【感想・ネタバレ】〈玉砕〉の軍隊、〈生還〉の軍隊 日米兵士が見た太平洋戦争のレビュー

あらすじ

「降伏は名誉」とする米兵と、捕虜となることを恥、自決を名誉と考える日本兵。「バンザイ突撃」は、「9時から5時まで戦う」米兵の目には自殺行為にしか映らなかった。究極の文化衝突の場、戦場で両軍兵士は何を目にし、互いの認識をどう変えたのか――。日米元兵士への緻密なインタビュー調査を通して、「兵士」の誕生から戦地における彼らの思想と行動までを比較文化的観点から探究。「戦闘の社会学」が解明する、戦場の真実。(講談社学術文庫)

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Posted by ブクログ

論点を教育勅語や戦陣訓のみに設定しないのは興味深かった。インフォーマルな構造への着眼は今では新しいものでは無いと思うが、多くの書籍で引用されているのも頷ける。また、近代国家の成立過程から、徴兵制に対する捉え方が日米で異なると分析しているのは興味深い。

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2025年04月13日

Posted by ブクログ

当時の戦場を生き残った兵士の証言を多く収集していて、読んでいてかなり勉強になった。思っていたのとは違うような、兵士たちの心理を知れる点でとても有益な本だと思う。ただ、著者はその証言に頼りすぎて、生存者バイアスのようなものが発生している可能性があることを見落としている気がする。つまり、うまく戦場で立ち回れたから生き残れた兵士の証言しか残っていない場合があり、すぐに亡くなった兵士はもっと別の心理があったのかもしれないということ。それを自覚していれば、より透明度のある分析をできたかもしれない。

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2023年01月25日

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