組織が大きくなると社員のやる気を阻害する者が社内にいることが多い。直属の上司であることが多い。自分の経験をもとに仕事のやり方を細かく指示したがる一方で、会社の方針や計画をなぜそうなのか説明することが苦手。そうなると社内コミュニケーションが途切れてしまう。
攻めの経営の真髄は、需要を作り出すところにある。需要はあるものではなく、つくるもの
Posted by ブクログ
とても感銘を受けました。「経営とは論理の積み重ねである」「サービスが先、利益は後」「倫理観」「使命感」など心打つキーワードが沢山。人として大事なところをぶらさず、論理をもって話されているその姿に憧れを覚えました。このような方がいらっしゃったとは。学びを世に還元できるよう尽力したいと思います。
Posted by ブクログ
何年もの間、積読していたがもっと早く読めばよかった。極めて秀逸なヤマト運輸創業二代目小倉昌男の自著。
世間の既成概念や行政の規制から成り立つはずがないと言われた、宅急便を創った才人。
20年前に書かれた本書の時点で、ネット成熟による宅急便の取扱高の大幅増を予見するほどの先見性。
経営は論理の積み重ねであり、自身の考えや経緯を筋道立てて説明できることが寛容だと話す。
その言葉通り、いつ何をどのように考えて宅急便をはじめたか、サービスを始めたのか。その判断に至った経緯が克明に記録されている。
「サービスが先、利益は後」という繰り返される標語に理念がよく表れている。
Posted by ブクログ
小倉氏の時代を見通す力には目を見張るものを感じた。これほどまでに優れた経営者が日本にいたとは知らなかった。彼のような人が多くいれば日本経済もここまで衰退の憂き目を見なかったであろう。それだけ彼が優れた経営者であるが故に彼の後を継ぐ方の責任は重いだろうなと場違いな心配をしてしまった、
Posted by ブクログ
小倉昌男 経営学 単行本 – 1999/10/1
ヤマト運輸株式会社の2代目社長、宅急便を開始した小倉昌男氏の著作。
今、ヤマトグループはデリバリー部門であるヤマト運輸を始め
巨大な組織になっている。しかしどれもこれもが宅急便という基礎があってこそ。
どういう途中経過があって今に至るのか、今我々はどこにいるのかを知る意味で
有意義であろう。(特にヤマトグループに勤務している人は)
本書冒頭で1972年岡田茂氏が三越社長に就任した際の過酷な経営に
振り回される様が描かれている。
押し売りのオンパレードであり消費者、生活者の為にどうするかという視点が無い。
ヤマト運輸がそんな横暴な三越と取引を辞めることが
出来たのも宅急便が成長軌道に乗っていたからだ。
その宅急便を開始、工夫、改善。特に開始する際の反発というのは
やはりサラリーマン社長には出来ないだろう。
創業者の息子経営者という特殊な立ち位置にいなければ出来なかったと思う。
参考になった点、気になった点をあげていくと
労働生産性の向上
車輪のついたロールボックスパレットの導入
安全第一、営業第二
車が先、荷物は後(センター、ベース、車などへの先行投資)
元気な内に役員の定年制を設けた。
経営者は戦術レベルの発想に止まっていてはいけない。常に戦略的発想をもって事態に対処する心構えを持たなければならない。
会社にとって今何が第一かを判断し、それを指示するのが経営者の役割なのである。
攻めの経営の真髄は、需要をつくり出すところにある。需要はあるものではなく、つくるものである。
経営者は、常に起業家精神を持っていなければならない。
経営者が、攻めより守りの姿勢に変わってきたら次の世代にバトンタッチする必要がある。
まだやれると思っていても、余力を残して引退するのが経営者の心構えである。
人が成功したらすぐ真似をするのは日本人の通弊である。誰がやっても儲からないといわれていた宅配事業でヤマト運輸が成功したと聞いたら、その理由を調べるのが普通であろう。単にクロネコのマークが主婦に受けたなどという単純なものではないことぐらいわかるはずである。‥いずれも長年運送事業をやっている会社だから、ネットワークはなくとも東京と本社所在地の間くらいなら翌日配達はできるだろう。そんな同業者が一気に35社も参入してきたのである。
