あらすじ
約1分の勾留質問で164日間勾留、検事の作文で作られる供述調書、証拠
改竄や捏造……。冤罪に巻き込まれた著者がみた驚愕の刑事司法の実態とは
法制審に参加した市民委員5人が戦慄した、抜け穴だらけの刑事司法改革。誰もが信頼できる刑事裁判のために、私たちにはなすべき事がある。取り調べの可視化、人質司法の解消、証拠開示制度・再審制度の見直しで、刑事司法は必ず変わる、必ず良くなる
神津里季生(連合元会長)
松木和道(元三菱商事法務部長)
周防正行(映画監督)
安岡崇志(元日本経済新聞論説委員)
「有罪率99.9%」は、先進国の中では異常なまでの高率です。以前は、検察の優秀さを示す数字であるかのように言われてきましたが、本来なら無罪となるべき事件や、そもそも無実の人たちが、かなりの数、有罪になっていることが指摘されています。
警察、検察、裁判所に対する国民の信頼度は高いと思いますから、皆さんは、「まさか、何もやっていない自分が犯罪者にされるはずはない」と信じているでしょう。
私も、かつてはそうでした。それだけに、検察の強引な取調べ、身に覚えのない罪でも、否認を続けると長期間にわたり拘置所に閉じ込められる「人質司法」、証拠開示になかなか応じようとしない検察の姿勢、あってはならない証拠の改竄という事実に、愕然とさせられたのです。
「はじめに」より
感情タグBEST3
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事務次官まで務めた有能な官僚だけあって、抑制の効いた上品な筆致ながら検察、裁判所の不正義をズバズバと突いていて、問題の深刻さや確信がよく伝わってくる。
先日可決された再審法改正の国会での議論をずっと聞いていたが、ここでも過去に自分たちが引き起こした冤罪に対する反省など微塵もなく、現状維持に汲々とする姿勢を見せつけられて絶望的な気持ちになった。司法は国民からの信頼の上に成り立っているのに、こんな事を続けていたら中国や北の国と変わらない扱いになってしまい、自らの首を絞めるだけなのではと思われる。頭が良いのか悪いのかよくわからない人達。
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ひまわりめろん刑事司法に迫ります(ババーン)
本書の著者は村木厚子さん
元厚労省事務次官で2009年に発生した「障害者郵便制度悪用事件」で逮捕されましたが、冤罪を訴え長い長い拘留と裁判の末に無罪を勝ち取った方です
ちなみにこの裁判では現役の検事3人が証拠改竄により逮捕されるという異例の事態となっております
そして内容は村木さんの体験談を中心に現在の司法制度がいかに世間の常識、世界の常識からかけ離れているかといった問題提起と制度改革の方向性について分かりやくまとめられていますが、一方で遅々として進まない現状への憂いも強く感じられる内容となっています
いや、それにしても酷い!
