あらすじ
ぼくの名前は花咲太郎。探偵だ。浮気調査依頼が大事件となる素晴らしい探偵事務所に務め、日々迷子犬を探す仕事に明け暮れている。 ……にもかかわらず、皆さんはぼくの職業が公になるやいなや、期待に目を輝かせて見つめてくる。刹那の閃きで事態を看破する名推理をして、最良の結末を提供してくれるのだろうと。 残念ながらぼくは犬猫専門で、そしてロリコンだ。最愛の美少女・トウキが隣で睨んできてゾクゾクした。悪寒はそれだけじゃない。眼前には、真っ赤に乾いた死体まである。……ぼくに過度な期待は謹んで欲しいんだけどな。これは、『閃かない探偵』ことぼくと、『白桃姫』ことトウキの探偵物語だ。
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Posted by ブクログ
これはかなり好きだ。。まあタイトルからミステリを想定して読み始める訳だが、あまりに潔い事件の解決しなさっぷりに感服した。そのくせ自分の領分の仕事はきっちりこなす(「残酷ペット事件」)あたりさすがだ。癖の強いキャラクタ造形も好みの範囲だった為か違和感無し。みーまーで一度お会いしてるってのもあるが。古本屋にて購入。
Posted by ブクログ
作品名を見る限り、推理小説と思われるかもしれないが、推理小説ではなく、コメディ作品だと感じる。
読点が極端に少なく感じ、文章の切れ目が分かり辛く、一本調子な部分もあり、平坦に感じる。
Posted by ブクログ
「探偵・花咲太郎は閃かない」
ぼくの名前は花咲太郎。しがない犬猫捜索専門探偵なのだけど、なぜか眼前には真っ赤に乾いた死体がある。ぼくに過度な期待は謹んで欲しいんだけどな。これは「閃かない探偵」ことぼくと「白桃姫」ことトウキの探偵物語。
探偵だけど自分に期待しないでくれという探偵。なぜなら抜群の推理力や洞察力を駆使して事件をずばずば解決していく名探偵では決してないから。主人公花咲太郎は閃かない探偵。私はこの「閃かない探偵」という所と「作家が若い」点にも興味を惹かれ手に取りました。
探偵花咲は普通の男です。いやロリコンという点で普通とはいかないような気がします。彼は同居している少女・トウキに夢中であり女子大生は彼から見ると仙人らしい。彼は事件に対してどうも武器といえるようなものは持っていなく、普通に事件に巻き込まれたという感じでいつもいる。そんな彼なのになぜか事件は面白いように勝手に進みいつの間にか解決していく。
この作品で面白いなと思ったのは「存在感があるのかないのか分からない花咲」です。彼は何かと今の若い奴との共通点があるような気がして、そこが探偵っぽく感じません。しかし、物語の進め方が事件事件していない分、花咲の普通っぽさが妙に生きている気がしました。
また、5つの章がこの作品に入っているのですが、正直閃かない探偵で話がもつのかと思ってましたが、もちました。
本格派の推理小説を読む気で居ると拍子抜けすると思いますが、花咲の言っている通り過度な期待をせずに読むとまた別の探偵作品として楽しめると思います。個人的にはこれからトウキがなにやら肝になる気がします。