運輸省の役人は、「既存業者が反対を取り下げればいつでも免許を下ろしてやる」と、公言するありさまだった。この発言は許せなかった。これでは運輸省など何のためにあるのかわからないではないか。申請後4年を経過した昭和60年(1985年)の12月に、行政不服審査法に基づき運輸大臣に不作為の異議申し立てをした。‥昭和61年(1986年)8月28日、運輸大臣を相手取り「不作為の違法確認の訴え」を起こした。監督官庁を相手に行政訴訟に打って出たのである。運輸省は慌てたと思う。路線延長の申請を5年も放っておいた理由など、裁判所で説明できるわけはないからだ。‥運輸省は本件に関する公聴会を昭和61年10月23日に開き、12月2日には免許を付与した。
ヤマト運輸は監督官庁に楯突いてよく平気でしたね、と言う人がいる。別に楯突いた気持ちはない。正しいと思うことをしただけである。あえて言うならば、運輸省がヤマト運輸のやることに楯突いたのである。不当な処置を受けたら裁判所に申し出て是正を求めるのは当然で、変わったことをした意識はまったくない。
3月に申請書を提出したとき、実施は6月1日を予定しているからそのつもりで審査してほしいと要望したのである。そんな背景のもとに、昭和58年5月17日の一般紙の朝刊に1頁3段の大きな広告を出した。それは、これまでより2百円安いPサイズの発売と、その実施時期を6月1日にするというものである。運輸省はヤマト運輸の申請を無視し、審査しようとはしなかった。そこで、5月31日の朝刊に、同じ1頁3段の広告を出した。今度は、Pサイズの発売は、運輸省が未だに認可しないため、6月1日の開始予定を延期せざるを得なくなりました、というものであった。これを見て運輸次官が激怒したと聞いている。しかし世論は、すでに行政管理庁や第2臨調が宅急便の運賃のあり方について改善を勧告していたこともあり、運輸省の対応の遅さを批判する声が強かった。結局、運輸省は7月6日に認可したのである。運輸省に限らず一般に役人は、新聞紙上に活字となって載ることを極度に怖がる習性がある。だから新聞やラジオ、テレビを通じて行政の非を追及するのが、極めて有効である。
「全員経営」とは、経営の目的や目標を明確にしたうえで、仕事のやり方を細かく規定せずに社員に任せ、自分の仕事を責任を持って遂行してもらうことである。
SDには、新しく入社してきた人材を多く登用した。問屋の店員だった人などはうってつけだった。一方、同業である他のトラック運送会社の運転手だった人は、原則的にお断りした。なぜかというと、運転以外の仕事をやりたがらないし、基本的に全員経営の理念に対する理解が乏しい人が多かったからだ。その点、問屋の店員の仕事は、注文取り、納品、運転、集金、何でもやるのが当たり前だったから、何の抵抗もなく引き受けてくれた。
SDも、お客様から特別の処理を求められたときどう処置したらよいか、とっさに判断して行動しなければならない。センターに電話して指図を仰ぐようでは駄目なのだ。また何かクレームがあったとき、ただちに的確な処理をすることを求められる。何よりも新規の荷物を集めるために、どこでどういう渉外をしたらよいか、自分で考えて行動しなければならない。宅急便というものは、地下水を1滴1滴集めるようなもので、第一線のSDの働きからすべてが始まるのである。
‥組織図の書き方も変えた。商業貨物を扱っていたときは一番上に支店長がおり、その下に営業課長、また下がって営業係長、一番下に運転手何名という具合に、運転手は十把一からげに書かれていた。それは宅急便ではサッカーチームのメンバー表のように、一番上にフォワードであるSDの名前を連ねて書き、一番下のゴールキーパーのところに支店長の名前を置くように変えた。SDにチームの中心プレーヤーになってほしいからである。
人間は基本的に、細かく指示されると不愉快になり、任されて自主的にやらせてもらうと気持ちが良いものである。これはブルーカラーでも同じで、むしろブルーカラーの仕事のほうが、自主的にやらせたほうがうまくいくケースが多い。
人は耳から聞いたことを頭の中で整理し、取捨選択して他人に伝えるのだが、往々にしてその過程で間違って伝えられる。だから、社長と第一線の間にある管理の階層は、なるべく少ない方が良いのである。
