あらすじ
「盗みを止めろ!」石炭産業の空洞化で職と誇りを奪われた男たちの喪失感を埋めたのは,アルコール,薬物,そして政治だった.トランプの支持基盤を追った『壁の向こうの住人たち』から8年.経済に加え,感情のアメリカンドリームの梯子からも転落した人生の物語を聴き,分断を乗り越える糸口を探る社会学者の旅は終わらない.
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
恥を感じた人々が、盗まれたと感じるようになる。トランプがそれを良くしてくれると信じているが、援助を必要とする人ほど彼への支持率が高いのはまさにパラドックスだ。福祉を切り捨て、格差を広げ固定化する政策を最も強力に推進する人物を支持して、自らの必要とするものを遠ざけてしまっている。そろそろ気がつき始めている人もいるが、大勢を覆す事は難しそうだ。
Posted by ブクログ
前作「壁の向こうの住人たち」は、ルイジアナ州に住む保守派の人々に迫りトランプ旋風を読み解く書籍でしたが、今回は、ケンタッキー州のアパラチオ地方の「誇りの喪失」に焦点を当てた書籍です。
アパラチオ地方というと、ヴァンス副大統領の親族のルーツとしても有名ですが、かつて石炭産業が栄えた町が段々と廃れ、酒とドラッグで誇りが蝕まれていく人々を描いています。
話としては、白人至上主義のデモやトランプ再選に対するアパラチオ地方の捉え方をインタビューを通じて詳細に語られています。
当時アパラチオ地方の人々はトランプに絶大な信頼を置いていましたが、現在の意味のない戦争開始とそれに伴う原油高は、アパラチオ地方の人々にとっても裏切りと捉えられるんだろうと思いますね。
Posted by ブクログ
2017年の極右団体によるケンタッキー州のデモ行進の取材が中心であるため、情報が古い。
ヴァンス副大統領を生んだ州に生きる人々の生の声が聴けるが、彼らの誇りを奪われた喪失感がトランプ大統領に傾倒した理由なのだろうか。レッド州の極右団体を中心に描かれているため、ブルー州の極左団体について比較してもらえるとより分かりやすかったと思う。
「民主党は肌の色とジェンダーと性的アイデンティティしか気にかけていない。共和党は愛国心と税金のことしか頭にないんです」
「あの人たち〔極左派〕は注目を集めようとして、自分たちに賛成しない人をレイシストと呼ぶんです」
「極左派は、思想狩りや言葉狩りをして人の人生を台無しにする気です」
「おれはいんちき俺は差はと(フェイク)レイシストなんです」
「おれは左派と考えがぴったり合うわけじゃないから、連中から見れば、おれはフェイク・レイシストってことになるんだろうと思うんです」
インタビューに応じた人々の中で、デイヴィッドの言葉が一番心に響いた。