こんなことが司法の常識なんか!ともうずっと怒りっぱなしですわ
「有罪率99.9%」が組織の目標なんじゃないか?とすら思えてくる
「人間は間違える」という謙虚な姿勢が全く感じられない
最近ザ・ドリフターズの本を読んだこともあって読んでる間中ずっとあのドリフターズの名作、神様コントが頭の中でヘビロテされてました
(興味のある方はYouTubeで探してみて)
「あなた検察官ですよね?」
「とんでもねぇ!あたしゃ神様だよ!」
ダメだこりゃ
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村木厚子さんの体験談を踏まえた「冤罪の作り方」。
組織として、裁判所と検察庁は戦前の体質で、無謬性を大事にし、誤りが判明した時には個人に責任を帰す、と論じている。そうなんだろうな、と思う。
医療は県立大野病院事件や乳腺外科医わいせつ事件を見ても、冤罪に巻き込まれやすい領域なので、最初の「取り調べ時の心得」を読んでおくと良いと思う。
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検察や裁判所には正義とか良心とかいったものはないのか。反省や総括という文字はないのか。一番正しくあってほしい機関であるのに、まるで悪い冗談のようだ。
こんなにひどい目にあっても沈着冷静に理論立てて経験を共有してくれる村木さんを心から尊敬するし、ご一緒に活動しておられる安岡さん、周防さん、松本さん、神津さんを心から応援したいと思う。そして、ありがとう。
検察改革はわたしたちすべての国民にかかわりのある大きな問題。この書籍が多くのひとに読まれてほしいと願う。
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本書は、元厚生労働事務次官である村木厚子氏が、局長時代に直面した冤罪事件の全貌を通じて、日本の刑事司法が抱える構造的な問題を明らかにした一冊である。
単なる事件の記録にとどまらず、誰もが過ちや組織の都合によって突如として被告人になり得るという冷酷な現実を示し、そうした事態にいかに備えるべきかを自身の凄絶な実体験と重ね合わせて提示している。さらに、再審法の不備をはじめとする司法制度の課題を投げかけ、実効性のある改革案を試案として展開するなど、極めて重厚な内容となっている。
通読して深く考えさせられるのは、検察官や裁判官が抱く「絶対に間違ってはならない」「国民の信頼を損なってはならない」という過度な無謬性の意識が、かえって事実の隠蔽や不全な組織運営を招いているという点だ。人間は誰しも判断を誤るという自明の前提に立った司法プロセスや組織構造の再設計が必要であり、エラーの存在を認めた上で正しく補正できる柔軟な組織風土と、それを許容する社会の寛容さが強く望まれる。
閉鎖的で独自の慣習に縛られた司法組織の改革は容易ではなく、その歩みが極めて遅緩であることは疑いようがない。だからこそ、多くの市民がこの問題に対する理解を深め、制度の監視者としてのリテラシーを高めていく必要性を痛感させられる良書である。
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誰でもある日突然全く知らない事件で逮捕され、起訴される可能性があるのだと思った。日本の役所は無謬性の塊だし、過去の決定がその後間違っていた、または変化が生じたとしても修正されないことも多い。先の大戦から全く学んでいない。失敗の本質を読みべき。
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検察や日本の司法の非常識な実態と
改善策が詰まった一冊。
「間違いを許さない社会」から
「間違いを正せる社会」へと
私たち市民が発想を転換し、
「無謬性」への執着を手放すこと
このまとめは、自分自身の心にも響いた。
己の胸に手を当てて省みたい。
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著者の村木さんは、元厚生労働事務次官で、現在は全国社会福祉協議会会長。2009年、厚生労働省の官僚時代、「郵便不正事件」で虚偽有印公文書作成容疑等で逮捕・起訴されるも、2010年9月の裁判で無罪確定。まさにご自身が乱脈「刑事司法」の犠牲当事者を経験されました。
本書は、その村木さんによる「刑事司法改革」提言の書です。村木さんの実体験にもとづく現行刑事裁判プロセスの事実認識と改革に向けた着眼はまさに正鵠を得たもので、私にとっても様々な気づきがありました。
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「冤罪」を「創られた」村木さんだからこその、説得力。良き一冊。裁判官も検事も、超がつくほどのエリートでないとなれない職業だから、社会の信用も高い。自分だってそう思う。
本当に罪を侵していないことを知っているのは自分だけ。しかし、それを説明させてもらえない、有罪ありきの調書作成。さらに、身体拘束が続けられることの恐ろしさがわかった。
自由なんて空気みたいなもの、そんな考えはよくないね。
法務省の審議会のあり方も。
行政出身の村木さんが、同じ行政庁である法務省、検察庁の体質をここまで書くのは、ただ単に恨みを晴らすべくではなく、そんな冤罪を今後は作らせたくない、そんな思いだけだと思う。
いち国民がどこまで関与できるかわからないけど、多くの方に手にとってもらいたい一冊でした。
Posted by ブクログ
細野 祐二氏の公認会計士 VS 特捜検察 を読んで以来、
検察、刑事司法に注目している私としては、
この本の第一部、第二部は既知の内容。
村木さん自身のお話や、ニュースから情報を得ていた。
第三部法制審特別部会の生々しい議論については、
初めて知ったことも多かった。
この本を通じて改めて思うのは、日本(人)のよくないところ。
無謬性
個より国
御用学者
だ。
無謬性はもはや日本のビョーキ。
間違えたらアウト。間違えないものだけが偉い。
間違っても正せばいい、やり直せばいい、
という環境にない。
日本の特性なのか?