社員の種類を基本的に正社員、準社員、契約社員に分け、雇用の際には、就いてもらう仕事の内容に応じて社員の種類を選定した。まず、SDのようにお客様に接する仕事は正社員があたる。それ以外、たとえば経理や荷物の仕分けなど後方部隊はなるべく準社員、契約社員をあてるようにする。同時に全社員を通して女性の比率を高くする。これが原則である。‥平成11年(1999年)3月末のヤマト運輸の社員総数は、74,880人であるが、その内訳は、正社員53%、準社員3%、契約社員などパートタイマー42%である。また女子の比率は、宅急便を開始した時点、つまり昭和51年は5%だったのが、平成11年3月末は28%まで増えている。
本来ならば会社にとってクレームほど重要な情報はない。クレームが迅速かつ正確にトップに伝わらないと、会社の商品やサービスの品質維持ができず、同業との競争に負けてしまうことになる。ところがその重要な情報を管理職は隠そうとする。
運送業界でも、業態化の例はいくつかあげられる。石油製品を輸送するタンクローリー車による専門輸送や、コンクリートミキサー車によるセメント販売などの例がそれである。コンクリートミキサー車による輸送はまことにユニークで、輸送しながらセメントと骨材などを練り混ぜるあの方式を編み出したアイディアは大したものだ。このように業態化とは、営業の対象を絞り、サービスとコストにおいて競争相手に決定的な差をつけることを目標として、徹底した効率化を図ることである。
品物を受け取った時点から一週間で荷主である通販会社に品代金を支払ったら面白いのではないかと考えた。そうしてまとめたのがコレクトサービスである。‥利用料金は集金額が1万円未満の場合は3百円、1万円以上3万円未満は4百円、3万円以上10万円未満は600円、十万円以上30万円までは1000円である。
宅急便はいずれ頭打ちになるといわれてきた。けれどもこれまでと違う、まったく想像を絶した新しい需要が創出されることは間違いない。そのとき、全国の100%の地域に張り巡らせた宅急便のネットワークが、絶大な威力を発揮する日がくるのではないか。
どんな組織にも、共通して内在する欠陥がある。それは、組織というものは必ず自己増殖して、肥大化する傾向を持っていることだ。いわゆるパーキンソンの法則とよばれるものである。
私の結論は、上司の目は頼りにならないということであった。‥そこで考えたのは、「下からの評価」と、「横からの評価」。下からの評価は部下による評価、横からの評価とは同僚による評価である。そして評価項目は実績ではない。「人柄」だ。誠実であるか、裏表がないか、利己主義ではなく助け合いの気持ちがあるか、思いやりの気持ちがあるかなど、人柄に関する項目に点を付ける。体操の採点のように、複数の社員の採点を集め、最高の点と最低の点を外し、残りを足して平均点を出す。つまり多くの目で評価する。‥もちろん単独ではなく、他の制度と併用するのであるが、私は、人柄の良い社員はお客様に喜ばれる良い社員になると信じている。
行政訴訟という正攻法で進んでよかったと思っている。私は、政治家のいわゆるパーティー券は一枚も買ったことがない。それは、株主総会でなぜ特定の代議士のパーティー券を買ったのか質問されても返答できないからである。
Posted by ブクログ
採算のとれない個人宅配市場への転換。デメリットをいかに対策をとるか。散発的な需要。酒屋や米屋に取次店として機能してもらい、個人→取次店→ヤマトが集荷しk、営業所に集める。三方が得をする。次第にコンビニも取次店として拡大していく。
「個人宅配はもうからない」という常識を疑い、行政の横やりやコスト面といった諸問題を経営者自らが率先して取り組む。こうした実務だけでなく、最後には経営者としてのマインドも述べられる。
何度も読み返したい名著。
Posted by ブクログ
超実戦的マーケティング、事業立ち上げ本。
ロジックを積み上げた実数字を挙げた説明と、計画の後の実行のプロセスまでわかりやすくかつ読みやすく書かれている。
久々のホームラン本
Posted by ブクログ
前職の職場でおすすめされてから積読になっていたものを消化。
宅急便を立ち上げたヤマト運輸の2代目小倉昌男氏の著書。
リーダーである自身が積極的にセミナーでの情報収集や海外視察などを行い、様々な考えを取り入れて事業を作っていく姿に感銘を受けた。
