あらすじ
人間の魂、自分の心の奥には何があるのか。"こころの専門家"の目であのグリム童話を読むと……生と死が、親と子が、父と母が、男と女が、そしてもう1人の自分が、まったく新しい顔を心の内にのぞかせる。まだまだ未知に満ちた自分の心を知り、いかに自己実現するかをユング心理学でかみくだいた、人生の処方箋。
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Posted by ブクログ
グリム童話、時折日本の昔話を交え、洋の東西の差異に思いを馳せながら書かれたような考察。ひとつひとつ理由づけられたものがたりたちは、その理由づけた次元より深いところに存在しているのだろう、と、しぜん考えさせられる。グリム童話は矢川澄子さんの訳も巻末に付せられているが、岩波のセットを読み込むのもまたひとつと思う。……ただ、まだ未熟な視点しか持たない私のおさない感情ゆえだと思うが、「男性」の中にアニマとアニムスが(女性にも同様に!)同時に存在するということを頭において読み進めないと、ちょっと頭がおかしくなってしまいそうな気もする。“わたし”の中に、“男性”と”女性”が同時に存在するひとは少なくない、と思うのだが。十章を読むには少し胆力がいる。これも、「自己の内面」を浮かび上がらせられた、その結果だろうか?