米中心の農耕社会がそうさせたのか?
そうは思えないのだが、、、
小学生から大学入試まで、
そして官僚がこの無謬性の罠に嵌っている。自分の頭で考えてない。組織がそうなら自分もそう、間違えちゃいけない。偏差値エリートのやりそうなことだ。地頭がいいホントのエリートは自分で考えて動くだろう。
個より国
は私が思いついただけでゴロが悪いが、
個人の尊重なんてない。
国を優先する。
治安が守れれば、多少誤認逮捕したってしったこっちゃない。
その「個」は運が悪かっただけ。
もっと言えばそれが財政支出にも反映していて、
生活弱者より箱ものに金を使う。
生活者ファーストじゃない。
・・・自民への対抗軸はこれだと思うけどねえ
そういえば人質司法の始まりは江戸時代、吉田松陰だそうな。彼が幕府の尋問に呆れて「それでよい」と言ったから死罪になってしまったとかまったく、、
そして
御用学者の存在
やれ何とか会議でもむ、とかいっても、
御用学者が政府案を応援して、
この本の例でいえば村木さんや是枝映画監督の意見なんて、
聞きやしない。
形だけ読んでるだけ。
魂売っちゃうのかねえ。
知っていることが多かったが、
読んでいてどんどんつらくなる新書だった。
第一部 99.9%は有罪 おどろきの刑事司法
第一章 突然「犯罪者」にされた私の場合
第二章 刑事裁判 歪んだ「ゲームのルール」
第三章 罪を認めよ! さもなくば、すべてを奪う
第四章 「わが国の刑事裁判はかなり絶望的である」
第五章 袴田事件がさらした再審制度の実態
第二部 明日はあなたも「犯罪者」
第六章 痴漢冤罪「それでもボクはやってない」その後
第七章 会社員を犯罪者に仕立て上げるケースが増えている
第三部 私たちの刑事司法改革
第八章 抜け穴だらけの刑事司法改革
第九章 「公平なルール」を作り直す
Posted by ブクログ
まさに「おどろき」、そしてため息、の連続だった。
検察だけでなく警察、裁判所、学者も含め刑事司法の当局側全体が、治安維持を建前に、組織防衛が最優先で、冤罪や人質司法の問題を改善することにこんなにも後ろ向きだとは。トップクラスに優秀な人たちなのに、人権を軽視した旧態依然のやり方を変えられない、変えようとしないのがホントに不思議。
自分の冤罪事件から15年以上経ち、法制審の特別部会などで改善のため働きかけを熱心にしてきたにも関わらず、遅々として進まない状況に対する村木さんの失望と、国民にこの状況を理解して世論が後押ししてほしいという願いが伝わってくる。
とてもわかりやすく書かれているので、沢山の人に読んでほしい。
Posted by ブクログ
逮捕されたら、黙秘権を連ねばならぬのか・・・「日本の刑事司法は殆んど絶望に近い」は、実は真実だったのか・・・「推定無罪」「合理的な疑いを超えた証明」は、日本の刑事司法はまるで遵守していい。周防正行監督の「それでも僕はやってない」を一度観てみたくなった。供述調書ではなく、公判での証言の証拠能力を高めて行くにはどうしたらいいのか?北村弁護士が言ってた様な、3年前に初めて、最高裁で逆転無罪判決が出たって言ってから、まだこの国の刑事司法は救いが有るのかもしれない。検察官、警察、そして裁判官には、無謬性を是非捨てて頂きたい。
Posted by ブクログ
「まさか自分が逮捕されるはずはない」という思い込みは、ある日突然崩れます。本書は冤罪当事者にして元厚生労働事務次官が、自らの体験と改革の挫折を経て書いた、刑事司法制度への怒りと提言の書です。被害者として制度の理不尽を知り、官僚として制度の論理を理解し、改革委員として変革を阻む力学を内側から見た。その三つの経験が、本書に類例の少ない説得力を与えています。
【目次】
第一部 99.9%は有罪 おどろきの刑事司法
第一章 突然「犯罪者」にされた私の場合
第二章 刑事裁判 歪んだ「ゲームのルール」
第三章 罪を認めよ! さもなくば、すべてを奪う
