あらすじ
N大ワンダーフォーゲル部、秋のキャンプ。奥多摩(おくたま)の山中に白い雨が降った。雨はミルクのように白く、かすかに光っていた。その雨滴(うてき)に打たれた男子部員、今井(いまい)に異変が! 日頃の鬱憤(うっぷん)が凶気にまで昇りつめ、二人の部員を殺害する。山麓の町でも雨に濡れた人々が次々と事件を引き起こしていた。白い雨が心の奥底に潜む憎悪を呼び覚まし、殺戮(さつりく)を導く。戦慄のホラー作品。
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Posted by ブクログ
赤川作品の中でホラーのジャンルでは一番好きです。
「白い雨」
乳白色のような、牛乳のような・・・。
今の壊れかけている世界では、こんな事が起こっても何もおかしくない、そう思えるくらい設定がリアル。
マザコン夫に口煩い姑に同居の嫁、ワンゲル部のもやしっ子、家庭内暴力に育児放棄の父親に出稼ぎの母親を持つ兄弟、嫁と嫁両親に好き放題にされるマスオさん夫の不満・・・。
白い雨に打たれた人は、ごくごく普通に少しの不満を持っている人々。
不満はあるけど・・・と生きて来た中で覚醒する「本能」
赤川先生のキャラクターはリアル過ぎて親近感沸きすぎで怖い。
そしてあの姑と夫は本気でムカつきます。
嫁じゃなくてもいずれ誰かに刺されてもおかしくない嫌なキャラでした(笑)
設定こそはホラーでも、赤川作品全てにいえるテーマは「愛」だと思います。