リーダーとはかくあるべしを見せられた。
率先して情報を集め、論理的思考、仮説思考で事業スキームを組み立てていく思考ステップまで描かれていてリアリティを感じた。
読みながら緻密な戦略家なのかなと感じる部分もあったが、採算計算ばかりしても計算に使う人件費がもったいないという発言もあり、経営者としての胆力を感じた
・第1を定めるだけではなく、第2を定めること
・自身が率先して情報収集すること、一次情報を取りに行くこと(UPSの視察や競合のDCを見に行った)
・サービスが先、利益は後
・ネアカが成功する
Posted by ブクログ
普遍的な思考、行動を学ぶことができると思う。戦略というストーリーを考え、日々の仕事での効率的、ライバルに勝てる業務の進め方である戦術、人としてのあり方が何か。改めて読み替えてしみてもまた新たな視点に気づけそう。顧客ファーストを忘れずに私も仕事をしよう。
Posted by ブクログ
物流分野かつサービスの差別化について分かりやすい表現で深く理解できた。著者がいかに改革に向けて考え抜いていたかよく分かる。何度か繰り返しの文章もあり、馬鹿な自分には助かった。
小林塾紹介の本
Posted by ブクログ
どういった経緯でヤマト運輸が業績を立て直し、新たな個人宅配という分野に切り込んだのか、戦略も含めわかりやすくまとまっていて読みやすい
Posted by ブクログ
クロネコヤマト立ち上げの経緯が分かりやすく書かれている。顧客とってより良いサービスを提供するために進むべき方向を定め、大口のお得意様と決別し、行政と戦い、世論も味方につけて進んでいく。
個人的に心に刺さったのは以下
7章 サービスとコストの問題
・サービスとコストはトレードオフ
・サービスが先、利益は後
→まず良いサービスを提供することに懸命の努力をすれば
結果として利益は必ずついてくる
利益のことばかり考えていれば、サービスはほどほどで良いと思うようになり、サービスの差別化などはできない。となると収入も増えない。よって利益はいつまでたっても出ない
(ただし、これは社長だからいえる言葉・・・)
経営リーダーの条件
・論理的思考
計画を立案し、目標を決め行動に移す
期待した結果が出るかどうか、は
経営者の読みが深いか浅いかにかかっている
試行錯誤しながら条件を変化させ、微調整しながら計画すれば、そこまで違いなく結果を予測できる
しかし、重大な決定をする場合には、計画の段階での予測が重要になる。その際は十分に検討しなければならない
・時代の風を読む
企業は社会的な存在であるため、時代の社会変化に強く影響される。経営者は的確に読み取らなければならない
・戦略的思考
戦術:日常の営業活動において競争に勝つための方策
戦略:経営目標を実現するための長期的な策略
・攻めの経営
需要は作り出すもの。あるものではない。
・明るい性格
謙虚で、ねあか
他人の人格を尊重し、長所を見つけて認める
・高い倫理観
企業の存在意義:地域社会に対し有用な財やサービスを提供し、住民を多数雇用して生活の基盤を支えること
企業は地域の人を喜ばす存在であるべき
人間として大事なもの:真心と思いやり
Posted by ブクログ
経営学のレポートを書く際に大変お世話になりました。今まで、運輸業の仕組みやその戦略について疎くて全然知らなかったのですが、小倉さんの努力やこんな企業でありたいという理念が知れて大変勉強になりました。
今までよりもっとクロネコヤマトが好きになりました。宅急便で積極的に利用していこうと思います。
Posted by ブクログ
ジェフベゾスもそうだけど、突出した経営者というのは生産性を上げることを徹底的に追求する、そしてサービスが向上すれば利益は後からついてくるという信念がある、細かい計算にとらわれずとにかくやってみる、同業者から徹底的に差別化する。そしてただ単にこの人がカリスマ創業者なのではなく、永続的な組織を作っているというところが日本版ビジョナリーカンパニーだと思う。今までそこになかった新たな業態を作るということがどういうことか、手にとるようにわかる良書。こうやって一つ一つを言語化できるというのは、著者がセンスや情緒ではなくひたすら論理の積み重ねによって経営をしたということの何よりの証左だと思う。