第四章 「わが国の刑事裁判はかなり絶望的である」
第五章 袴田事件がさらした再審制度の実態
第二部 明日はあなたも「犯罪者」
第六章 痴漢冤罪「それでもボクはやってない」その後
第七章 会社員を犯罪者に仕立て上げるケースが増えている
第三部 私たちの刑事司法改革
第八章 抜け穴だらけの刑事司法改革
第九章 「公平なルール」を作り直す
Posted by ブクログ
冤罪で起訴された筆者がどのように無罪を証明し、それが如何に不条理で不公平だったのかを実体験や
袴田事件等冤罪を受けてしまった方々の実例を基に
検事、警察、裁判等システムの実態や問題点、改善点を提起し、現在の司法の在り方を説いている
実際の法改正の活動に携わった筆者の変えられた事、変えれなかった事を読んでいると保身、保守に走る組織主義的な様子が実に日本らしいと感じた
文面に冷静に書かれていながらも、筆者の憤り、悔しさ、悲しさがひしひしと伝わってくる
多くの方に読んで欲しい本でした
Posted by ブクログ
日本の刑事裁判では99.9%の有罪率を誇るという。それは何を意味するのか、本書は示唆している。
検察官の取り調べは真実を確かめるためではなく検察のストーリーに沿った供述調書を作るために行われてる、無罪を主張すると勾留期間が延長され保釈されないことなど驚くべき内容ばかりであった。検察、裁判官に対するこれまでの認識を覆された。
かなり批判的な内容であったが、同じ主張の繰り返しで少し中だるみ。村木さんも官僚なら省庁がやる有識者会議などは省庁の思い通りになるような有識者しか選定しないことや、初めから落とし所を決めているシャンシャン会議にしかならないことなどは想像できそうだけどなぁ。
Posted by ブクログ
おどろきを超えて、絶望的な刑事司法の現実を突きつけられる。読み進めるのがつらかった。
国民すべてにかかわることなのに、ごく少数の人にしか危機感が届かない。そして、司法の側は、村木さんや、さらに袴田さんのような、壮絶な犠牲者が出てもなお、一ミリたりとも反省しない。日本型組織の、官僚機構の極地がここにある。絶対に間違わない、という、愚かなマシーン。恐ろしい。
Posted by ブクログ
司法は国民の味方ではない、ということは事件や裁判などのニュースを見て興味を持ってその件について追加報道や書籍などで詳細を知っていくなかでも時々感じることはありましたが。
本書を読むと、さらに驚くことが随分とありました。
「執行猶予は大した罪じゃない」(p29ある検察官の発した言葉)なんて、一般人の感覚からは大きくズレていますが日常茶飯時として事件に関わり犯罪者や被疑者と向き合っている法律家からするとそんな感覚になってしまうのかもしれません。しかし村木さんがここに書かれているように一般人には「とうてい受け入れられるものではありません」
みんながみんなではなく村木さんが出会ったような検察官はほんの一握りだと思いたいですが、「決めつけ」や「圧力」や「上から」な検察官が多いのだろうかと思ってしまいます。
しかし読み進めていくと検察官の人柄というよりは司法の構造的問題なのだと思わざるを得ません。
「日本はいい国だけど、刑事司法はひどい。この国で絶対に裁判を受けたくない(p110)」外国人にそう言われるような法律を当たり前に運用していることを司法関係者は恥ずかしいとかふがいないとか思わないんだろうか。…本書を読むと…思わないんでしょうね。
(p237)裁判官は経済や科学技術の最新の知識に疎い人が多く、経済事件について、検察官の主張の疑問点を洗い出してその当否を判断することができなくなっている、という声もあります
…うーん、知らないのは当然としても判断が必要な時にさえ知らないままだったとしたら怖い。怖すぎ。
冤罪だけでなく最近でも人質司法で亡くなられた方もいて、正しく刑法が運用されていないことのやりきれなさを文章のあちこちに感じさせられました。(p71、119,130他多数…)
特に「第八章抜け穴だらけの刑事司法改革」には本当に口が開きっ放しになるような驚きを感じました。日本という国は本当に「やってる感」のためだけに何かやることが多すぎると感じます。
(p243 「一般市民を多数入れた“開かれた会議”で改革をしました」とアピールしたかったのだと思います)
こんな出来レース的な委員会など意味がないばかりか返って現状を悪くするのではないかと思いました。
(p268)法改正の議論について市民が関心を持ち、その内容を知り、発言することが大事なのです (略)心に強く残ったのは、法律というものは、条文の趣旨が解釈や運用によって大きく変わってしまう、という「学び」でした
何事も関心を持って声を上げなくては変えられないのだなと思います。
また冤罪事件において見過ごされがちだけれど極めて重要なことがp290に書かれています
(p290)被害者のいる犯罪においても、「無実の発見」は被害者やその家族にとって望ましいことであるはずです。無実の人を逮捕・起訴し、長い時間をかけて裁判を続けていれば、その間に真犯人を取り逃してしまうことにもなります。真犯人が責任を問われないままでいることは、被害者や被害者家族にとっても不幸と言わざるを得ません
それが冤罪事件の一番の問題だと私は思いました。
村木さんの怒りが走り「それは思い込みかもしれない」と思われる箇所も散見されましたが、村木さんだからこそ言える提言でしょう。
「第一章突然犯罪者にされたら」にある助言、覚えておこうと思いました。
いや、そんな目に遭うことがないのが一番なのは当たり前ですが…。
広く読まれてほしいけどなかなか関心を持ってもらうのが難しいテーマではありますね。
角川歴彦さんの本も読んでみたいと思いました。
Posted by ブクログ
「疑わしきは罰せず」。刑事司法の大原則である。強引に筋書きを作り、そうであるならば無罪の可能性は消そう。その言葉がいかに脆いものかを問いかける。
一度、捜査機関が筋書きを描けば、証拠や供述までそこに沿って読まれてゆく。疑問を抱く人がいても、組織の流れを一人で止めるのは難しい。問題は個人の資質ではなく、組織のあり様なのだ。
しかも組織は、内部からだけではなかなか変えられない。だからこそ外からの目と、検証する仕組みが要る。
司法を信頼するとは、無条件に信じることではない。正義を掲げる組織だからこそ、自らの「正しさ」を疑われる仕組みが必要なのである。
Posted by ブクログ
第一章を読んでる時から、感情移入してしまって苦しくなってきた。そういう類の本ではないと思いつつ、「村木さんだから耐えられた、普通無理」と思える「おどろきの」酷さだった。
周防監督が中心になって開かれた再審法改正についての市民向け講座のようなものに2度参加した。鴨志田弁護士、村山弁護士など多彩な方々が力を入れて取り組まれていることを知った。これが一応私のこの本を読む土台になっていたのだと、読み始めて気がついた。
冤罪については、袴田事件、大川原化工機事件など、知れば知るほど司法の酷さに怒りを覚える。自分たちの組織防衛、自分の保身のために、人の尊厳や命を犠牲にする。怖くないのだろうか。自分のやっていることが。
どうしても感情的になってしまうのだが、「もし自分が犯人に仕立てられたら」と考えるところから始めても良さそうな感じで村木さんも書いておられるので、まあいいのか。
周防監督中心の集まりに出席して、一体私に何ができるのかと思ったが、市民、国民の後押しが司法改革につながるということだったので、「そうは言われてもインフルエンサーでもないしなあ」と思いつつ、自分のできることを考えていきたい。
Posted by ブクログ
村木厚子さんの経験から多数ある冤罪の作り方、刑事司法の恐ろしさが述べられ、他の再審制度にも言及し、刑事司法を公平なものにしようと提言している。
検事がストーリーを決めるのではなく、サクッと起訴し裁判で争う方向にシフトするのはなるほど望ましい様な気がします。