99年の時点で、インターネットの普及により新たな宅急便需要が創出されることや、全国100%の地域に張り巡らせた宅急便のネットワークが絶大な威力を発揮することを断言しているが、それがまさに東日本大震災やパンデミックで現実のものとなっている、その論理的先見性が見事。
Posted by ブクログ
クロネコヤマトが現代の宅急便事業に至るまでについてが書かれてる
国と戦い、顧客と戦い、社内の役員や労働組合と戦い、その歴史が学べる
情熱的で人間味のある名経営者だったんだなと、、、
Posted by ブクログ
まさに優れた戦略は面白いストーリーであり、論理の太い繋がりであり、順列である、という典型的な好事例。企業の存在意義やステークホルダー、サービスドライバーと全員経営の考え方、トップが考え抜く戦略、というものを学ばせていただいた。サービスが先、利益は後、というように、優先順位をわかりやすい言葉で浸透させる妙と、それにブレない強い姿勢も感じた。
Posted by ブクログ
これも気になっていた名経営者だったので読んでみた。直前に読んだ永守氏に関する著書に比べると、参考になるところが多かった。自分として気になった言葉は「仮説」である。仮説を立てて検証しながら事業を進めているからこそ成功されたのだと思った。また、事業の経営が常に論理的であるのもなるほどと思った。どちらかというと、熱い感じの人なのかと勝手に想像していたのでその点は意外だった。労働組合とのあるべき関係性にも触れてあり、自分の会社と似ている気がした。
Posted by ブクログ
竹を割ったような人という印象。
当時の三越社長へのバッシングや先代社長の老害呼ばわりは、ビジネス書ではあまり見ないので新鮮で面白かった。
「サービスが先、利益は後」この言葉で宅急便を普及させた思考の本だが、時代の流れを読む事に長けており、組織改革は勉強になった。
芯があり決して揺るぐことがない、所謂カリスマ性を感じる。
Posted by ブクログ
物心ついた時からあたりまえのようにあった宅急便が、どのような経緯で開発されたのかを知ることができた。
当時、民間が始めるには、すごいシステムだったことに気づけて良かった。
Posted by ブクログ
ヤマト運輸によるクロネコヤマト:個人間配送業務に着手した話がメインで語られています。
タイトルに著者である『小倉昌男』と書かれていますが、彼の史実はごく少数で、最初から一貫して運送事業について書かれています。
そのため、序盤から展開される運送業の詳細な話が難しく感じた。
ただし、無駄が省かれて話が展開されていること、きちんと考える点と考え方が詳細に書かれているのでわかりやすい。
1部の4章だけ読んでもボリュームに驚かされると同時に、内容の濃さと動きがすごい。現在のヤマト運輸がどのような背景や成り立ちを経たのかがよくわかる本となっている。
Posted by ブクログ
社長はこんなに深く自社のビジネスを考えているものなのかと意外だった。
部下が出した選択肢から選んでいくことが社長の役目だと思ってた。ここまで社長自身が、情報を集めて分析して、自ら手法を見出していくなんて普通じゃないように思う。
どんなものごとにもメリット、デメリットがあると言う言葉。
デメリットがない完璧な選択肢があるのではないか、といつも考えてしまうが、そんなものはこの世に無いのだと気付かされた。すべてにメリット、デメリットがあり、リスクを取りながら一つの選択をすることが仕事なのだと思った。リスクを背負う覚悟がないと、人の上には立てないんだろう。
現場への権限委譲も素晴らしい。計算に掛かる人件費が勿体無いというのも頷ける。
新しいことをするには、必ず費用対効果を数値で求められる。数字を出すのは本当に大変なのに。絶対やらなきゃいけないことでも、無駄に数字を出させる。それを「無駄だ」と言ってくれる経営者がいたらどんなに頼もしいか。
自分の引き際をわきまえているところもカッコいい。どんなに優秀な経営者でも、時代の流れには敵わないのだと感じる。絶対的な権力になってしまうと、誰も本音で話せなくなる。長く会社に居座る経営者みんなに考えてもらいたい。というか殆どがこの本を読んでるだろうに、それでも椅子に座り続けるのが何故なのかわからない。