Posted by ブクログ
裁判をよく見に行くのですが、確かに被告人の中にはこの人ほんとにやったのかなぁ?と思う人がいる。特に否認している人。
人質司法という言葉は初めて聞いたが、改革の余地は大いにある。
Posted by ブクログ
狙いを定める。ストーリを作る。一度動き出せば、見込み違いはあってはならない。間違いに気づくことすら許されない。被告も証人もパズルのピース。型があわなければ、変形させて嵌めてみせる。脅してでも、嘘をついてでも、捏造してでも、シナリオにあわせる。証拠隠しに人質司法。我が国の司法行政は、江戸を生きる。…立ち上がった5人の識者。法制審で物申すも、硬い岩は崩せない。司法から独立した立法。法を決めるのは、法を運用する者ではない。痴漢冤罪に経済犯罪。刑事事件は身近に起こる。誰もが当事者。進化させていく責任は市民にある。
Posted by ブクログ
読みやすく、問題点が簡潔にまとまっていてとても勉強になった。
村木さんの事件についてきちんと読んだことはなかったが、検察があり得なさすぎて改めて驚いてしまった。
刑事司法の問題は一般の人はなかなか問題意識を持ちにくいけれど、最近は数々の不祥事がありスポットが当たっていると感じる。この機会をうまく捉えて変わっていけばいいなと強く思う。
Posted by ブクログ
本書は、日本の有罪率99.9%の背景にある刑事司法の問題点を、実際に冤罪被害を経験した著者の視点から描いた一冊である。検察や捜査機関があらかじめ描いたストーリーに沿って取り調べを進める実態や、その過程で違法・不当な尋問が行われる危険性を指摘している。読後は「自分が巻き込まれたらどうするか」を考えさせられ、冤罪を防ぐための知識や備えの重要性を感じた。有罪率の高さは治安の良さだけでは説明できず、真実解明と人権保護の両立の難しさについても考えさせられる内容だった。
Posted by ブクログ
ニュースで大小刑事事案の報道が盛んになされているが、関係者以外が必要とする情報はどれほどあるのかと感じていた。そして、本書を読んで、拘留された被疑者の立場に立てば密室での取り調べが心身に与える影響がどれほどのものか、改めて向き合うことができた。閉ざされた司法社会の常識はそれ以外の非常識であるという恐れを持つことの大切さを痛感した。
Posted by ブクログ
その世界の常識に囚われていると、何も気づけなくなる。
これは立場とかの問題ではない。
自分自身にも、絶対に当てはまる。
こうあるべき、こうでなくてはならない。
そんな罠にハマっている自分に気づく。
自分が間違っているのかもしれない。
そんな気づきから、素直にみて、誤りがあったのなら、素直に修正していく。
Posted by ブクログ
全体的には良い本だと思います。
体験談やご自身の考えが書かれている前半・後半は、とても興味深く読めました。一方で、中盤はこれまで問題となった事件の紹介が中心で、そこは少し長く感じました。
この本には、事件の紹介というより、著者自身の体験や考えをもう少し深く読みたいと思っていたので、その点は少し勿体なかったです。
生意気な感想かもしれませんが、個人的にはそのように感じました。
Posted by ブクログ
ここに書かれていた検察の行動には、怒りを覚えた。悪を裁くという目的達成を目指した結果なのかも知れないが、何が一番大事なことなのか、一般人の感覚からずれていると思う。
著者は、裁判官に、より正すべき余地があると考えているように思える。裁判官が、悪を裁く側に立つことは、裁判官の存在意義を揺るがすことになるからか?
『必要なのは、「無謬性」を守ることではなく、「誤りから学ぶ力」を制度として組み込むことです。』←この当たり前のことができていない原因は、社会が検察や司法の「無謬性」を求めているからか?
検察や司法の側がどう考えているのかも聞いてみたい。